2011年8月15日 ジェンダー平等

第10 回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議で準備していた発言

2011 年8 月15 日新日本婦人の会笠井貴美代

東日本大震災に際し、被害女性はじめアジアの友人たちから温かいお見舞いをいただいたことに心からお礼を申し上げます。2点、発言します。

1つは、大震災・原発事故から被災者の生活・生業を復興するには、日本国憲法に基づく新しい日本の国づくりへと踏み出すことが求められ、それが「慰安婦」問題の解決と結びついていることです。侵略戦争への反省の上につくられた日本国憲法は、国民主権、国民の生存権、幸福を追求する権利、戦争放棄をうたっています。私たちはこの立場で被災地の支援・復興、原発事故収束と原発ゼロ、放射能汚染から子ども・国民を守る活動に全力をあげています。ところが今、国民の前にさらけ出されているのは、被災者そっちのけで政争にあけくれる民主党や自民党の正体です。震災を機に、漁業や農業をさらに犠牲にする「構造改革」を推進し、なお「安全神話」にしがみついて原発を維持し海外に輸出しようとしています。長年日本の政治をゆがめてきた利権まみれの財界・

アメリカいいなりが根本から問われています。この勢力が侵略戦争と戦前の体制に反省のない勢力と一つです。震災に乗じ「非常事態宣言ができるよう」と改憲や沖縄米軍新基地建設の動きを強め、侵略戦争美化・「慰安婦」記述抹殺の中学校教科書採択を進めていることは重大です。

こうした政治を許さず、のりこえることが、被災からの再生にどうしても必要です。男女とも人間らしく働き人権が尊ばれる日本、持続可能で平和なアジアと世界めざす日本へと進むことが、「慰安婦」問題解決でも確かな道をひらくと確信します。

2つは、「慰安婦」問題を草の根にひろげるとりくみです。侵略戦争と植民地支配の歴史に正面からむきあうことは避けて通れない日本の課題です。学校教育やマスメディアがほとんど扱わないなか、NGOの役割、とくに学習活動が重要だと実感しています。前会議後3 年間の新婦人のとりくみが資料にあります。キム・スンドクさんの絵を表紙に「慰安婦」問題パンフレットを発行し、1万冊を超えました。ある女性は「(アジアの地図をみて)慰安所の数がすごい、被害女性の証言は想像を絶する。日本政府は一刻も早く謝罪すべき」と衝撃をうけ、パンフを家でひろげると、21歳の娘が読みたいといってきたと言います。若い女性に関心が高いのが特徴です。学習を力に、署名や地方議会での意見書採択、議員を説得するとりくみにつなげています。

この会議に学び、みなさんとともに一層がんばる決意を述べて発言を終えます。

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