2023年5月25日 声明・談話・要請など

【談話】被爆者と市民を裏切ったG7広島サミット

新日本婦人の会は、5月25日【談話】「被爆者と市民を裏切ったG7広島サミットを発表しました。

 

 

【談話】被爆者と市民を裏切ったG7広島サミット

 

 

2023年5月25日

新日本婦人の会会長 米山淳子

 

 

 5月19日~21日に広島で開催されたG7サミットは、被爆者、日本と世界の市民の期待を大きく裏切り、核兵器保有を正当化し「核抑止力」強化を被爆地から発信するものとなったことに、強く抗議します。

 今回サミットとして初めて核軍縮に特化した共同文書「広島ビジョン」が発表されました。G7首脳は平和記念資料館を訪問し被爆者と会見したにもかかわらず、「核兵器のない世界」を「究極の目標」に先送り、核兵器は「防衛目的のために役割を果たし、侵略を阻止し戦争と威圧を防止する」と、「核抑止力」論強化を打ち出したのです。人類史上初めて核兵器が使用され、壊滅的な被害を受けた広島の地から、こうした発信をおこなうことなど、絶対に許されません。核兵器禁止条約への言及もなく、核保有国が核兵器不拡散条約(NPT)で負っている廃絶の義務や合意の実行にふれなかったことも、重大です。

 新婦人は、「広島サミットを軍事同盟強化の場とさせてはならない」と警告し、岸田首相に議長国として、唯一の戦争被爆国にふさわしいイニシアチブの発揮と、日本のジェンダー平等と人権を国際基準に引き上げることを要請していました。

 しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領参加のもと、「首脳声明」はロシアでの「結束」を強調し、軍事支援をつよめると表明しました。軍事ブロック強化による対応は、世界の分断をいっそう深刻にします。岸田首相が2年連続でNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席するなど、日本がNATOへの準加盟国化をすすめようとしていることは、アジアと世界の平和を脅かすものです。

 G7が国際政治をリードするかのように報道し、本質にふれることなく手放しでサミットを「成功」ともちあげる日本の大手メディアの姿勢が、きびしく問われています。

 気候危機、難民の人権やジェンダー平等などさまざまな課題での日本の遅れはいよいよ深刻です。広島を政治利用し、改憲と大軍拡につきすすむことを許さず、女性、市民の行動をさらにつよめる決意です。

 

 

※データは以下よりダウンロード可能です。

【談話】被爆者と市民裏切ったG7広島サミット

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