新日本婦人の会は5月28日、【声明】「緊急事態宣言全面解除にあたって―万全の医療体制と生活補償を急いで」を発表しました。
緊急事態宣言にあたって―
万全の医療体制と生活補償を急いで
安倍政権は25日、東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道の5都道県で継続していた新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を解除し、4月7日に発令された宣言は1カ月半ぶりに全面解除となりました。感染を拡大させないよう、国民が外出自粛や休業要請に応え、医療従事者や保健所職員らが奮闘してきた結果ですが、疫学的検証も必要です。
当面は段階的に社会経済活動が再開に向かいますが、さらなる感染の波の可能性や兆候もあり、この時期にこそ、PCRなどの検査体制や医療体制を抜本的に拡充することが求められます。
この新型コロナ問題を通して、安倍政権による社会保障や教育費の削減、ジェンダー政策の欠如や税金のゆがんだ使われ方など、様ざまな問題があぶりだされました。科学的根拠にもとづく情報や対応がなく、アベノマスクなど場当たり的な政策に終始し、いまだに休業補償が届かず、失業や廃業・倒産に直面する人々が多数にのぼります。
長引く学校休校に親も子も戸惑い、非正規女性が真っ先に職を失い、子育てや介護の負担が女性の肩に重くのしかかって、DVや虐待、妊産婦の不安が広がり、女性たちがより深刻な影響を受けています。新婦人はこうした「困った」の声を政府や自治体に繰り返し届け、ジェンダー視点に立った施策を求め、一人10万円の給付金の実現をはじめ、各地で安心・安全の学校再開、妊婦へのPCR検査実施など、一つひとつ前進させてきました。
また、コロナ対応に全力をあげるべきときに、改憲をねらい、検察人事を私物化する検察庁法改定を押し通そうとした安倍首相に対して国民の怒りが噴き出し、ツイッターやネット署名、FAX要請、スタンディングなど抗議行動が広がり、野党も結束して安倍政権を追いつめています。直近の内閣支持率は、政権発足以来最低水準の27%(毎日)、29%(朝日)にまで急落し、女性の支持率はさらに低くなっています。
こうした広範な世論と行動が政治を動かしています。27日に閣議決定された20年度第2次補正予算案は32兆円規模で、医療提供体制の拡充や事業者の家賃支援、雇用助成の拡充、ひとり親世帯に5万円給付などが反映されました。これらの支援が一刻も早く、確実に届くようあらゆる措置をとることが求められます。
同時に、受診抑制による収入減の医療機関や文化・芸術復興への大幅補助、大学授業料の一律半額免除、教職員の増員や少人数学級の実施などの施策が必要です。国会に諮らずに政府が自由に使える予備費10兆円計上も大問題です。
新婦人は引き続き、感染予防につとめながら、国民の命と健康、暮らしと雇用を守り、子どもたちの教育権を保障するために、行動していきます。広範な女性たちとつながり、「ごいっしょに力を合わせて」と、大きく仲間を広げていきましょう。
2020年5月28日新日本婦人の会中央常任委員会