「安心して子どもを送り出せる学校に」
この夏、北海道でも記録的な猛暑が続き、いのちと健康を脅かす危険な状況となるなか、新学期直後の8月22日に伊達市の小学校で熱中症が原因とみられる児童の死亡事故が起きました。北海道本部は緊急のアンケートを実施(8月25~31日)し、800人から寄せられた声とともに、9月1日、オンラインで文科省への要請をおこないました。
要請をする北海道本部事務局長・油石奈々子さん
要請には、オンラインで道内18支部50人以上が参加。
北海道本部事務局長の油石奈々子さんは「教育をうける権利も生存権も脅かされていることは重大問題、クーラー設置は待ったなしの状況です。子どもたちのいのちと健康を最優先に考え、緊急に対策を講じてほしい」とつよく要請。
伊達市から参加した会員は「自分の住む街で起きたことにとても他人事とは思えず涙が出る。今までの暑さとはレベルが違う。安心して子どもを送りだせる学校にしてください」と訴えました。
文科省はクーラー設置の予算の増額の要望に対して「地方財政措置について、総務省との連携も検討したい」と回答。
また、教室の人数が多すぎて暑さ対策に支障があるとの声に「担当部署に本日の声をしっかり届けたい。省としても(少人数学級は)すすめるべきミッションと認識している」と回答しました。
要請には吉良よし子参議院議員(共産)も同席。衆参両院の文教分野担当議員に要請文とアンケート結果を届けました。
【要請書】寒冷地の学校施設への空調(冷房)設置を急ぎ実現するため、予算を早急に大幅に増額し、設置を後押しすることを求めます
北海道本部会場の様子
東京・参議院議員会館内
「教室にクーラーを」子どもたちのいのちと健康が守られる学校に アンケート概要
アンケートに寄せられた声(一部)を紹介します
<保護者>
小学校に行ったら廊下、教室ともにその場にいるのが息苦しく辛かったです。どんなに対策をしても、あの状態では限界があり、授業に集中出来ないのはもちろん、命の危険もあると感じました。先生方の責任の重圧も大きいに違いありません。早急にクーラーの設置を!(札幌市豊平区・小学生保護者)
連日続く猛暑に毎日色々な対策をして学校へ送り出していますが、先日の死亡事故もあり、もしかしたら帰ってこないかもしれないと思う瞬間があります。未来ある子どもたちを守ってほしいです。(札幌市西区・小学生保護者)
<教職員>
保健室以外にどこにも逃れられるところはなく、そこも限られた人数しか対応できない状況であることが恐ろしく感じます。さっきまで元気だったのに、急に不調を訴える生徒も多くいました。校舎も風通しが大変悪く、ひどい状況です(岩見沢市・教職員)
生徒は30℃越えの教室で授業を受け、ぐったりとした様子でした。教員も熱中症になりかけるという状況でした。家庭におけるエアコンの設置率が低い北海道で、せめて子どもたちを安全に生活できる避難所としての学校の責務は火を見るより明らか。(鹿追町・教職員)