2019年12月4日 大会・中央委員会決定

新日本婦人の会第29回全国大会決定

 新日本婦人の会は、2019年11月2日、3日、第29回全国大会を東京都内で開催し、大会決定と二つの特別決議を採択しました。

 

声をあげ、生きづらい社会を変える!
安倍9条改憲ストップ、
ジェンダー平等と持続可能な世界を
創立60年へ新婦人大きく

 

第1章劇的な情勢と女性たち

 

 「戦闘機より被災者、暮らし支援いまこそ」―地球温暖化による大災害が相次ぐなか、安倍政権は10月、消費税率10%への増税を強行、国民のいのちと暮らしを守る政治が切実に求められています。

 7月の参議院選挙では、1人区の野党統一候補10人が勝利し、安倍政権がねらった自民、公明、維新の改憲勢力3分の2議席獲得を許しませんでした。重度障害のある国会議員の誕生は、多様な人権を阻(はば)むバリア(障壁)社会の現実を明るみにしています。各地で女性・市民と野党の共闘がすすみ、埼玉、岩手の県知事選勝利に続き高知でもと、地方からも新しい政治の流れが発展しています。

 新日本婦人の会は、第30回全国大会(2021年秋)の翌年、創立60年(22年10月)を迎えます。安倍政権による9条改憲を必ずくい止め、女性の切実な願いにこたえ、市民と野党の共同の新しい時代をになう大きな新婦人が求められています。

 

 (1)ジェンダー平等社会いまこそ

 「すべて国民は、個人として尊重される」(憲法第13条)―性暴力やセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)、入試差別など、当事者や女性たちが立ちあがり、ジェンダーを大きな社会問題にしています。政治分野の男女共同参画推進法ができて初の参院選で、女性候補者擁立や選択的夫婦別姓制度、LGBTエルジービーティー(性的少数者)の法的権利が争点の一つとなりました。

 ジェンダー平等とは、社会的文化的につくられた性差にとらわれず、性的指向や性自認(SOGIソジ)で差別されることなく、だれもが尊厳をもって生きられることであり、多様性を認め合う共生社会の核心となる考えです。これは、「自分らしく生きる」願いや運動、人権意識の高まりのなかで国際合意となり、世界の大きな流れとなっています。

 日本でも、勇気をもって人権と自立への道を切りひらいてきた先人のたたかい、その一翼を担ってきた新婦人の活動も合流し、発展したものです。こうしたなか、今なお根深く残る女性差別、身近にあるジェンダーが人権問題として社会のすみずみで問われています。

 日本は、男女平等度で149カ国中110位(18年)と国際的な立ち遅れが際立(きわだ)っています。歴代自民党政権のもとで、自立を脅(おびや)かす低賃金や社会保障費削減に加えて、女性に対する差別、古い慣習や意識が温存され、女性ゆえの生きづらさとなっています。男性の52・7%(18年)の賃金、連動する低年金と老後の不安、家庭責任や自己責任とされる子育てや介護の負担、さらに自民党議員らによるセクハラ暴言などは、女性の人権、日本の民主主義にとって、避けて通れない課題です。

 日本におけるジェンダー平等の遅れは、先進諸国でも異常な搾取(さくしゅ)を追求する財界と一体の政治、女性差別撤廃や女性の人権を否定する勢力でつくられた政権がもたらしたもので、国連から「差別撤廃への政治的意思の欠如」を指摘されています。

 

(2)改憲・派兵ノー! 安倍政権退陣、新しい野党連合政権へ

 ウソやごまかし、隠ぺい、失言・暴言を重ね、公選法違反の疑いで相次ぐ閣僚辞任や大学入試への英語民間試験延期など、安倍政治はどの分野でも破綻(はたん)し、日本社会を危機に陥(おとしい)れています。米国製武器の爆買いで6年連続過去最高の軍事費と大軍拡、史上最高の440兆円を超える大企業の内部留保の一方、国民には犠牲を押しつけるばかりです。土砂投入を無理やりすすめる沖縄・辺野古米軍新基地建設と各地ですすむ日米軍事一体化、過去最低の食料自給率37%(18年)、食の安全と農業破壊の日米貿易交渉、東京電力福島第一原発事故がなかったかのような原発依存と被災者切り捨て、原発マネー還流、カジノやリニア中央新幹線建設の推進、地方の疲弊(ひへい)を加速する公共交通網の縮小など、民意に反してすすめています。痛ましい児童虐待死があとを絶たず、いじめや不登校など、過度な競争や管理強化の学校教育が子どもたちを苦しめています。首相官邸によるメディアや司法、教育、学問への介入、表現や言論の自由を脅かす検閲、政治家まで加わったヘイト攻撃の広がりは、民主主義を土台から壊すものです。

 いま日本は、憲法9条を守りぬくか、再び「戦争する国」になるかの歴史的岐路にあります。安倍政権があくまでも執念を燃やす9条改憲のねらいは、海外で無制限の武力行使を可能にすることです。中東のホルムズ海峡をめぐる危機は、アメリカの一方的なイラン核合意からの離脱が原因で、どんな形であれ自衛隊派兵は断じて許されません。

 日本政府の貿易報復措置による日韓の関係悪化は、その背景に、徴用工問題や日本軍「慰安婦」問題など、植民地支配と人権侵害に無反省な日本政府とその広報役の大手メディア、また、近現代史が教えられていない教育の問題も浮かび上がっています。日本政府と当該企業が理性的な話し合いで公正な解決へとすすむことを強く要求します。

 東京五輪・パラリンピックを前に、開催国政府にふさわしく、近隣諸国との関係を改善し、9条にもとづく平和外交をおこなうことが求められます。

 アメリカ・財界いいなり、歴史修正主義の安倍政権を一日も早く退陣させ、新しい野党連合政権へ力をつくしましょう。

 

(3)世界の女性、市民社会との連帯さらに

 世界中で人類の生存と未来をかけて気候変動対策を迫る若者の行動が広がり、香港では犯罪容疑者を中国に移送する条例撤回を実現し、普通選挙実現などを掲げた大規模な行動が続くなど、市民社会が世界を動かしています。

 国際労働機関(ILO)はハラスメント禁止条約を採択しました。2020年は国連第4回世界女性会議(北京)から25年、世界中で女性差別撤廃の進捗(しんちょく)状況、教訓と課題を明らかにして行動をつよめ、日本でも第5次男女共同参画基本計画を策定する年です。

 被爆75年の2020年、核不拡散条約(NPT)再検討会議とあわせて、核兵器廃絶と気候危機阻止をかかげた世界大会がニューヨークで開かれます。核兵器禁止条約は批准33カ国となり、発効(50カ国)間近となるなか、抵抗や妨害をつよめる核保有5大国が核軍縮・撤廃交渉の義務を果たし、唯一の戦争被爆国日本が役割を発揮する時です。

 核兵器廃絶、気候変動ストップ、持続可能な世界(SDGsエスディージーズ)をと女性の声を高めていきましょう。

 

(4)輝く新婦人「五つの目的」、創立60年へ飛躍を

 憲法改悪反対、核戦争阻止、世界の女性との連帯などを掲げる新婦人の「五つの目的」が、SDGsと重なって輝きを増しています。改憲発議を阻んでいる3000万署名や核兵器禁止条約発効を国に迫る活動など、平和を求める運動のどこにも国連NGOの新婦人の姿があります。歴史に真に向き合い、アジアと世界の平和へ日韓女性共同声明を発表できたのも、新婦人ならではです。

 この2年間、運動の大きな成果が相次ぎました。東京電力福島原発の全基廃炉をついに決定させ、戦艦掲載の『はたらくくるま』絵本増刷中止、コンビニから成人誌撤去、学校へのエアコン設置予算獲得、熊本の幼稚園バスの贈呈などが実現しました。どんな悩みや要求も持ち込める要求実現団体として、地域や職場に班があり、毎週の新婦人しんぶんで全国がつながっているからこそと、喜びを共有しています。

 創立60年に向かって、「新婦人は新しい常識をつくってきた。次のあたりまえをつくろう」と新婦人の歴史を受けとめる若い世代とともに、つながる仲間、声をあげる仲間を今こそ、班から大きく増やしましょう。政権選択がかかった歴史的な衆議院選挙へ、投票に行っていない半数の女性・国民と切実な要求や願いでおしゃべりと対話を無数に広げましょう。女性のエンパワーメント(力をつける)で、この生きづらい社会を必ず変えましょう。

 

第2章どの班も運動と仲間づくり、学習で生きいき大きく

 班会開催としんぶんタイム、要求別小組でのタイムが確実に前進し、「班会が楽しみ」と待たれています。毎月の開催、大きい班などでのご近所班会や小組班会などの努力も広がっています。しんぶんタイムは紙面でみんながおしゃべりし、聞き合う場となり、ゆたかな班活動の力となっています。

 班会や小組で憲法タイム・カフェを開き、しんぶんや憲法クイズミニ冊子、紙芝居やシール投票、DVDを使って学び、平和の2署名(安倍9条改憲NO!署名、ヒバクシャ国際署名)の担い手が広がりました。班から介護や防災などのカフェがとりくまれ、わが町ウオッチングで公共施設や公園に洋式トイレ、赤ちゃん用ベッド設置など切実な要求で運動し、成果も増えました。

 前大会後、チラシは延べ8616班から2351万枚配布、小組合同体験会も単独や数班一緒に延べ1568回開催され、小組体験としんぶんでのおしゃべりカフェ、ミニ原爆写真展などを入れる工夫も学び合い、健康吹き矢やスロースクワット、うたう会など新しく小組は1918、班は156誕生しました。班会やカフェ、小組例会にゲストを誘い、しんぶんやSDGsリーフレットを広げて、読者に「入会を」と訴え、「身近なところで実現できる」「おしゃべりが楽しい」「新婦人すごいね」と仲間を迎えました。一ケタから二ケタ班に、また会員みんなが仲間づくりにと「招待状」が歓迎され、活用が広がっています。

 「班のやることがわかる」と班用グッズ(ビンゴや班会レジュメなど)が活用され、仲間づくり目標を持ってレッドアクション賞や親子ばと賞の達成班が続いています。

 退会者が減った班での共通点は、班会・しんぶんタイム、小組でのタイム、会員の複数小組への参加など「つながる・しゃべる・楽しむ」ことです。

 

(1)毎月班会・しんぶんタイム、どの小組でもタイムを土台にゆたかな班へ

〈生きいき大きな班へ5つのポイント〉で班から運動、仲間づくりを広げ、大きく増やして減らない新婦人をつくりましょう。

〈毎月班会・しんぶんタイムがカギ〉

○集まりやすい工夫で毎月班会を開きましょう。班会では最初にしんぶんタイムを、小組でも時間をとって、みんなの発言を大切にしましょう。班会充実のために班用グッズを使い、「食べて学んで美しく」と産直運動や「美と平和」も取り入れましょう。

○『班活動の手引き』をもとに、班委員会をつくって班会や活動を相談し、年1回の班総会で係も分担しましょう。

〈みんなの要求で運動を〉

○つぶやきや願いを出し合い、自治体などに声を届け、実現させましょう。全国的な運動(第3章)もできるところからとりくみましょう。

○憲法タイムやカフェで新婦人しんぶんなどを使っておしゃべりし、平和の2署名の班目標を一日も早く達成しましょう。

〈班から仲間づくりを〉

○仲間づくりは、つながる仲間、声をあげる仲間を広げて生きづらい社会を変える力、その大切さと計画を話し合い、〝創立60年には会員○人、しんぶん○部の班に〟と目標をもって行動しましょう。「班に3人の若い世代を」「自分より10歳若い人を会員に」も意識しましょう。

○どの班も新小組とカフェに挑戦し、小組合同体験会も開きましょう。班からのチラシやポスター、SNSも使って広く知らせましょう。

○「招待状」で誘いたい人を出し合い、班会や行事、小組などを知らせ、みんなで仲間づくりにとりくみましょう。

〈配達・集金をみんなで〉

○配達・集金の現状や悩みを班会や班総会、ごくろうさん会で出し合い、新たな担い手を増やしてみんなで分担、班のしんぶん係を決め、会員・読者名簿や配達ルート表・マップを整備しましょう。

〈創立60年へ学習つよめて〉

○新婦人ミニ講座で学び、SDGsリーフもみんなで活用しましょう。DVD「新婦人のあゆみ」(29大会版)を班会や小組はもちろん、新入会員歓迎会でも視聴し、『会のあらまし』も活用しましょう。

 

(2)働く女性の願いは新婦人で、あらたな職場班を

 あいつぐ労働法制の改悪で、職場班は、心身の健康を損なう働かされ方、会員の定年退職などの困難のなか、班会・しんぶんタイムを大事にしてきました。ヨガや着付けなどの新小組発足などで、つながって思いをしゃべり合い、食べたり飲んだり、学びと癒やしを大切にしていることが共通しています。

○正規も非正規も「働く女性の願いは新婦人で」とよびかけ、会員や女性たちの要求で運動しましょう。働き方カフェや小組に誘い、仲間に迎えましょう。女性労働者が多い医療・介護、保育、教育などの分野で新班づくりに挑戦しましょう。

 

第3章軍事ではなく、暮らし、人権、地球環境こそ

 安倍政権のもと、次つぎ噴き出す森友・加計公文書改ざん、データ捏造(ねつぞう)、統計不正、官僚のセクハラ、消費税10%増税、老後2000万円問題など、そのつど機敏にスタンディング、プラスターやシール投票で見える行動を広げてきました。安倍9条改憲NO!署名を軸に、政権退陣を迫るレッドアクションで対話・署名をすすめ、改憲反対署名は目標150万に対し121万、ヒバクシャ国際署名は200万目標に対し120万を積み上げてきました。

 「秋の行動」は、「武器爆買いよりも暮らしと命に」と、学校へのエアコン設置を求める若い世代、震災や豪雨の被災地の会員、医療、国保、介護の問題で中高年の会員らが、自らの切実な声を省庁や国会議員に直接届けました。各地でバスの運行や改善、タクシー券補助、公共施設の階段に手すりやスロープ設置の運動にとりくみ、長年の地域の運動で駅にエレベーター設置を実現させています。予算要求の「秋の行動」署名は、暮らしの切実さと政治への怒り、おしゃべりと学習を力に、2018年は3署名でとりくみ始めた10年以来最多の54万となりました。2年間で消費税増税中止など各分野の合計で、360万の署名を集めました。

 市民連合や総がかり行動実行委員会、消費税10%ストップネット、革新懇など各分野の共同と行動が広がり、日本母親大会は開催地の特徴を生かし、ジェンダーや若い世代の企画にもとりくみました。

 日本国憲法とSDGsを各分野の運動にすえ、安倍9条改憲阻止、政権退陣へ行動をつよめましょう。

 

(1)創立60年に向け、「だれ一人とりのこさない」と身のまわりのバリアなくす運動を

○道路や公共施設、公園などの段差解消やトイレの改善、免許証返納後の交通手段の確保など身近なところからバリアフリーへ行動しましょう。

○職場や地域、学校、家庭など社会に根強く残る慣習や意識、制度などの差別をなくしていきましょう。

 

(2)9条改憲と軍事化を許さない、核兵器禁止条約発効を

 憲法タイムやカフェで、9条に自衛隊を書き込む危険性を繰り返し学び、平和の2署名を推進してきました。各地で街頭宣伝、申し入れ行動、ピンポン行動など地域訪問がとりくまれ、手紙や署名つきチラシなど創意も広がり、5県本部が両目標を達成しています。

 平和の活動を次世代につなぐこと、共同を広げることを大切に、戦争や被爆体験を聞く会の開催、子どもと一緒に原水爆禁止世界大会・核兵器なくそう女性のつどいや、国民平和大行進に参加してきました。原爆パネル展は自治体庁舎や公民館など地域のすみずみで開催した経験が学ばれ、高校生の「原爆の絵」と一緒に広がっています。共同の力で、核兵器禁止条約批准を求める地方議会の国への意見書採択や自治体ぐるみのとりくみもすすみました。

 「辺野古新基地ノー」とオール沖縄で勝利した県知事選や県民投票などで現地にかけつけ、全国各地でスタンディング、募金、新聞意見広告などの連帯行動にとりくみました。オスプレイの全国配備・訓練中止、秋田と山口へのイージス・アショア配備、南西諸島のミサイル基地化の撤回をはじめ、各地で基地強化反対のたたかいを広げ、日米地位協定の見直しを求める意見書運動もすすめています。自衛隊への子どもの勧誘強化、自治体からの名簿提供が〝災害救助でがんばる自衛隊員を戦場に送ることにつながる〟と、その実態をキャッチして行動、中止になったところもあります。

〈改憲阻止へ全力を〉

○「自衛隊を派兵するな」と9条改憲阻止の署名を引き続き広げ、各分野の切実な要求と重ねながら、安倍政権退陣のレッドアクションにとりくみます。

○班・小組で憲法タイム・カフェを無数に開き、運動の力にしましょう。侵略戦争と植民地支配の加害の事実、近現代史を学び、韓国の女性・市民と連帯しましょう。

○沖縄の新基地建設阻止へ連帯をさらにつよめ、各地の基地強化、武器爆買いをやめさせ、日米地位協定の見直しを求める意見書運動を広げましょう。自衛隊への子どもの勧誘などの実態をつかみ、行動しましょう。

〈被爆75年を核兵器廃絶の歴史的転機に〉

○2020年、原水爆禁止世界大会(4月ニューヨーク、8月広島・長崎)に向け、ヒバクシャ国際署名の目標を達成、自治体での意見書採択と自治体ぐるみのとりくみをつよめましょう。若い世代を先頭に代表派遣をすすめ、募金もよびかけましょう。
○今から、若い世代や地域住民とともに、原爆パネルや高校生の「原爆の絵」、映画やアニメ、絵本などを活用し、被爆の実相を学び、伝えるとりくみを広げましょう。

 

(3)ジェンダー平等へ、大いにおしゃべり、学習と行動・連帯を

 コンビニからの成人誌撤去は、女性の人権、子どもが育つ地域づくりの合意の運動としてとりくみ、27都道府県97支部202班から548店舗に要請や懇談、その後も行動が続いています。
 財務次官の女性記者に対するセクハラ問題で、緊急シンポジウムを開催して提言を発表し、#MeToo(ミートゥー)、#WithYou(ウィズユー)と各地で抗議や宣伝、フラワーデモなど性暴力の告発の行動に連帯しています。

 春の行動で「ジェンダーって?」「長時間労働とパワハラでボロボロ」など紙面や「働き方改革」号外を使っておしゃべりや学習をしながら、ジェンダー4署名(選択的夫婦別姓制度など民法改正、日本軍「慰安婦」問題の解決と教育、女性差別撤廃条約選択議定書批准、所得税法56条廃止)と人間らしい働き方を求める署名を集め、国会議員要請などにとりくみました。性的同意の学習が始まり、選挙のなかでジェンダークイズでの話し合いが広がりました。

○身近な問題も入れた「ジェンダー〇×クイズ」をつくっておしゃべり、できることから改善へ行動しましょう。さまざまな差別や暴力を見逃さず、当事者と連帯して性犯罪の刑法改正を求めます。ジェンダー、LGBTQやSOGI、性的同意などの学習会をまわりに知らせてとりくみ、日本軍「慰安婦」問題など歴史の事実を学ぶ活動もつよめましょう。

○8時間働けば普通に暮らせる社会をめざし、時給1500円以上にと全国一律最低賃金制度の確立、ILOハラスメント禁止条約批准を求め、働きかけましょう。働き続けられるよう保育所や学童保育の待機児解消、介護離職の現状の改善へ、行動しましょう。

○選択的夫婦別姓制度など民法改正をはじめ、ジェンダーの4つの課題で請願署名と地方議会での意見書採択を共同で広げ、選択議定書批准の女性差別撤廃条約実現アクションも大切にします。

○新婦人春の行動(3月8日国際女性デー~4月10日女性参政権行使の日)にとりくみ、ジェンダー問題を日常的にすすめる力にしましょう。

 

(4)消費税5%への減税、社会保障は国の責任で

 「消費税10%になったらやっていけない」と、シール投票で対話し、署名や増税中止の意見書運動など、10%増税中止一点での共同を地域から広げてきました。高すぎる国保料、暮らせない年金問題を、しんぶんタイムやカフェで学び、怒りのおしゃべりと宣伝・対話で、地方選挙と参院選の大きな争点に押し上げました。各地で老後の暮らしアンケートでつかんだ実態をもとに自治体や国に要望を届け、国保料引き下げの運動にとりくみました。「カジノではなく防災を」「リニア中央新幹線中止を」と、各地でとりくんでいます。

○消費税5%への減税・廃止、大企業や高額所得者に応分の負担を求めて、シール投票などで署名や行動を広げます。暮らしや介護のカフェなどにとりくみ、家計の実態からおしゃべりと行動を広げましょう。カジノ、リニアの中止へ運動しましょう。

○国保、医療、介護、年金など社会保障の改悪をゆるさず、1兆円投入で国保の均等割廃止、自動的に減額されるマクロ経済スライドをやめ、最低保障年金制度の確立を求めましょう。

 

(5)子どもの権利条約が生きる学校、教育を

 「テスト、宿題が多すぎる」「細かいルールや厳しい校則」「子どもも先生も時間に追われている」など、教職員も参加する学校カフェや不登校の子をもつ親の会が何でも話せると好評で、「先生ふやして」「30人学級を」と行動にもつながっています。学校訪問やウオッチングが各地でとりくまれ、地元業者とともに洋式トイレ実現、銃剣道中止などの成果も生まれました。

 教育費の保護者負担の軽減を求めて実態アンケートが各地でとりくまれ、就学援助入学準備金の前倒し支給がさらに増え、準備金の増額や支給対象の拡充、教材の学校購入、学校給食費の助成・無償の自治体も広がっています。中学校道徳教科書採択に向け、愛国心を押しつける教科書を採択させないと、各地で教科書カフェや学習会、教科書展示会での意見提出で首相礼賛教科書の採択を3地区にとどめ、引き続き小学校の教科書採択に向けて行動しています。

○子どもの権利条約をすえ、就学援助制度の拡充・改善、給食費・教材費など教育費の保護者負担の軽減・無償、高校授業料無償化の復活、大学授業料の大幅引き下げ、奨学金は無利子に、返済不要の制度拡充を国や自治体に求めましょう。

○全国一斉と自治体独自の学力テストの中止、「学校統廃合や小中一貫校はやめて」と自治体に要請しましょう。教員に長時間勤務を押し付ける「1年単位の変形労働時間制」ではなく、教員増員と少人数学級を早期に実現させましょう。

○歴史をゆがめる教科書に反対し、採択に教員や保護者などの意見が反映されるよう、展示会を広く知らせ、審議の公開などを求めましょう。

 

(6)食の安全と産直運動の前進、防災・減災、原発ゼロ、温暖化防止へ

 命と健康を脅かす農薬ネオニコチノイド、種子法廃止など新婦人しんぶんやDVDの活用、講師を呼んだ学習が広がり、行政への要請もおこなわれました。「安全・安心の日本のお米は産直運動で」と、クイズや紙芝居、生産者と連携した学習や交流で、産直運動参加会員(産直会員)を増やす努力が広がりました。国産大豆でみそづくり、生産者と交流しながらの畑小組も人気です。産直会員が多い支部は、学習と生産者との交流、産直品の魅力がカギとなっています。
 台風15号や19号、西日本豪雨、大阪北部地震や北海道胆振(いぶ)り東部地震などの甚大な被害に、各地で支援がとりくまれ、被災者の要求や防災対策の強化を自治体や政府に要請しました。班や支部で自治体の出前講座も利用しながら、防災カフェやウォッチング、防災センター見学にとりくみ、行政に声を届けました。持続可能な社会へ、再生可能エネルギーやプラスチックごみなど環境問題を学び、みつろうラップづくりをはじめとりくみも広がっています。原発に反対する集会や行動も共同で粘りづよくおこなっています。

○「学校給食のパンは国産小麦で」「ネオニコチノイド農薬は使わないで」と、自治体や国などに働きかけましょう。日米FTAなど自由貿易協定に反対し、国連家族農業の10年にふさわしい家族農業支援を共同で国に求めましょう。

○新婦人と農民連の産直運動30年の原点に立って、持続可能な地球と日本の食料自給率向上、食の安全確保へ産直運動にとりくみましょう。農業と食をめぐる情勢を班や小組での産直運動タイムやカフェ、生産者との交流で学び、産直会員を増やす手立てをとり、班や支部のチラシで産直運動を紹介しましょう。

○防災カフェやウオッチングをさらに広げ、心配の声を自治体に届け、国に被災者生活再建支援金500万円への引き上げを求める署名にとりくみましょう。

○温暖化ストップ、CO2・プラごみ削減へ、わが家や地域からできることにとりくみ、企業や国に声を届けましょう。ごみ処理費用が増大する自治体と懇談し、ともに国や企業に対策強化を求めましょう。利権まみれの原発再稼働に反対、再生可能エネルギーを推進し、原発ゼロ法案を成立させましょう。

 

(7)メディアは権力監視を、民意の反映を

○メディアに対して、官邸の介入や忖度を許さず、権力監視の役割を果たし、人権、ジェンダーの視点に立った公正な報道、番組、CMなどを求めて声をあげましょう。よいと思った番組は激励しましょう。
○投票率の引き上げへ、「何でも禁止」の公職選挙法の改正、投票しやすい条件整備、主権者教育の実施を求めましょう。小選挙区制を廃止し、民意を正しく反映させ、女性の政治参加を高める比例中心の選挙制度を要求します。

 

(8)政治を変えるワクワク選挙

 統一地方選挙と参議院選挙では、新婦人しんぶんや県政紙芝居、シール投票などを活用した選挙タイムやカフェを開き、おたがいの考えや話を聞きあう「これからのエチケット」を大切におしゃべりを広げ、たしかな選択と投票行動へとつなげました。5野党・会派が市民連合と結んだ13項目の共通政策「だれもが自分らしく暮らせる明日へ」で野党統一候補勝利のため、会をあげてとりくむとともに、複数区と比例では政党支持と後援会活動の自由を保障しました。

○衆議院選挙を前に今から、要求と政治・政党についておしゃべりしましょう。選挙や一票の大切さを話題にし、模擬投票など工夫して選挙を身近なものにしましょう。

○女性・市民と野党の共闘をさらに前進させ、衆院選の小選挙区での野党統一候補勝利に会をあげてとりくみましょう。党派別選挙の比例でも、「これからのエチケット」で大いにおしゃべりし、たしかな選択につなげ、会員の政党支持と後援会活動の自由を保障します。

○首長選挙では、野党統一や新婦人が参加する共同の会が推す候補者、要求で一致できる候補者を支持し、活動します。

 

第4章次世代が集まって交流、学び合える場を本格的に

 猛暑の学校にエアコン設置、保育園児の交通事故をきっかけに交通ルールや道路の改善など、子どもたちに迫る危険に素早く行動し、直接、国会や省庁、自治体へ足を運び、声や署名を届けて制度を動かしました。文科副大臣をはじめ4回の省庁交渉で、公立小中学校普通教室へのエアコン設置とブロック塀撤去・改修のための特例交付金1078億円を補正予算で、自治体の声を集めて届けた総務省交渉では、学校の電気代増額を実現しました。
 2年連続で「つどう・つながる☆次世代交流会」を東西2会場で開催、延べ600人の若い委員が参加し、全国の仲間と交流しました。都道府県本部や支部でとりくまれた感想交流会や次世代会議後、若い世代チームの結成や「わたしのやりたいことを新婦人で」と新小組発足など、さっそく動き出しています。
 赤ちゃん・親子リズム小組は、しんぶんタイムを位置づけて「退会者が出なかった」経験が生まれています。働いても参加できる日曜開催、幼稚園に行っても通える夕方からのキッズリズムなど工夫しながら、新たに50小組が誕生しました。
 「みらい基金」に個人からの募金が寄せられ、延べ29都道府県122人の若い会員が「秋の行動」の省庁交渉や3署名提出集会、地元議員要請の国会行動に参加しました。各地の次世代会議にも基金が生かされています。

 若い世代が「仲間がいる」「私たちには力がある」と実感したとき、社会は変わります。「ありのままでいい」と感じる場を広げ、直接体験、学ぶことを大切にしましょう。

 

(1)モヤモヤでは終わらない!集まる場、直接体験、学ぶカフェ

○「学校がたいへん」「これっておかしい」など、暮らしや社会、政治に対するモヤモヤや「困った」など、本音を出し合える場を無数につくりましょう。アンケートやSNSも活用し、支部や班、小組に点在する若い世代をつないでいきましょう。
○「困った」の当事者とともに、「声をあげ、行動する」直接体験をさらに広げましょう。保育「無償化」が理由の公立園つぶしや3歳未満の保育料の値上げ、給食費実費徴収を許さず、公立認可保育所増設を求めましょう。学校訪問や通学路ウオッチングにもとりくみ、子ども医療費、妊産婦医療費を国の責任で無料に、国産小麦や地元食材の温かい学校給食と無償化実現を求めましょう。
○全国の次世代交流会や国会行動、原水爆禁止世界大会・女性のつどい、ニューヨークでの世界大会に、若い世代を送り出しましょう。
○「新婦人って?」に応えるミニ講座、憲法やジェンダー、性教育、SDGs、働く権利、子どもの権利条約など、学ぶことを位置づけます。小組でしんぶんタイムを大事にし、「学ぶ&しゃべるカフェ」を新婦人の魅力として打ち出しましょう。

 

(2)「わたしのやりたいこと」を出発に、仲間づくりを

○「わたしのやりたいこと」を気軽に小組にし、夕食会、シングルや働く女性の「ちょいのみ」、おでかけ、農業体験などにもとりくみ、カラーチラシや「招待状」、SNSも使って知らせ、仲間を迎えましょう。
○赤ちゃん・親子リズム小組は、開催日や時間などを工夫し、サポーターを複数でなど、みんなで援助しましょう。しんぶんタイムを位置づけ、リズムに参加する会員や元会員を班会やカフェ、小組、「同窓会」に誘って、新婦人を続けていけるよう努力しましょう。

 

(3)委員会と一緒に

○委員会は、若い世代の集まる場づくり、カフェや直接体験などのとりくみをバックアップしましょう。やりたいことやつぶやきをそのままにせず、一緒に考え、互いをリスペクト(尊重)し、実現させましょう。
○支部に点在する若い世代や親子リズム小組を〝卒業〟した元会員、読者、つながりのある人など、「見える化」(名簿)を委員会でおこない、若い世代どうしをつなげていきましょう。
○次世代会議や交流会を定期に開き、悩みも出し合い、経験を学び合いましょう。ブロック開催など参加しやすいよう工夫しましょう。

 

第5章委員会は班とともに行動、創立60年を大きな新婦人で

 この2年間、委員会は新婦人しんぶんを力に、班会・しんぶんタイム100%、小組でもタイム、さらに毎月にこだわって、未開催班への訪問など援助をすすめ、各地で班会100%支部も生まれています。小組でのタイムが3~4割台の県本部も生まれています。〈5つのポイント〉をめやすに、班プラン用紙や花びらカードなど班会グッズも工夫し、班の一歩前進を応援しています。援助金を活用し、都道府県本部が開いた班活動交流会には延べ9381人が参加し、互いの経験に学びまし
た。
 委員会は、「新婦人が果たしている歴史的な役割に比べて仲間づくりが遅れていること」を受けとめ、2020年を20万人・30万部で迎えようと仲間づくりの意義や目標を活発に議論しました。「目標が大きすぎて…」と率直な意見も出され、「班に引き寄せたら○人○部」など、班がカギであることも確信にしました。班で憲法をはじめ○○カフェと新小組づくりなどレッドアクション賞や大会めざす親子ばと賞で援助をつよめ、19~25日全国連帯仲間づくり期間のとりくみで毎月増勢に努力しました。秋田県本部が、「班からの仲間づくりとは」を議論し、会員一人ひとりのつながりを生かしてこそと「招待状」というアイデアを生み出した経験は、いま全国に広がっています。リニューアルしたホームページやSNSを通じて会員や読者を迎えています。

 2度のブロック交流会議(全国3カ所)には、延べ807人の都道府県本部常任委員が参加しました。岐阜県本部の班会・新婦人しんぶんタイムの徹底、方針をどの班もとりくめるよう具体化し、最後まで手放さない努力に学び、自らの課題も共有しました。「五つの目的」の学習、新専従者講座での補充版「新婦人の歴史と運動編」の新婦人学校がミニ講座とともに広がり、班と委員会、機関紙3種類の『活動の手引き』も学びました。
 新婦人しんぶんは、日頃の自分の思いと社会・政治のつながりが見え、会員のエンパワーメントになっていることが、みんなの確信となっています。都道府県本部機関紙部長会議で新婦人しんぶんの歴史に学び、機関紙活動を再認識。配達・集金活動の困難改善も班がカギと、配達・集金ごくろうさん会の開催やみんなで分担、配達ルート表の見直しを推進してきました。
 班会開催が広がるなかで、会費の月内納入が前進、チラシ発行をはじめ援助金を活用し、財政活動強化の全国会議も力にしました。大災害のたびに多くの災害救援募金や基金が寄せられ、被災自治体や会員・読者に届けました。

(1)新しい「委員会の二つの役割」を力に

○委員会の二つの役割を、「①要求実現と次代につなぐ仲間づくりの先頭に立ち、②班を援助する」へと発展させます。大いに議論し実行しましょう。
○「毎月班会・しんぶんタイム100%、小組でもタイムを」をはじめ、いま大切にしている方針を委員みんなが共有できるよう常任委員会や委員会で深く議論しましょう。
○「若い世代との並走」を委員会の中心課題にすえましょう。委員会は若い世代がやりやすいスタイルで、できることで行動することを支え、励ましましょう。委員会に複数の若い世代を迎え、退職者や班からの新メンバーも入れて集団を大きくし、「このことなら」と特技や得手を生かし、専門部活動もつよめましょう。
○委員会は、創立60年へ新婦人学校(新婦人の歴史と活動編、女性史・ジェンダー編)を支部委員以上を対象に繰り返し開き、支部常任委員対象の『女性&運動』誌(2020年より無料)も大いに活用しましょう。全国規模の委員対象の交流会議を力にし、都道府県本部や支部で引き続き班活動交流会を開きましょう。

 

(2)仲間づくりの前進、飛躍を必ず

○いまなぜ仲間づくりか、その可能性や班からの仲間づくりについて、各支部や都道府県本部で徹底的に議論しましょう。3年後の「創立60年を大きな新婦人で迎えよう」を合言葉に、第30回大会(2021年秋)と創立60年(22年10月)の仲間づくり目標と計画をもち、出足早く行動しましょう。全国連帯し、1万の班、1000の支部をめざしましょう。
○〈5つのポイント〉で各班の到達を分析し、班が仲間づくり(第2章)にとりくめるよう援助しましょう。「招待状」をつかう仲間づくりを定着させましょう。19~25日仲間づくり期間を班からとりくみ、毎月増勢にこだわって目標に向かいましょう。
○「このままだと新婦人がなくなる」―高齢化によるやむをえない退会者数を超える仲間づくりにこだわりましょう。入会時から新婦人の活動が見えるようにし、「つながる・しゃべる・楽しむ」でつないだ手をはなさない会になりましょう。
○SNSでの発信をつよめ、チラシに中央本部ホームページのQRコードを入れるなど、活用しましょう。

 

(3)機関紙活動の前進を

○社会と政治の知りたい情報と新婦人活動が丸ごとわかるしんぶんの紙面の充実へ、編集体制の確保をすすめ、活動に生かせるよう努力します。みんなが宣伝紙を使い、入会からすすめることを定着させましょう。
○『機関紙活動の手引き』でしんぶんの役割や「読む、増やす、配達・集金」の機関紙活動を学び、都道府県本部と支部の機関紙部を確立しましょう。緊急アンケートを力に、配達・集金活動の現状打開の次善策と改善方向について検討していきます。

 

(4)財政活動をさらにつよめて

○活動を支える財政をみんなで生み出していることを確信に、会費納入袋を活用し、会費やしんぶん代の毎月納入をすすめましょう。財政計画をたて、班からの仲間づくりで財政を確立しましょう。
○カンパ活動は一人ひとりの自主性を大切にし、さまざまな運動や署名活動などと結んでとりくみましょう。友愛の被災者救援募金と救援基金に引き続きとりくみましょう。

 

第6章国際活動

 女性平和基金(化粧品1本につき1円積み立て)は今年20年を迎え、海外の女性活動家との交流は、平和と核兵器廃絶をはじめ、軍事費削減や気候変動、ジェンダー平等など多様な運動との連携へ発展しています。
 日韓国際フォーラム(2019年5月、ソウル)で韓国女性団体連合(KWAU)と「女性と平和」の分科会を共催、相互理解と連帯が深まっています。
 第62回、63回国連女性の地位委員会(CSW)に声明を提出し、会議をはじめ政府やNGO主催のイベントに参加して、日本女性の現状と新婦人の運動を紹介するとともに、ジェンダー平等をめぐる国連や各国のとりくみをしんぶんなどで発信しました。

○非核・平和の北東アジアと世界の実現、核兵器廃絶と気候変動対策、ジェンダー平等で世界の女性との共同と連帯をすすめます。
○国連女性の地位委員会など国際会議や世界の到達を運動の力にします。

 

【特別決議】

消費税5%への減税、廃止へ、命と暮らしを守りましょう

 消費税が8%から10%に引き上げられて1カ月余。日々の家計に重くのしかかり、倒産・廃業が相次いでいます。軽減税率やポイント還元などによる混乱も続いています。
 この増税は、暮らしや景気悪化のなかで、国民の反対を押し切って強行されたものです。消費8%実施以降、実質賃金は年15万円減り、年金も7年間で6・1%引き下げられました。賃金・年金格差の影響をもろに受けている女性たちの暮らしは増税によってさらに厳しくなっています。
 巨大台風や豪雨による大規模災害などで、復旧・復興への道のりが厳しい被災地や地域経済に、いっそうの打撃を与えています。
 いま、政治がやるべきは増税ではなく、この5年間で2倍に引き上げられた消費税をただちに5%に戻し、廃止へとすすむことです。
 また、安倍政権は、被災者の生活再建や農林水産業の復興が困難なときに、地域経済の要となる農畜産業などに大打撃を与える日米貿易協定承認案を今国会に上程しました。トランプ米大統領との約束で、協定の来年1月発効のために何が何でも押し通そうとしています。国土保全など多面的機能を持つ農林水産業を衰退させ、食料自給率をさらに低下させる協定の承認は許されません。日米貿易協定からの撤退、日米FTA(自由貿易協定)交渉はただちに中止することを求めます。
 地球温暖化による気候変動で、今後も異常気象が頻発(ひんぱつ)することが指摘され、いまほど命と暮らしを守る政治、持続可能な社会への転換が求められるときはありません。
 消費税を減税し、暮らしと地域経済を守り、防災・減災対策を抜本的に強化する野党連合政権めざし、女性の声をあつめ、運動をつよめるとともに、来たる衆議院選挙で安倍政権退陣へ、全力をつくしましょう。

 

【特別決議】

安倍9条改憲、中東派兵、新基地建設ノー!
政権退陣へ追い込み、野党連合政権への展望をひらきましょう

 安倍改憲を断念させ、退陣へと追い込むたたかいは、いよいよ正念場です。
 首相は臨時国会の所信表明演説で、改めて国会での改憲論議を呼びかけ、衆参両院の質疑に立った自民党議員が改憲を繰り返し要求するなど異様です。自民党は改憲推進本部を強化し、地方でも改憲機運を盛り上げる「憲法改正推進遊説・組織委員会」の新設などを決め、スタートさせています。9条に自衛隊を書き込む改憲を執拗にねらうのは、自衛隊が海外で無制限に武力行使することを可能にするためです。
 こうした安倍首相と自民党の危険な動きは、7月の参院選挙で改憲派が3分の2の議席を維持できず、改憲が思い通りにすすまない焦りの表れでもあります。世論調査を見ても、国民は改憲を望んでいません。世論の支持もないのに憲法尊重擁護義務( 99条)を負う首相や国会議員が改憲論議を主導することは、明らかに憲法違反です。何より経産大臣、法務大臣という重要閣僚が公職選挙法違反の疑いで相次ぎ辞任する異常事態を招いた安倍首相に改憲を語る資格はありません。
 同時に、安倍政権は、沖縄・辺野古への米軍新基地建設の強行をはじめ、今後5年間で過去最大の27兆4700億円もの軍事費を投入する大軍拡計画をかかげ、トランプ政権の要求どおりに、オスプレイ、イージス・アショアの配備、F 35戦闘機の大量調達など、米製兵器の爆買いや日米軍事一体化をつよめています。また、憲法違反で危険きわまりない自衛隊の中東派兵は、ぜったいに許されません。
 この間、各地で女性・市民と野党の共闘がすすみ、新しい政治の流れが発展しています。安倍9条改憲NO!署名をさらに広げ、「安倍政権は退陣を」「改憲は許さない」世論と運動をつよめましょう。そして、来たる衆院選勝利で野党連合政権実現への展望を必ず切りひらきましょう。

 

2019年11月3日
新日本婦人の会第29回全国大会

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