2020年2月28日 ジェンダー平等

要請書「刑法見直しを急ぎ、 同意のない性交を犯罪とする抜本改正をしてください」

 新婦人は法務大臣あてに、要請書「刑法見直しを急ぎ、 同意のない性交を犯罪とする抜本改正をしてください」を送付しました。

 


法務大臣  森 雅子  様

 

【要請書】

刑法見直しを急ぎ、同意のない性交を犯罪とする抜本改正をしてください

2020年2月28
新日本婦人の会
会長 米山 淳子

 

 私たち新日本婦人の会(新婦人)は、女性や子どもの権利、平和、世界の女性との連帯のため、全国で草の根から活動している、国連NGOの女性団体です。平塚らいてう、いわさきちひろらのよびかけで1962年に創立され、58年の歴史をもっています。

 性暴力のない社会を求めるフラワーデモが全国に広がり、元TBS記者を性暴力で訴えた伊藤詩織さんの東京地裁での勝利(2019年12月18日)に続き、酔った女性への性的暴行が無罪となった地裁判決が福岡高裁で逆転有罪判決(2020年2月5日)が下されるなど、今、世論と運動が動かし始めています。

 今年は、2017年に110年ぶりに改正された刑法見直しの年であり、ふさわしい検討が急がれています。昨年相次いだ性暴力無罪判決は、前回改正時に積み残された重大な課題を浮き彫りにしました。激しい抵抗をしたとする「暴行・脅迫」「抗拒不能」要件が残され、性犯罪と認められるハードルが依然として高く、救われない被害者がさらにつくられています。

 性暴力は重大な人権侵害であり、生涯、癒えることのない傷を負わせます。性行為は強制されるものではなく、本人同士の「性的同意」を必要とする法整備の流れが世界で広がっています。

 日本が女性差別撤廃条約を批准して35年、国連第4回世界女性会議(北京)から25年。いま、女性たちは、だれもが差別されず、尊厳をもって生きられるジェンダー平等社会を求め、#MeToo、#WithYouと声をあげ、「日本の女性の人権を国際水準に」と求めています。

 今回の刑法見直しにあたり、以下を強く要望します。

 

1、刑法の性犯罪規定について177条「暴行・脅迫」、178条「抗拒不能」を廃止し、「同意」要件を明記すること

2、性交同意年齢を引き上げ、子どもへの性暴力は罪をより重いものにすること

3、強制性交等罪10年、強制わいせつ罪7年という時効を撤廃すること。

4、地位や関係性を利用した性行為に対する処罰を設けること。

5、大臣の「(検討会は)被害者や支援に関わる研究者、専門家等の意見を幅広く聞く体制で進めたい」との国会答弁(2月25日)どおり、刑法改正の検討会や法制審議会に、被害者や支援の研究者、専門家を多数メンバーに入れ、当事者の意見をきちんと取り入れること。

6、「日本の女性の人権を国際水準に」するにふさわしい性教育や関係者への研修を抜本的に強化すること。

 

※データは以下よりダウンロード可能です。

【要望書】刑法見直しを急ぎ、 同意のない性交を犯罪とする抜本改正をしてください

 

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