新婦人は、内閣総理大臣らに【要請書】「新型コロナウイルス感染をこれ以上拡大させないうえでも女性の切実な声と深刻な生活実態を反映し、ジェンダー視点にたった施策をつよく求めます」を送付しました。
安倍晋三内閣総理大臣
橋本聖子女性活躍担当・内閣府特命担当(男女共同参画)大臣
新型コロナウイルス感染をこれ以上拡大させないうえでも
女性の切実な声と深刻な生活実態を反映し、
ジェンダー視点にたった施策をつよく求めます
2020年4月10日
新日本婦人の会
会長 米山 淳子
新日本婦人の会は、新型コロナウイルス感染の急速な広がりのなか、全国の女性の「困った」の声を集めて、その都度、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部に届け、要請を重ねてきました。
今、緊急事態宣言の重大局面のもとで、女性団体として、なにより感染をこれ以上拡大させないため、人と人の接触を厳に慎む行動を社会的責任として自らつよめ、広く女性たちにもよびかけています。そして、政府には、補償・検査拡充を頑なに拒否する姿勢を改めて、補償とセットの実効ある外出・営業自粛の強化、PCR 検査と抗体検査の抜本的強化、医療崩壊を防ぐ物資と場所、人員の確保などを、大胆な財政投入で、ただちに実施することを、強く求めます。
深刻な女性の貧困化がすすむなか起こった今回の事態で、当会にも「シングルマザーでダブルワークをしていたが、2つとも仕事なくなった」「スーパーのラウンジ勤務だが、閉じることになった」「フリーランスの仕事がなくなり、4月は収入ゼロ、不安で夜も眠れない」など切実な声が寄せられています。非正規の6割を占める女性が真っ先に職を失っているにもかかわらず、給付金が世帯主対象とされるなど、女性の実態から遠くかけはなれたものです。
また、学校休業の長期化や福祉・介護施設の縮小で子育てや介護の負担が重く女性の肩にかかり、長い閉じこもりの日々でたまるストレスと暴力が向けられる、医療逼迫のなか妊娠中の女性の受け入れ病院がなくなっているなど、女性の要求はとりわけ切実です。
政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の構成は発表されたもので、20 人中女性は3人で、地方自治体でも、こうした女性の声が対策に十分反映できるようになっていません。
国連は、事務総長やUN ウイメンが各国政府に対し、「ジェンダー視点にたったCOVID-19新型コロナウイルス対策」「政策決定過程への女性の参加」を呼びかけています。
以下、要請いたします。
1、政府の新型コロナウイルス対策にジェンダー視点をすえ、非正規やシングルマザーも含め、女性の生活実態にみあった経済支援をつよめてください。給付金や補償を、世帯単位でなく個人単位にしてください。
1、ネットカフェ難民、派遣切りなど住むところを失う女性や若者、感染情報の届かないホームレスの人などに、宿泊場所確保の手立てを緊急にとってください。
1、配偶者間暴力(DV)被害の相談窓口と専門員、被害者の一時保護を事態にふさわしく確保し、財政支援をして下さい。
1、抗体検査やPCR 検査の抜本的拡充で医療崩壊を防いで下さい。妊娠した女性が安全に安心して出産できるよう医療機関を確保する手立てをとって下さい。
1、国・自治体の新型コロナウイルス感染症対策本部のジェンダーバランスを見直し、女性の割合を増やして、女性の現場の声が反映されるようにして下さい。