新日本婦人の会は12月4日、【抗議文】種苗法「改定」法案の可決・成立に強く抗議します。農家による種子の自家増殖を認め、持続可能な農業へ支援を強化することを求めます を内閣総理大臣、農林水産大臣、公明党代表、日本維新の会代表に送付しました。
内閣総理大臣 菅義偉 様
農林水産大臣 野上浩太郎様
公明党代表 山口 那津男様
日本維新の会代表 松井一郎様
種苗法「改定」法案の可決・成立に強く抗議します。
農家による種子の自家増殖を認め、持続可能な農業へ支援を強化することを求めます
2020年12月4日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
12月1日、菅政権は種苗法改定法案について、衆参の各農林水産委員会での審議がわずか14時間、農家の理解や国民的な合意もされていない中、採決し、可決・成立させたことに強く抗議します。
政府は改定案について「農作物の優良品種の海外流出を防ぐため」として、推し進めてきました。しかし海外で品種登録しない限り、流出は防げないことを農林水産省自身が審議の中で認めています。
むしろ、農民が連綿と続けてきた自家増殖という根本的な権利を原則禁止し、新品種の開発、登録をした育成権者の知的財産権の保護を強化するものです。
改定は種子販売をおこなう多国籍農業関連企業のもうけを確保するためのもので、今後、農家は種苗をすべて購入するか、育成権者の許諾を得て自家増殖することとなり、農家、消費者ともに新たな経済的負担を強いられます。
また、種子が企業の手に握られれば、女性、国民が望まない「遺伝子組み換え」などで食の安全も脅かされます。
日本の食料自給率は37%と、6割強を海外に頼る、世界一の食料輸入国です。
政府は農業の衰退、消費者への負担増につながる種苗法改定ではなく、国内農業の継続と振興のための支援を強化し、食料自給率を向上させるべきです。また農民の自家増殖を認め、世界的な気候変動にも耐えうる種の多様性を確保していくことは、国民の命をつないでいくうえでも重要です。
政府が改定を急ぐ短期間にも、女性、国民の中で急速に「種苗法改定はやめて」の声が広がりました。政府がおこなうべきは、種苗法改定ではなく、新型コロナ感染拡大防止対策を抜本的に強め、国民の命を守ることです。改定種苗法は廃止し、食の安全、持続可能な農業へ、支援を強化することを求めます。