新日本婦人の会は、3月11【要請】「能登半島地震の被災者支援、生活と生業の復興・再生へ 国による支援をさらに強め、ALPS処理水の海洋放出中止と原発ゼロを決断してください」を内閣総理大臣などに提出しました。
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
復興大臣
福島原発事故再生総括担当 土屋 品子 様
経済産業大臣 齋藤 健 様
兼原子力経済被害担当、
兼内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
厚生労働大臣 武見 敬三 様
【要請】能登半島地震の被災者支援、生活と生業の復興・再生へ 国による支援をさらに強め、ALPS処理水の海洋放出中止と原発ゼロを決断してください
2023年3月11日
新日本婦人の会中央本部
会長 米山淳子
能登半島地震から2カ月、今も約1万1600人が避難所に身を寄せ、住宅被害は7万7700棟を超えています。研究者・報道機関による石川県の被災者へのアンケートで、8割を超える人々が「地元で暮らし続けたい」、半数が今後の「地域の復興」「仕事や収入の確保」が心配と回答しています。また地震後、困ったことは水道が止まり、風呂やトイレが使えないなど、上下水道に関係することでした。全国的な上下水道、橋梁などのライフラインの老朽化対策、耐震化の遅れは、今回の能登半島でも復旧の遅れとなっています。
政府は被災者が住宅を再建する場合、「石川県の高齢者世帯や障がい者がいる世帯」などの条件を設けて最大600万円の支援を表明しました。しかし地域や年齢などの条件を付けたり、今回限りの支援に限定すべきではありません。
北陸電力志賀原発では外部電源の一部喪失や、周辺住民の避難指針となる18台のモニタリングポストの機能不全などが起こり、原発が稼働していたら大事故につながりかねない事態でした。活断層は連動して動くことが明らかになっていますが、志賀原発敷地内にも活断層があり、今後も予断を許さず、廃炉を求める声が高まっています。
福島県では東京電力福島第一原発事故から13年を迎えてもなお、県の発表で2万6000人が故郷に戻れていません。原発事故の原因究明も、事故収束も今なお見通せないなか、政府は福島県漁連と交わした約束を反故にし、ALPS処理水(汚染水)の海洋放出を昨年から開始しました。今後少なくとも40年にもわたって放出し続けるなど到底許されません。また避難を余儀なくされた住民による集団訴訟や、刑事裁判において、未だに国や東京電力を含め、誰も原発事故の責任を問われていないのは異常というほかありません。
大型台風や記録的な豪雨など、温暖化による異常気象が相次ぎ、豪雨、豪雪に加え、大地震や火山噴火がどこで起こってもおかしくない災害大国で、防災関連予算が削減される一方で、5年間で43兆円もの米製兵器爆買いなどの軍備大増強などありえません。大軍拡計画は直ちに中止し、防災やライフライン対策の強化、医療・福祉・教育の拡充、気候危機対策でもある再生可能エネルギーの拡大の抜本的強化こそ緊急を要しています。以下、強く要請いたします。
1、 避難所では人権に配慮した運営を進め、在宅避難者に対してもケースマネジメントの手法を取り入れてゆき届いた支援を続けること。2次避難所についても一人ひとりの実情に応じた住まいの確保ができるまで保障し、トレーラーハウスやコンテナハウスの活用も抜本的に広げること。被災者生活再建支援は高齢者世帯などの条件を付けず最大600万円、一部損壊まで支援対象とする抜本的な制度拡充をおこなうこと。復興に至るまで各局面の施策にジェンダー視点の政策を入れること。
1、観光、漁港、伝統産業など地域復興に欠かせない中小企業の事業継続や、失業回避のため国の責任で雇用調整支援金制度の強化をおこなうこと。被災者の医療費、介護利用料などの減免を継続して行うこと。
1、被災自治体の裁量で使用できる十分な復興財源を確保し、復興まで被災自治体へ支援を継続すること。
1、ALPS処理水の海洋放出方針を撤回すること。「広域遮水壁」と「集水井・水抜きボーリング」を採用し、早急に汚染水発生を大幅に減らす対策をとること。ALPS処理水は石油コンビナートなどで使用する大型タンクに移し替え、当面陸上保管とし、世界の英知を結集した解決方法を確立すること。
1、原発ゼロをただちに決断し、2030年までにCO2排出を50~60%以上削減(2010年比)、2050年には再生可能エネルギー100%とする計画に改定すること。
1、大軍拡、万博やカジノ推進を中止し、その予算を被災地支援・復興に回すこと。
※データは下記よりダウンロードできます
【要請】能登半島地震の被災者支援、生活と生業の復興・再生へ 国による支援をさらに強め、ALPS処理水の海洋放出中止と原発ゼロを決断してください