2021年3月11日 ジェンダー平等

【要請】3月に取りまとめるコロナ禍の女性施策は、困窮女性への緊急で抜本的な支援策とし、 「女性の権利を国際基準」へとすすむよう求めます

新日本婦人の会は、3月11日【要請】3月に取りまとめるコロナ禍の女性施策は、困窮女性への緊急で抜本的な支援策とし、 「女性の権利を国際基準」へとすすむよう求めますを内閣総理大臣らに送付しました。

 

 

内閣総理大臣 菅義偉 様
男女共同参画担当大臣 丸川珠代様

 

3月に取りまとめるコロナ禍の女性施策は、困窮女性への緊急で抜本的な支援策とし、
「女性の権利を国際基準」へとすすむよう求めます

 

2021年3月11日

新日本婦人の会
会長 米山淳子

 

 

 菅首相は3月5日、新型コロナウイルス感染症対策本部後、「新型コロナの影響が長引く中、女性の非正規やひとり親の方々を始め、就業に困難を抱えている方々、望まない孤独、孤立で不安を抱えている方々について、今月中旬にも関係閣僚会議を開催し、支援策を取りまとめます」と述べました。

 3月8日の国際女性デーを前に、とりわけ困難のなかにある女性たちへの支援が、ようやくとはいえ具体的な検討に入ったことを歓迎し、それが事態にふさわしい抜本的なものとなることを強く求めます。

 先の見えないコロナ感染禍の1年、また、年度替わりの春にあって、女性の困窮は深刻さを増し、支援は急を要しています。新日本婦人の会が各地でとりくんでいる「物資支援&相談会」でも、生理用品や紙おむつが瞬く間になくなり、「販売のバイトを解雇され、友だちからの借金で生活」「4月入学の中学生の制服、体操服で7万9千円も」「シングルで子育て中。小学校入学の子のランドセルは譲ってもらったが、洋服が買えない」「3人目が生まれ育休中。夫が無職となり生活が苦しい」など、悲痛な訴えが相次いでいます。DV急増や女性の自殺9カ月連続増の背景にも、生活の逼迫や一人では自立できない女性の低収入の現実があります。

 この事態は、「小出し」「後手」のコロナ対策とともに、男女平等ランキング153カ国中121位に示される日本の女性施策の特別な遅れを露呈したものです。また、森喜朗元首相の女性差別発言や担当大臣と政権与党の選択的夫婦別姓妨害などに内外の批判が高まる最中、今こそ、女性の権利を国際基準に引き上げる抜本的な施策へと転換することを求めます。

 国連は、「コロナ施策にジェンダー視点を」と各国政府に繰り返し要請し、グテーレス事務総長は国際女性デーに寄せて、「パンデミックからの回復は、何世代にもわたって続いてきた排除や不平等を断ち切るチャンス」とよびかけています。各国で、また国内の自治体からも、エッセンシャルワーカーへの支援金や生理用品の無料配布などの新たなとりくみが広がっています。

 新日本婦人の会はこれまでもコロナ禍での働く女性の緊急アンケートなどで実態をつかみ、男女共同参画局や厚生労働省に緊急対策を求めてきましたが、縦割り行政のもとで、女性支援の実効策が欠落していることを痛感してきました。今回、取りまとめられる施策に、以下の緊急支援策を盛り込むよう要望します。

 

1、「困った方は生活保護、就学援助の積極的な利用を」「女性支援の諸制度あります」と、地域や学校、行政あげて対象となる人みんなに届くよう、「生活保護の扶養照会は義務ではない」ことも含め、テレビなどのメディアでも大宣伝し、だれもがとりやすいよう特別の手立てと拡充措置をとってください

2、不備が指摘されながらここまで対応が遅れた学校休業等対応助成金制度について、対象となる保護者が個人でも申請でき、期間を限らず、最後の一人まで行き届くまで政府が責任をもつことを明確にしてください。非正規も含め、小学校、学童保育、幼稚園、保育所などのコロナ休業の場合も対象となることを現場で全保護者に知らせるよう、文科省や厚生労働省から通知を出してください

3、エッセンシャルワーカーの役割の重要性が改めてあきらかになるなか、常勤保育士1人必須の規制をなくす保育士パート化の動きや、労働者派遣法で禁止されている「日雇い派遣」を社会福祉施設への看護師に解禁する動きなど、逆行する動きをただちにやめ、ふさわしい処遇改善をはかる責任ある施策に踏み出してください

4、衛生的な生活のため不可欠な、生理用品の無料配布の措置を緊急にとってください

5、各地の食料品・日用品配布活動を民間任せにせず、政府として、お米の買い上げ・配布などの緊急措置もとり、公的にも必要不可欠なものが行き届くようにしてください。

6、各種相談活動は女性むけに相談しやすくし、自治体と協力して、広く安心して相談できる公的な体制を専門家も配置し、開設・充実してください

 

※データは以下よりダウンロード可能です。

 

【要請】3月に取りまとめるコロナ禍の女性施策は、困窮女性への緊急で抜本的な支援策とし、 「女性の権利を国際基準」へとすすむよう求めます(ワード)

【要請】3月に取りまとめるコロナ禍の女性施策は、困窮女性への緊急で抜本的な支援策とし、 「女性の権利を国際基準」へとすすむよう求めます(PDF)

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