2020年10月15日 ジェンダー平等

【談話】非正規差別をなくしジェンダー平等へ ―最高裁2判決に抗議します

新日本婦人の会は10月15日、副会長談話を発表しました。

 


 

【談話】非正規差別をなくしジェンダー平等へ ―最高裁2判決に抗議します

 

2020年10月15日

新日本婦人の会副会長 笠井貴美代

 

 10月13日、15日、非正規労働者の差別是正を訴えた裁判の最高裁判決が相次ぎました。大阪医科大学のフルタイムアルバイト女性の「一時金」、東京メトロ子会社の契約社員の女性2人の「退職金」について“支給しないことは不合理な格差ではない”と不当な判決を下しました。一方、日本郵便の年末年始勤務手当や扶養手当などを"支給しないことは不合理な格差と、18万4千人の非正規労働者が働く巨大企業を断罪しました。

 日本の深刻な貧困・格差の拡大とジェンダー平等121位の国際的遅れの大もとに非正規労働の問題があります。コロナ禍で真っ先に雇止めにあうなか、諸手当・権利とともに一時金・退職金等の格差是正は待ったなしです。

 非正規労働者は、財界の賃金抑制戦略のもと、自公政権による相次ぐ労働法改悪によって、1995年の雇用者全体の2割から2019年には2165万人、約4割まで急増し、その7割は女性です。民間の年間給与は正規503万円(うち賞与97万円)に対し、非正規175万円(同8万円)、女性の非正規はわずか152万円です(19年国税庁)。同じ仕事での不合理な格差を禁じる労働契約法(後、パート有期法に統合)がつくられ、今年4月からの「同一労働同一賃金」施行後、初の判決でした。「奈落の底に突き落とされた」「何のための法律か」との2件の原告女性の怒りは非正規労働者と女性たちの思いです。格差是正の流れに逆行し、司法の役割を放棄した判決に強く抗議します。

 国連は新しく9月18日を「平等な賃金の国際デー」に制定しました。コロナ禍を乗りこえて持続可能な社会へ、正規が当たりまえで、非正規・ジェンダー差別のない社会へとさらに声をあげ、政治を変えていきましょう。

 

 

※データは以下よりダウンロード可能です。

【談話】非正規差別をなくしジェンダー平等へ ―最高裁2判決に抗議します(PDF)

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