新日本婦人の会は、4月6日【抗議文】「防衛省が「反戦デモ」と「報道」を敵視する資料を作成し、隠ぺいしたことに強く抗議します」を内閣総理大臣らに提出しました。
内閣総理大臣・自民党総裁 岸田 文雄 様
防衛大臣 岸 信夫 様
2022年4月6日
新日本婦人の会 会長 米山淳子
防衛省が「反戦デモ」と「報道」を敵視する資料を作成し、
隠ぺいしたことに強く抗議します
防衛省陸上幕僚監部が安保法制(戦争法)を発動する事態の一つである「グレーゾーン事態」(「武力攻撃に至らない手段により、自らの主張を受け入れるよう相手に強要」)の事例として、市民による「反戦デモ」と「報道」をテロやサイバー攻撃と同列に敵視する資料を作成したこと、さらにこの資料を保存期間1年であるにもかかわらず、即時廃棄して隠ぺいしたことにつよく抗議します。
「反戦デモ」は憲法21条で保障された「表現の自由」であり、自衛隊が反戦や平和の主張を危険視することは19条の「思想・良心の自由」を侵害するものです。自衛隊の情報保全隊がイラク派兵に反対する市民活動を監視していた事件で、裁判所は違法と断じ、今年3月にも安倍首相(当時)の街頭演説中に「安倍辞めろ」「増税反対」と声を上げた市民2人を北海道警が排除した問題で、札幌地裁は「表現の自由」を侵害したと損害賠償を命じるなど、司法の場でも明確な判断が出ています。
またロシアのプーチン政権が国内の「反戦デモ」や「報道」を弾圧し、国民の権利を抑圧しながらウクライナ侵略を進めていることからみても、防衛省の対応は危険きわまりないもので、ぜったいに許されません。
6月から施行される土地利用規制法も政府に歯止めのない調査権限を与え、基地周辺や国境離島などの市民監視の強まりが懸念されており、その点でも今回の問題は軽視できません。
改めて自衛隊による市民監視に抗議し、資料隠ぺいを正し、国会で真相究明することをつよく求めます。私たちはいまこそ、憲法9条や基本的人権条項など日本国憲法を生かす政治の実現へ、女性・市民らと連帯し、行動をつよめる決意です。
※データは以下よりダウンロード可能です。