2023年4月6日 声明・談話・要請など

【談話】少子化対策たたき台―大軍拡でなく、子育て予算倍増ただちに

新日本婦人の会は4月6日、談話「少子化対策たたき台―大軍拡でなく、子育て予算倍増ただちに」を発表しました。

 

 

【談話】 少子化対策たたき台―大軍拡でなく、子育て予算倍増ただちに

 

2023 年 4 月6日
新日本婦人の会 副会長 西川香子

 

 

 岸田政権は3月31日、「異次元の少子化対策」として「試案(たたき台)」を発表し、今後3年間を子育て支援加速化の集中期間としました。「試案」には、私たちが長年運動しつづけてきた、子ども医療費助成へのペナルティー(国保国庫補助金の削減)の廃止が盛り込まれ、児童手当の18歳までの拡充と所得制限の撤廃、学校給食無償化を初めて「課題を調整」としています。これまで必要な施策を自治体まかせにしてきたことを、ようやく国が後追いする形での拡充です。

 「試案」の内容は、課題は並べても「加速化」「異次元」にはほど遠いものです。岸田首相が基本理念のトップにあげた「若者の所得を増やす」では、「賃上げ」の具体策がなく、最も負担が重い高等教育(大学)の授業料軽減には触れず、後払い制度新設や若干の拡充にとどめました。子ども医療費無料の国の制度化や国民健康保険料(税)の子ども均等割の廃止の言及はなく、保育士配置基準は「改善する」としながら大臣は「法改正はしない」と言明。学童保育は「受け皿」づくりの優先で、処遇改善の具体策はなく、育休中の所得補償は男性の取得推進へ「28日間のみ」引き上げなど、いずれも限定的なものです。

 最大の問題は、財源が示されず、統一地方選挙後の6月の「骨太方針」までに先送りしたことです。「選挙目当て」「やってる感だけ」と言わざるを得ません。こども家庭庁が「こどもまんなか社会」と掲げるならば、実効ある抜本策こそ急務です。新婦人が「少子化問題解決への『緊急提言』」(本紙3月25日号)で示したジェンダー平等施策と教育予算の国際基準への引き上げが必要です。

 財源確保には、社会保険料への上乗せの国民負担増でなく、「5年間で43兆円」という史上最大の軍事費拡大をやめ、子育て支援倍増へとふみ切るべきです。統一地方選挙で、これまで子ども医療費無料化に自民・公明などが反対してきた事実も知らせ、「たしかな選択」を広げていきましょう。

 

 

※データは下記よりダウンロードできます

【談話】少子化対策たたき台―大軍拡でなく、子育て予算倍増に

一覧へ戻る