新日本婦人の会は12月26日、会長談話を発表しました。
【談話】第5次男女共同参画基本計画閣議決定にあたって
2020年12月26日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
12月25日、今後5年間で実施する「第5次男女共同参画基本計画」が閣議決定されました。コロナ禍で苦しむ女性への支援、性暴力の根絶など、ジェンダー平等を求める世論の高まりのなか、「計画素案」には6000件を超える意見が寄せられました。「計画」では、緊急避妊薬を処方箋なしで薬局販売することの検討や就職活動中の学生へのハラスメント調査を盛り込むなど一部に前進面は見られましたが、ジェンダー平等度121位という国際的な遅れを底上げする抜本策は示されませんでした。
指導的な地位を占める女性の割合を2020年までに30%にとの目標は未達成のまま、実現時期を「2020年代の可能なかぎり早期に」と先送りし、「平等・開発・平和」を一体にすすめる姿勢も安倍政権下で削除されたまま、平和分野の言及がほとんどありません。
注視されていた選択的夫婦別姓制度の導入については、大幅に後退させられました。「計画案」にあった「女子差別撤廃委員会の総括所見なども考慮」「選択的夫婦別氏制度」の文言を削除したうえに、新たに「戸籍制度」「家族の一体感」「子供への影響」など、改憲・女性べっ視の右翼団体・日本会議の主張が挿入されたのです。しかも12月になっていきなり自民党の一部右派勢力の介入によって書き換えられるなど、民主主義に反する乱暴なやり方は、国の政策づくりの歴史に汚点を残すものです。
新日本婦人の会はいっそう運動を広げながら、来たる総選挙では、自民党へのきびしい審判を広げ、ジェンダー平等を掲げる野党連合政権をつくるため、力を尽くします。