2024年4月6日 大会・中央委員会決定

第191回中央委員会決定

 新日本婦人の会は、3月24日、第191回中央委員会を新婦人中央本部会議室で開き、以下の決定と特別決議を採択しました。

 

裏金・大軍拡の政治を終わらせ、多様性が生きる社会に
おしゃべり、行動、新婦人に入って一緒に

 

1、全国大会後の情勢と行動する女性たち

 「こんな日本でいいのか」(第31回全国大会決定)の問いかけが、いっそう切実さを増しています。
 元日に発生した震度7の能登半島地震は、災害大国で公共を削り続け、自己責任にしてきた市民に冷たい政治や、原発の危険性と避難計画のずさんさを浮き彫りにしました。過酷な避難生活が続く被災地では、再建の見通しのもてる支援が急がれます。自民党の政治資金パーティー裏金問題や青年局のセクハラ懇親会に怒りがうずまくなか、岸田政権は過去最大8兆円の軍事費で暮らしも生業(なりわい)も押しつぶす予算案を強行し、支持率は過去最低を更新、「自民党政治はもう終わりに」の声が高まっています。
 裏金問題で見えてきたのは、企業献金でゆがめられた政治がもたらした「失われた30年」です。大企業とアメリカの利益を最優先に、民営化と規制緩和をすすめる新自由主義と軍事化の政策によって、経済は停滞し、暮らし・生業は悪化の一途をたどっています。岸田自公政権は、大企業減税を続ける一方で、物価高に賃上げも年金も追いつかず、国民があえいでいるのに、消費税減税を拒否し、医療・介護も「子育て支援」も負担増、食料自給率への国の責任も投げ捨て、原発推進、関西万博・カジノにしがみついています。沖縄の辺野古新基地建設や南西諸島へのミサイル配備をはじめ全国で基地強化をはかり、殺傷兵器の輸出、経済安保版秘密保護法や改憲への執着など、戦争国家に突き進んでいます。
 イスラエルによるガザ攻撃もロシアのウクライナ侵略戦争も、国連憲章と国際人道法違反であり、即時停戦すべきです。ましてや、核兵器使用の威嚇(いかく)など許されません。この問題でも、アメリカ言いなりの態度を続ける日本政府に、厳しい批判があがっています。発効3年を迎えた核兵器禁止条約が署名国93、批准国70となり、国際法として力を発揮し始めているなか、被爆国の日本政府は条約に背を向け続けています。
 今年10月、国連女性差別撤廃委員会が日本の進捗(しんちょく)状況を審議します。「性暴力をなくそう」「ジェンダー平等施策を国際基準に」と共同が広がる一方で、古い家族制度に固執する日本(にっぽん)会議や旧統一協会と癒着する自民党は、人権や多様な生き方を否定し、選択的夫婦別姓や同性婚を拒みながら、「離婚後共同親権」を急いで導入しようとしています。
 どの分野でも行き詰まる岸田自公政権に、もはや政権を担う資格はありません。今年は衆院3補欠選挙(4月)、沖縄県議選挙(6月)、東京都知事選挙(7月)がおこなわれ、解散・総選挙の可能性もあります。暮らしや平和、ジェンダー平等など切実な要求で対話し、公共を取り戻そう、選挙で変えよう、女性・市民と立憲野党の共闘で新しい政治をつくろうととりくみましょう。「自民党政治はもうムリ」「政治を変えたい」との思いを強める女性たちとともに、第31回全国大会決定を力に、どの班も行動し、今年を仲間を増やして前進する年にしましょう。

 

2、「私の声」で迫る―草の根から運動ひろげて

 学校給食、震災、介護、平和など、どの分野でも、草の根から「私の声」で機敏に行動する新婦人の活動が、国や自治体、議員を動かす力になっています。次世代は自らの要求や願いでエンパワー(力をつける)し、2・14新婦人「秋の行動」署名提出集会&次世代国会行動で直接議員に迫りました。班や要求別小組(サークル)で、街頭で、知人に、「私は言いたい」カードやジャンボはがき、アンケートで声を集め、行動しています。
 能登半島地震の救援募金2453万円は義援金として石川県と19市町に届け、新婦人救援基金として寄せられた1789万円は、被災した会員や読者へのお見舞い、被災地支援に活用されています。「私の町の防災対策大丈夫?」と防災学習や自治体へのアンケート、要請がとりくまれています。学校給食費無償を求める運動で一気に実施自治体が拡大し、物価高による値上げを食い止めた経験も生まれました。一度はコンビニエンスストア(コンビニ)からなくなった成人誌が「復活した」との声を受け、緊急に3日間で517店舗を調査し、新婦人の行動力がインターネット上でも話題になりました。本格調査も「春の行動」で始まり、班から近所の店への調査・要請にとりくんでいます。この間、オンラインで、核兵器禁止条約締約国会議、農業基本法改悪、離婚後共同親権をテーマに3回の学習会をおこない、紙面にも掲載し、食料自給率署名や被災70年ビキニデー集会への参加の広がりなど、運動推進の力にしています。

〇防災や原発問題での学習会、ウオッチングなどにゲストを誘ってとりくみ、要望を集め、防災アンケートで自治体懇談や要請をしましょう。
〇ジェンダーをはじめ、給食、学校、介護・医療、公共交通、食・農業、気候、軍事基地、PFAS(ピーファス)(有機フッ素化合物)など、地域や暮らしに直結する運動を多彩なカフェやアンケートなど参加型で、行動ごとにSNSなどで知らせ、会員に迎えて一緒にとりくみましょう。
〇被爆80年へ「非核日本キャンペーン」として、「平和の2署名」、高校生の原爆の絵展、自治体意見書などをさらに広げ、原水爆禁止2024年世界大会・核兵器なくそう女性のつどいへの代表派遣にとりくみましょう。女性平和基金25周年動画(3月末完成)を活用し、「美と平和」の1本1円運動をすすめましょう。
○「選挙で変えよう」と広く女性たちとともに、新婦人しんぶんでおしゃべりし、「新婦人と選挙」(第31回全国大会決定)を力にとりくみましょう。

 

①班 みんなであつまって〈生きいき大きな班へ―5つのポイント〉や「仲間づくりの6つのアクション」(第31回全国大会決定)を読み合って、何ができるか話し合い、とりくみましょう。

〇班会や小組でも、読者やゲストを誘って、新婦人しんぶんを読んでおしゃべりしましょう。参加したみんなが発言することを大切に、運動や仲間づくりを相談しましょう。
〇どの小組でも、運動でも、仲間を迎えられるよう、誘いたい人を出し合い、多くの女性に知らせる工夫をしましょう。
〇毎月の全国ミニ交流やしんぶんを読む会など、つながりやすい場をつくって、できること、やりたいことや要求を出し合って、次世代の仲間づくりにとりくみましょう。

②委員会 「毎月前進」へ、「仲間づくりと次世代との並走」を中心課題にすえ、どの班も「6つのアクション」にチャレンジできるよう援助しましょう。「読者を会員に」を引き続きすすめましょう。

〇組織基本調査をもとに一つひとつの班の可能性や課題を出し合い、困難な班には足を運んで、委員みんなで援助しましょう。次世代会員や誘いたい人、どんな願いをもっているか、会議の開き方や連絡方法の改善など、次世代対策の時間をとって相談しましょう。
〇班活動、小組のしんぶんタイムなどの経験や悩みを出し合って交流する場をもち、班会や小組の運営、配達・集金など会員の参加を広げ、一歩前進の力にしましょう。
〇小組活動に介護、防災、平和などのとりくみをプラスし、チラシやバナー(SNS上で共有するチラシ)づくりも新しい担い手を広げながら、新婦人の運動も入れて広く発信しましょう。
〇すべての支部で次世代の会員を増やし、委員に迎えましょう。「女性&運動」18号の「次世代特集」(4月発行)を活用しましょう。次世代の直接体験を位置付け、国会行動(5月29日)や原水爆禁止世界大会(8月4日~6日)の代表派遣と報告会にとりくみましょう。
〇新婦人学校や各分野の会議で学び合いましょう。

 

第31回全国大会決定より

6、新婦人と選挙―要求と政治を語る、メディアに声を届けて
〇地方議会でも国会でも各政党・議員が、私たちの要求や請願に対して、どのような態度をとったか、日ごろからニュースや新婦人しんぶんで知らせましょう。投票所の増設、移動投票所の巡回、広報の確実な配布など投票権を保障させましょう。
〇国政選挙、地方議員選挙など党派別選挙では、「これからのエチケット」で「私の推(お)し」や政党について大いにおしゃべりしましょう。あわせて、党派別選挙は会員の政党支持、政治活動、後援会活動の自由を保障します。国政選挙で新婦人として応援を決めた野党統一候補、首長選挙では新婦人が参加する共同の会が推す候補者を支持し、活動します。
〇メディアが政権への忖度(そんたく)や「視聴率至上主義」をやめ、「権力の監視」という本来の役割を果たすよう、「よかった」「おかしい」など私たちのリアルな声を届けましょう。

 

〈生きいき大きな班へ―5つのポイント〉

①班会―会員みんなに知らせて毎月開催、誕生会や歓迎会など工夫して
②要求―おしゃべり・つぶやき・願いを運動や○○カフェ、要求別小組に。平和の活動を大切に
③新婦人しんぶん―しんぶんタイムで読んで、紙面で増やして、みんなで配達・集金
④仲間づくり―いつも運動やつながりで、チラシやSNSで知らせ、目標もって。意識して若い世代を
⑤班運営―みんなで役割分担、班委員会で相談、班ニュースの発行、オンライン活用も

 

仲間づくりの6つのアクション

(1)しんぶんタイムを、班会でも要求別小組(サークル)でもゲストを気軽に誘ってとりくみ、入会をすすめましょう。読者を会員に迎えましょう。
(2)「要求ある人とともに」をいつも大切に、宣伝行動で署名してくれた人、要求運動でつながった人に、「新婦人に入って一緒に」と声をかけましょう。
(3)働く次世代や20~ 40代のあらゆる結びつきを出し合い、各地や全国の次世代ミニ交流にも誘って、入会をすすめましょう。
(4)いまあるどの要求別小組でも、会員を新たに迎えましょう。やりたいことで新小組をつくって、また原爆展などをプラスした体験会にゲストを誘って入会を訴えましょう。
(5)チラシやSNSで発信を強めて、まだ出会っていない多くの女性に新婦人を知らせ、「あなたも一緒に」と会員に迎えましょう。
(6)仲間をふやす目標をもち、達成に向け、みんなで相談しましょう。

 

【特別決議】「失われた30年」から希望への転換を女性の力で

 「失われた30年」は、私の人生そのもの、なぜこんなに生きづらいのかが見えた―長期の経済停滞と生活の困難をつくり、裏金事件という組織的犯罪まで引き起こした自民党政治であることが、はっきりしてきました。
 1994年、「政治改革」と称して小選挙区制と政党助成金が導入されました。多くの死票を生み、多数の議席を得て、民意とかけ離れた目を覆うばかりの政治の劣化をもたらしています。
 1995年、人件費を削る財界コストカット戦略が出され、これにもとづく労働法制の改悪が相次いでおこなわれた結果、非正規化が急速に広がり、公務の分野にまでおよんでいます。5割以上が非正規で働く女性の貧困は深刻で、老後は低年金で暮らせず、パートをかけ持ちする女性も増えています。大企業には大幅減税、3%で導入された消費税は10%に引き上げ、地震・火山大国で防災は後回し、教育も、医療・介護、年金など社会保障も削減が続き、農業や地方は切り捨てられ、この国に希望が持てず、少子化はすすむ一方です。
 自公政権は、改憲と大軍拡の動きを加速させ、アメリカと日本の軍需産業の利益のために殺傷武器の輸出解禁までねらうなど、平和国家から戦争国家へ大きく舵(かじ)を切ろうとしています。
 1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓導入を答申したにもかかわらず、長く放置し、ジェンダー平等を妨害しているのが、古い家族制度にしがみつく旧統一協会や日本会議などと一体化した自民党です。
 公共を取り戻し、命と暮らし、個人の尊厳を守る憲法にもとづく新しい政治へ、一人ひとりの力を集めれば、「失われた30年」と決別し、政治を大きく変えることができます。あきらめずに声をあげ続け、同じ思いの多くの女性たちを新婦人の会員に迎えて、行動をさらにつよめていきましょう。

 

 

 

2024年3月24日
新日本婦人の会
 第191回中央委員会

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