新日本婦人の会は9月28日、【抗議文】日本学術会議会員候補の任命を拒否する違憲・違法な態度を直ちに撤回し、全員を任命するよう強く求めます を内閣総理大臣に送付しました。
内閣総理大臣
菅 義偉 様
日本学術会議会員候補の任命を拒否する違憲・違法な態度を
ただちに撤回し、全員を任命するよう強く求めます
2020年10月2日
新日本婦人の会中央本部
菅義偉首相は、日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人の理由を明らかにしないまま任命を拒否しました。任命されなかった6人は、多くが戦争法(安保法制)や共謀罪法、沖縄・辺野古新基地建設などに反対を表明してきた研究者です。任命拒否は憲法23条の「学問の自由」を脅かす違憲行為です。官邸の強権によって、科学者、日本学術会議を意のままにしようとする政治介入であり、とうてい許されません。新日本婦人の会は、菅首相に厳しく抗議します。
加藤官房長官は「首相の所轄で、一定の監督権を行使することは法律上可能である」と記者会見で開き直りましたが、日本学術会議法に監督権は一切書かれておらず、法律にも反します。1949年に日本の科学者を代表する国の機関として発足した日本学術会議は、科学の振興や技術の発達に関する方策などについて政府に勧告することができる独立した機関です。83年、会員の公選制から推薦制に法改定がおこなわれたときも、政府は「ただ形だけの推薦制であって、学会の方から推薦いただいた者は拒否しない」と述べています。実際、任命拒否は菅首相が史上初めておこなった暴挙です。
日本学術会議総会(10月1日)で新旧会長も「任命拒否は日本学術会議の歴史になかったことで重大」と述べ、総会は2日、任命しなかった理由の開示、6人の改めての任命を求める要望書の提出を決めました。いま、科学者のみならず、女性・市民やメディアからも大きな批判が巻き起こっています。
新日本婦人の会は、菅首相が学術会議が推薦する会員候補の任命拒否をただちに撤回し、6人全員を任命するよう重ねて要請します。