新日本婦人の会は9月1日、【声明】「世論と運動に追いつめられ、安倍首相辞任憲法が生きる、ジェンダー平等の新しい政治を」を発表しました。
世論と運動に追いつめられ、安倍首相辞任
憲法が生きる、ジェンダー平等の新しい政治を
2020 年 9 月 1 日
新日本婦人の会中央常任委員会
安倍首相は8月28日、持病の悪化を理由に辞任を表明しました。7年8カ月に及んだ安倍政権は立憲主義を壊す戦争法や秘密保護法、共謀罪の強行、国政の私物化、2度の消費税増税など戦後最悪の政権でした。さらに新型コロナウイルス感染拡大の危機に、検査や医療体制の抜本策を示さず、アベノマスク、GoToキャンペーンなどの失政に批判が高まり、内閣支持率も最低水準に落ち込むなど、辞任は世論と運動に追いつめられた結果です。
憲法と民主主義を踏みにじる強権政治に対し、原発再稼働反対、沖縄新基地建設阻止の共闘のうえに、戦争法廃止、安倍9条改憲反対で戦後初めての市民と野党の共同を築きました。選挙での野党統一候補の勝利をはじめ、新たなたたかいを巻き起し、当事者によるフラワーデモなどの行動も広がっています。新日本婦人の会はともに声をあげ、運動してきました。首相が一貫して執念を燃やしてきた9条改憲を、自ら「国民世論が広がらなかった」と認めざるをえなかったように、私たちの運動と世論の力で阻んだことは大きな確信です。
首相辞任でうやむやにできない問題は山積みです。「森友」「加計」「桜を見る会」疑惑の徹底究明、公文書の改ざん・隠ぺい、破棄、検察庁やメディアへの人事介入や支配など、破壊された民主主義の回復は急務です。現職議員が裁かれる大規模買収事件やカジノ汚職など、政権中枢の疑惑について安倍首相は何ひとつ説明責任を果たしていません。アベノミクスは大企業や富裕層に巨額の富をもたらす一方、労働者の実質賃金は下がり続け、消費税大増税に加え、労働法制や社会保障の改悪によって格差と貧困を広げました。外交も、米国製兵器の爆買い、農産物の市場開放をはじめ、核兵器禁止条約への参加を求める被爆者らの声に背を向け、アメリカいいなりが際立っています。
ジェンダー平等では、「女性活躍」を掲げながら「女性登用2020年までに30%」を先送りし、選択的夫婦別姓に反対、閣僚らの女性蔑視の暴言も相次ぎました。とりわけコロナ禍で、真っ先に職を失う非正規労働者、医療や保育などの劣悪な待遇、子育てや介護の負担、家庭内暴力の急増など、女性をとりまく施策の遅れを浮き彫りにし、厳しい批判が広がっています。
いま女性・国民が求めるのは、安倍政治を推進してきた自民党の政権たらい回しでなく、政治を根本から変えることです。コロナ対策をはじめ多くの課題について、ただちに臨時国会を開き、審議することを求めます。
新日本婦人の会は「ともに声をあげる」「仲間を増やす」「選挙で変える」とりくみをつよめ、来たる衆議院議員選挙は野党連合政権による、憲法が生きる持続可能な新しい日本へとすすむチャンスとするよう全力をあげます。