こんな時にあなたに役立つ制度があります
コロナ禍で困窮、女性支援いまこそ
「無策延長」と言われるコロナ緊急事態宣言の3県2週間再延長(5日)のもと、国民の暮らし、女性の困窮が深刻さを増しています。新婦人「春の行動」(3月8日国際女性デー~4月10日女性参政権行使記念日)で、ジェンダー平等を求める多彩な行動とともに、各地で女性支援の強化の要請と女性支援・相談活動がとりくまれています。
今ある役立つ制度(下表)を知らせて活用、拡充を求める声をあげ、「コロナでもジェンダーでも足をひっぱる菅政権ノー、政権交代をご一緒に」とよびかけましょう。
各地で広がる女性支援
目の前がパーッと明るくなった
新婦人石川県本部
2月28日、女性向けの物資支援&相談の「ほっこりスペース(写真上)を開催。保育園や病院、県営住宅などに宣伝チラシを配布し、会員に呼びかけると、日用品や食料品がどっさり寄せられました。当日は42人が訪れ、元養護教諭、市議会議員の会員が相談員となっていた相談コーナーには4組が。
60代の母親は病気がちで昨年12月に退職、40代の娘は清掃業のパート、月の収入は母親の年金3万円と娘の約7万円のみ。生活保護制度を紹介すると、「何年か前に相談に行ったが、親族の問い合わせの話が出て、あきらめて申請を取り下げた。
話を聞いて生活保護を受けられるかもしれないと知り、目の前がパーッと明るくなりました」と目を赤くしました。他にも、「解雇されて収入が減った」「Wi-Fiなどインターネットの環境がないため、オンライン授業が受けられず困っている」との切実な声が寄せられました。
生活保護は権利です
扶養照会は義務ではない
生活保護制度は、社会保障を国の義務と定めている憲法25条(※)に基づき、1950年につくられました。生活が苦しい方にたいして、生活費や住まい、教育、医療や介護など、必要最低限の費用を公的に保障する制度です。だれでも要件を満たせば、いつでもどこに住んでいても、生活に困った理由に関係なく、居住する市区町村の福祉事務所の生活相談窓口で申請できます。率直に相談してみましょう。
家族がいるから受けられない?
民法では家族や親族が経済的に助け合う扶養義務が定められていますが、それは生活保護の要件ではありません。
申請の際、福祉事務所が援助できるかどうかを親族に問い合わせる「扶養照会」も、利用をはばむ大きな壁になっています。今国会で共産党の質問に対し、田村厚生労働大臣が申請をためらわせる扶養照会は「法律上の義務ではない」と答弁し、菅首相は「生活保護は国民の権利だ」と改めて認めています。
また厚労省は今年3月から要領を一部改正し、これまで「70歳以上の高齢者」や「20年間音信不通」などとしていた扶養照会しない例を、「20年間」を「10年程度」に短縮。「相続で対立している」「借金を重ねている」など「著しい関係不良」も加えました。しかし明確に禁止しているわけではありません。引き続き、扶養照会を経なくても生活保護を受けられるよう声を上げていきましょう。
年金や賃金をもらっていたらダメ?
生活保護は賃金や年金の収入があっても生活が苦しければ申請できます。厚労省が定める最低生活費から収入を差し引いた差額が支給されます。その額はその人に応じて、8種の扶助(表1)と地域、世帯によって決められています(表2)。国民健康保険加入者は脱退して医療扶助となり、各種社会保険では、加入したままの状態となります。
車や持ち家があったらダメ?
持ち家があっても認められる場合があります。その際、住宅扶助は支給されません。車の保有は原則不可とされていますが、通勤や通院など生活の維持のために必要な場合には認められることがあります。
あきらめずに申請を
生活保護の申請を断られた場合、不当に追い返されている可能性があります。あきらめずに新婦人の仲間や専門家、議員などの支援者といっしょに申請してみましょう。