新日本婦人の会は1月25日、【要請】罰則や制裁を導入するコロナ特措法、感染症法の改定につよく反対します
を内閣総理大臣に送付しました。
内閣総理大臣 菅 義偉 様
罰則や制裁を導入するコロナ特措法、感染症法の改定に
つよく反対します
2021年1月25日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
政府が、新型コロナウイルス対応の特別措置法や感染症法などの改定案に、罰則や制裁を新たに導入しようとしていることに、私たちはつよく反対し、撤回を求めます。
今回の感染症改定案では、入院を拒否した感染者への1年以上の懲役または100万円以下の罰金など刑事罰をもうけ、特措法改定案では、緊急事態宣言前に「まん延防止等重点措置」を新設し、営業時間短縮命令などに従わない事業者への罰則を導入するとしています。
感染症対策は、なによりも国民の納得と合意による協力ですすめられるべきで、そうしてこそ効果があがることは首相が国民の心に届くメッセージを届けながら施策をすすめている諸外国の実例でも明らかです。これに反し、本来、保護の対象となるべき感染者や事業者に対し、罰則で脅し、今でも問題となっている差別や偏見を広げ、国民の分断をもちこむなど、あってはならないことです。
感染症法が、かつてのハンセン病などで差別を広げた反省を前文に明記し、「感染症の患者等の人権を尊重し」「良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応する」と明記している、この教訓と法の趣旨を今こそ生かさなければなりません。
女性や国民は今、新型コロナウイルスの感染拡大の一日も早い収束を願い、逼迫する暮らしや医療のための国の抜本的な対策をつよく求め、政府の施策に厳しい目をむけています。世論調査では、「菅首相が新型コロナウイルス対策で指導力を発揮していない」73%、「営業時短命令に従わない店に罰則を科すこと」に反対は59%で賛成の倍を超えています。今、必要なのは、罰則や制裁などではなく、全額国費による検査の抜本拡充、医療機関・保健所の支援拡充、自粛と一体の十分な補償などの施策です。
新日本婦人の会は、菅政権が女性・国民の願いに耳を傾け、科学的知見を結集し、今こそ、いのちと暮らしを守る、ジェンダー視点の施策の抜本的強化へと転換することを求めるとともに、罰則や制裁を新設するコロナ特措法、感染症法の改定に反対し、撤回をつよく求めます。
※データは以下よりダウンロード可能です。
【要請】罰則や制裁を導入するコロナ特措法、感染症法の改定につよく反対します(PDF)