第8回 ファッションから考える
私たちの被服をとりまく環境は様変わりし、15年前に比べると被服購入費が60%アップする一方、着用期間は半分以下になりました。
背景には大量生産・低価格で販売するファストファッションの台頭があります。低価格の裏には誰かの犠牲があります。2013年に1000人を超える犠牲者を出したバングラデシュのダッカ近郊ビル崩落事故では、安い賃金と劣悪な労働環境で働かされる人々の実態があらわになりました。途上国の労働者に公正な対価を払い、自立を支援する「フェアトレード」を推進する企業も増えていますが、日本は世界市場のわずか1%程度。余剰在庫も問題で、衣服の供給量約28億点のうち約14億点が売れずに廃棄されました(2017年)。
そんな中、変化が起こっています。ファストファッションの代表格であったフォーエバー21の破綻を皮切りに、大手ブランドは売り上げが軒並み停滞。これは消費者の環境意識が高まり、大量生産・大量消費ではなく持続可能なものを選択したいとの気持ちの表れです。アパレル業界の調査によると消費者の70%が環境・社会に配慮したファッションを取り入れたいと回答。
新婦人は着物リフォーム、古着交換会など、楽しみながら「つかう責任」の実践を広げています。
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『SDGs』ってなぁに?
最近いろいろなところで目にするSDGs(エスディージーズ)。
国連に加盟する193カ国が2030年までに達成を目指す17項目の持続可能な開発目標のことです。
貧困、ジェンダー平等、気候変動、平和など、17の目標は、新婦人の「五つの目的」とも重なります。草の根から世界を変えよう!
新婦人しんぶんでは、2019年4月から月1回連載中です。(2019年1/1号、4/11号、5/16号、6/13号、7/11号、8/8号、9/12号、10/10号、11/7号)