新日本婦人の会 中央本部は8月1日、下記を発表しました。
戦車掲載の絵本『はたらくくるま』増刷中止、
「自衛隊展示中止」への嫌がらせと攻撃について
戦車や戦闘機、戦艦などを掲載した絵本『はたらくくるま』の増刷中止、兵庫県内の百貨店での自衛隊展示中止について、新日本婦人の会中央本部や都道府県本部がツイッターで発信したところ、賛同や激励とともに、大量の嫌がらせの返信が送られてきました。
絵本『はじめてのはたらくくるま』(発行・講談社ビーシー)の問題では、3~6歳の幼児をもつ会員らが編集部と懇談し、「戦闘機などの特集で驚いた」「身近な働く車ではない」など率直な思いを伝えました。出版社が読者の声をうけて検討を重ね、「適切ではなかった」、今後「増刷は行わない」と自ら結論に至ったことは、同社から中央本部に届いた手紙にある通りです。兵庫県本部のツイートには、改憲と排外主義の極右勢力からのコメントがSNSを通して大量に送りつけられ、電話による嫌がらせ、顔写真の無断撮影などの事態が続いています。右派専門のネットニュースに「『出版やめろ』の圧力に出版社が屈した」「(百貨店で)大暴れした」など、事実をゆがめる悪質な内容が流され、インターネット上でも拡散されていることに対しては、断固抗議し、法的措置も検討しています。
神戸市内の百貨店で7月末に予定されていた展示企画「防衛省 自衛隊の車両がやってくる。」は、自衛隊車両の展示、自衛隊制服を試着し写真撮影が無料でできるなどというものでした。地元の新婦人会員らが百貨店担当者に「子どもからお年寄りまで利用する百貨店で、なぜ自衛隊の展示なのか」と要請し、翌日、先方の担当者から「今回はやめます」との返事がありました。
安倍政権が集団的自衛権行使の閣議決定と安保法制を強行し、米軍の作戦に参加するという新任務のもとで、自衛隊の装備品や試乗などのイベントが広がっていることに、少なくない女性や国民が不安を抱くのは自然なことではないでしょうか。そして私たちは、地震や豪雨など災害現場で懸命にがんばる自衛隊員の姿に心を打たれ、この若者たちを戦場に送るなと運動してきました。
憲法9条のもと、日本が戦争で一人の命も奪わなかったことは、日本国民の誇りです。いま安倍政権が、米軍と一緒に海外で戦争する自衛隊に変えようと、国民の支持のない憲法改悪をねらい、沖縄新基地建設やオスプレイの配備・訓練など住民の反対を無視し強行することは、受け入れがたいものです。
こうした私たちの率直な思いを表現することは、正当な言論活動です。今回の一連の嫌がらせや組織への攻撃は、女性・市民の活動を委縮させるためのもので、民主主義の国では許されません。
新日本婦人の会は1962年、先の悲惨な戦争体験をへて再び繰り返さないと、「憲法改悪反対、軍国主義復活阻止」「核戦争阻止」など「五つの目的」の実現めざして結成された女性団体として、これからも子どものしあわせと平和のために活動を続けます。
2019年8月1日
新日本婦人の会 中央本部