新日本婦人の会は、11月14日、15日、東京都内で第27回全国大会を開催し、大会決定と2つの特別決議を採択しました
戦争する国にさせない! 憲法と民主主義いまこそ!
女性のあふれる願いを行動に、みんなで大きな新婦人を
1、日本の歴史的岐路と女性たち
(1)安倍政権の暴走ストップ、退陣を
〈戦争法案、空前のたたかい〉
戦争法案廃案!憲法9条守れ!安倍政権は退陣を! 戦後70年の9月19日、国民の空前のたたかいが列島をゆるがすなか、自民党、公明党などが戦争法案採決を強行したことは、断じて許されない暴挙です。同時に、彼らが予想もしなかった、憲法と民主主義がいきる日本への新しい歴史の始まりとなりました。
この数カ月、「人生初めての行動」などドラマが各地で生まれ、押しとどめることのできない民主主義のうねりをつくりだしています。3・11東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の衝撃、貧困と格差の広がり、安倍政権の暴走、とりわけ憲法違反の戦争法案強行を許さないと、一気に立ち上がったのです。戦争の足音をいち早く感じとった女性たちは赤いものを身に着けた「女の平和」国会包囲行動、子育て中のママたちは「だれの子どももころさせない」と行動を繰り広げています。学生や若者たちの行動は世代をこえた連帯を生み出し、学者や弁護士は真理と正義の声をあげています。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」による連続行動が、だれもが参加できる場となり、新たな運動とその推進の力になっています。「おかしいことはおかしい」と自分の言葉で語る人びとの姿に、憲法が息づき、戦後のたたかいが受け継がれていることを確信します。参政権を得て70年、女性たちは命と暮らしの願いをつよめ、平和の世論と運動をリードしています。
創立以来、「憲法改悪に反対、軍国主義復活を阻止します」をかかげ、主権者として声をあげ続けてきた新婦人は、その原点にかけてたたかい、草の根の行動の先頭に立っています。多彩なレッドアクションを瞬く間に全国で広げ、たくさんの署名を国会に積み上げ、おそろいのTシャツでアピールしています。新婦人しんぶんが、これらの行動と情勢を毎週発信し、かけがえのない女性のメディアとなっています。「つながる仲間がいた」「行動する新婦人に私も」と会員や読者が増え、新婦人への信頼と期待が高まっています。
今こそ広範な女性や国民とともに運動と仲間を広げ、憲法違反の戦争法は廃止を、安倍政権はただちに退陣、解散・総選挙を、民意にこたえる政府をみんなでと、大きく発展させていきましょう。
〈各分野の運動が合流〉
辺野古新基地建設阻止へ沖縄県民と熱く連帯し、全国的な支援で名護市長・市議選、県知事選、総選挙に勝利し、県による埋め立て承認取り消しのもとで、地方自治と民主主義を取り戻す新たなたたかいが始まっています。翁長知事を先頭に「オール沖縄」と本土、国際的な連帯が日米両政府を追い込んでいます。大阪市の廃止・解体をねらった「都」構想を問う住民投票は、女性・市民の力で否決され、橋下「維新」政治と決別するたたかいが続いています。「生涯ハケン」の労働者派遣法改悪に続き、「残業代ゼロ」をねらう労働基準法改悪、核廃棄物の処理方法もないまま、火山噴火や避難計画不備など住民の安全を無視した九州電力川内原発の再稼働強行、アメリカへの譲歩を重ねるTPP交渉の「大筋合意」など、どれもが国民多数の強い反対を押し切ってすすめられ、聞く耳をもたない安倍政権の退陣を求める運動へと大合流しています。
命や暮らしより企業のもうけ優先の政治が、社会の各分野にゆがみをもたらしています。安倍政権は、住宅再建をはじめ復興が遅れる東日本大震災の被災自治体に財政負担を押し付け、福島原発事故の賠償など被災者支援の打ち切りをすすめようとしています。いじめや自殺など子どもをめぐる痛ましい事件は、学校や地域社会、ネット社会など多くの問題を投げかけ、その一つに深刻な貧困の実態があります。この間、消費税8%への増税、物価の高騰、実質賃金の低下、年金の削減など、どの世代からも「暮らしていけない」の悲鳴が上がっています。単身女性や母子家庭の貧困化がすすみ、「下流老人」の言葉まで生まれています。大企業は過去最大の利益をあげながら、消費の落ち込みで景気後退は深刻となり、アベノミクスの破たんは明らかです。さらに医療や介護、保育など社会保障と雇用の大改悪、個人情報管理と徴税強化のマイナンバー制度、「軽減税率」でごまかし消費税10%への増税をねらう一方で、5兆円を超す過去最大の軍事費を計上し、武器輸出の戦略まで推進していることは許されません。
「自治体消滅」キャンペーンで、学校の統廃合や「住民サービスの集約化」に拍車をかけて地域を切り捨てる「地方創生」をやめ、それぞれの特性を生かした持続可能な地域づくりを応援すべきす。記録的豪雨災害が相次ぎ、大地震や火山噴火が警告されるなか、「国土強靭化やオリンピックの名による巨大開発はいらない」「命と財産、地域を守る防災こそ」の声が高まっています。2015年末に開かれる気候変動の国連会議(COP21)で、日本政府は温室効果ガスの高い削減目標をかかげ、国際的責任を果たすことが求められています。
安倍政権が戦後最悪と言われるのは、アメリカ・財界いいなりに加え、侵略戦争を美化する「日本会議」の閣僚が8割を占める極右内閣だからです。政権党と議員のおごりや劣化が際立ち、教科書など教育やNHKをはじめメディアに露骨に介入し、支配しようとしています。暴走政治のおおもとにある小選挙区制の抜本的見直し、政党助成金制度の廃止が必要です。政治の転換をめざす革新懇運動を発展させ、18歳選挙権が初めて実施される来年の参議院選挙を含めてどの選挙でも、主権者の行動と一票で憲法の平和主義、立憲主義、民主主義が生きる新しい政治をめざしていきましょう。
〈ジェンダー平等へ〉
今年は女性差別撤廃条約批准30年です。日本は男女格差指数で142カ国中104位と大きく立ち遅れ、先進国で最下位です。女性の非正規雇用が57%、働く女性の41%が年収200万円以下で、妊娠・出産に対するハラスメント(嫌がらせ)や退職強要も深刻です。正社員への道を閉ざす派遣法改悪は撤回し、安心して働ける正規雇用、育児や介護の施策拡充など、男女とも仕事と家庭責任が両立できる条件整備こそ求められます。全女性地方議員を対象とした新婦人゛私が感じた差別”アンケート(全県964人)は54%が差別を体験している現状を告発しました。
安倍政権は「女性の活躍」をいいながら、安上がりの労働力、復古的家族政策を押し付けようとしています。最高裁による夫婦同姓や再婚禁止期間の民法規定についての憲法判断、第4次男女共同参画基本計画の策定、来年2月の国連女性差別撤廃委員会での日本報告の審議などで、世界から著しく遅れる日本のジェンダー平等施策がきびしく問われます。日本軍「慰安婦」問題での謝罪と賠償、教科書への反映など一日も早い解決が迫られています。
〈核兵器なくし、公正な世界へ〉
被爆70年に開かれた第9回NPT(核不拡散条約)再検討会議は、8割の国が人道上から一刻も早い核兵器廃絶を求め、禁止条約の交渉開始を迫りました。ニューヨーク行動には、日本から新婦人250人を含む1000人以上が参加し、貧困・環境問題の解決や人種・性差別反対などの諸運動とともに核兵器のない新しい世界への展望を共有しました。日本原水協が新婦人の153万を含む633万余の署名を国連に提出したことは、運動促進の力として、国連や政府代表、各国のNGOから称賛されました。
(2)いま輝く新婦人の魅力と役割、仲間の輪さらに
①新婦人ってすごい! みんなの思いに
要求とたたかいのあるところに、いつも新婦人がいます。「新婦人はまさに草の根運動のお手本、ぜひ学びたい」と世界から注目されています。
〈女性の要求実現の団体〉
それは、女性のあらゆる要求をまとめた「五つの目的」を掲げ、どんな悩みや要求も、この会にもちこみ、みんなの問題とすることができる要求実現の女性団体だからです。要求のある人を主人公に多彩な運動を広げ、広範な女性と、また母親大会などの共同行動もすすめています。アジアへの侵略戦争と植民地支配の加害国、唯一の被爆国の女性団体として、平和をなによりも大切にしています。
〈一つにつながる全国組織〉
新婦人が平和や要求運動にみんなでとりくむことができるのは、全国一つにつながる女性団体だからです。約9000の班は会員のよりどころ、女性たちの願いをつかむことができる基礎組織です。市区町村には班とつながる900近い支部、47すべてに都道府県本部、さらに中央本部があり、週刊の新婦人しんぶんで方針を学び、経験を交流し、励ましあっています。
〈女性のエンパワーメントの場〉
新婦人は、要求や平和の行動、学びを通して、自分の能力を発見し、自らを発展させる、いわゆるエンパワーメント(力をつけること)の場となっています。それがジェンダー平等をすすめる源でもあります。
〈国際的視野をもち活動〉
新婦人は国連NGOとして、国連の会議に代表を派遣し、国際的な到達を新婦人しんぶんや『月刊女性&運動』を通じて知らせ、運動にいかしています。多くの会員が毎年夏の原水爆禁止世界大会と核兵器なくそう女性のつどいで、女性平和基金の招待者をはじめ海外の女性たちとともに、世界や国連の動き、国内外の運動、被爆の実相などを直接学び、交流しています。
②2020年へ若い世代との並走、20万人30万部かならず
いま、どの世代も暮らしや将来への不安のなかで、切実な願いをつよめています。「戦争はぜったいダメ」の思いは、悲惨な体験をもつ女性たちをはじめ、どの世代も譲れない共通の願いです。とりわけ、若い世代はつながりと仲間を求め、「自己責任」の苦しみの大もとにある社会の問題を知り、行動する力を高めています。
こうした女性たちの願いをはじめ、会の「五つの目的」の実現のためにも、たくさんの仲間、大きな新婦人が必要です。とくに、「海外で戦争する国」づくりと暮らし破壊をすすめる安倍政権を一日も早く退陣させ、新しい未来をひらくためには、新婦人が大きくなることがつよく求められています。創立以来、先輩たちはいつも仲間づくりの方針をもち、手放さず、この会をつないできました。ベテラン世代と並走できる今、次の世代へとつなぐ活動を実らせ、2019年秋に開催予定の第29回全国大会には必ず会員20万人、新婦人しんぶん30万部を超えて、2020年を迎えましょう。
2、つぶやきや願いを大切に、班から運動も仲間ふやしも
(1)おしゃべりしてつながって、どの班もよりどころに
今こそ戦争法案廃案、廃止のたたかいをこの地域からと、班が立ち上がっています。班会の開催と定例化が前進し、新婦人しんぶんを読みあうしんぶんタイムも広がりました。○○カフェが関心事や要求をテーマに各地で多彩にとりくまれています。
つぶやきやアンケート、ウオッチングを大事にし、自治体などへの要請行動で2014年には566項目の要求を実現。「算数セットが学校備え付けに」「青信号を3秒延ばした」など、班の成果が多かったことも特徴です。この2年間、戦争法案や核兵器、消費税や「秋の行動」(3種類)など、一人ひとりの会員と班が全国で集めた署名だけでも307万人分にのぼります。
「この地域にたくさんの仲間を」と、運動で、カフェで、また班会やあらゆるとりくみにゲストを誘って、カラーのミニチラシ「戦争法案廃案へあなたもご一緒に行動を」やしんぶんで、意識的に会員や読者を増やしています。要求別小組が新たに2000を超えて誕生、ちぎり絵や料理、カラオケ、ヨガ、ウオーキングなど気軽に始められる小組が人気です。この間、新たに341班が結成され、新小組をつくって2ケタになった班、退職した会員の力で活性化した班、若い世代を意識的に迎えて元気になった班が生まれています。〈生きいき大きな班へ5つのポイント〉にてらし、班活動前進の努力が始まっています。
○〈5つのポイント〉で、班が一つひとつ挑戦していきましょう。「食べて、学んで、美しく」の活動も大切にします。
〈生きいき大きな班へ5つのポイント〉
①班会会員みんなに知らせて毎月開催、誕生会や歓迎会など工夫して
②要求おしゃべり・つぶやき・願いを運動や小組に、平和の活動も大切に
③新婦人しんぶん読んで、勧めて、みんなで配達集金
④仲間づくりいつも運動やつながりで、チラシで知らせ、仲間に、目標もって、意識して若い世代を
⑤班運営みんなで役割分担、班委員会で相談、班ニュースも発行
〇多彩な○○カフェを、ゲストを誘って開きましょう。「小組はないけどカフェなら」と、どの班も気軽にとりくみましょう。
○「みんなで仲間づくり」を合言葉に、つないだ手をはなさず、毎年2人、3人と仲間を迎え、確実に班を大きくしていきましょう。班行事や小組例会、要求運動など、あらゆる機会にゲストを誘って仲間を迎えましょう。小組づくり、小組体験会、合同体験会にとりくみ、平和や要求運動も載せたチラシで知らせましょう。目標と計画を持ち、若い世代を3人以上迎えましょう。
○新婦人がまるごとわかる「あゆみDVD」を班会でも小組でもみんなで見て、おしゃべりしましょう。『班活動の手引き』の活用、班委員会づくりをすすめましょう。
(2)職場班と働く女性の活動つよめて
きびしく多忙ななかでも時間をつくり、食事しながらなど、工夫して班会を開き、おしゃべりすることが働き続ける力になっています。会員が2人になった班で、「体が心配」の声から夜ヨガ小組をつくって仲間を増やし、再出発した経験も生まれています。職種も職場も超えた働くカフェやジェンダーカフェにとりくんで若い女性も参加、「この低賃金では輝けない」と働き方や戦争法案など何でもおしゃべりし、会員を迎えています。働く女性の交流会、働く権利の講座などが開かれ、医療や保育などの職場に新たにの班が誕生しました。
○何でもおしゃべりできる班会を工夫して開きましょう。カフェ、小組、班行事、学習などにゲストを誘って仲間に迎えましょう。職種も職場も超えた集合班の結成にもつなげていきましょう。
○委員会は、地域の働く女性たちに呼びかけて、交流会や講座などを開きましょう。医療、福祉、介護、保育、教育、自治体などの職場に班をつくりましょう。
3、平和と切実な要求実現へ、全国が力あわせて
この間、安倍政権の各分野の暴走に対し、全国が力をあわせてノックアウトへと運動してきました。
以下の4点を大切にしながら、運動にとりくみましょう。
ー署名や宣伝、「私は言いたい!」など「外へ外へ」の行動、ゲストを誘っての○○カフェなど、すべてのとりくみを仲間づくりに実らせましょう。
ー運動のどの分野も、子育ても老後も安心して住み続けられる地域づくりにつなげていきましょう。
ー新婦人「秋の行動」(10月)の成功へ、予算要求3署名や10・1スタート日行動などにとりくみましょう。
ー『新婦人・憲法手帳』をみんなが持って学んで、どの運動にもいかしましょう。
(1)戦争法廃止、9条守れ、新基地反対、核兵器廃絶へ
秘密保護法、集団的自衛権行使容認の閣議決定強行などに女性たちの不安が高まるなか、新婦人は紙芝居やジャンボリーフ、三つ折り新チラシ(60万部)を次つぎ発行し、班会や憲法カフェなどで学習やおしゃべり、対話や宣伝を広げ、「外へ外へ」がみんなの合言葉になりました。戦争法案廃案の行動では、宣伝・署名やスタンディングアピール、デモ、地方議会、地元国会議員や創価学会への働きかけなどすべての行動をレッドアクションと名づけ、ミニチラシ(60万部)を持ってまわりの女性たちにもよびかけ、平和の仲間を迎えました。自衛隊や米軍による教育、市民生活、防災訓練などへの介入を許さないと、迷彩服姿のマネキンを店舗から撤去など、全国で機敏に行動しました。戦後・被爆70年、支部や班で平和のつどいやフェスタが多彩にとりくまれました。
沖縄・辺野古新基地建設反対の対話と行動を広げ、選挙勝利に貢献し、全国7紙への意見広告運動や各地からの辺野古・高江支援ツアーなどで連帯をつよめました。
核兵器全面禁止を求める国際署名は、しんぶん縮刷特別資料や新チラシを活用し、商店や自治会、保育園などへの申し入れや原爆展(1200ヵ所)を広げ、161万人分集めました。NPT・ニューヨーク行動への参加を力に、「新幹線借り切りピースツアー」など多彩なとりくみで、原水爆禁止世界大会・女性のつどいに1500人、若い世代200人を送り出し、成功へ大奮闘しました。
○違憲の戦争法は廃止をと国会でもどこでもデモや行動、2000万めざす大規模な統一署名(新婦人100万)、SNSの活用、メディアには激励と抗議をなど、日常的な文化にし、ひきつづきレッドアクションで世論を高めましょう。憲法改悪に反対し、『憲法手帳』や紙芝居&リーフ「自民党の憲法『改正』草案そのこわーい中身」、『あたらしい憲法のはなし』を活用し、戦争の体験、日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を学びましょう。
○新基地建設阻止へ、宜野湾市長選挙(16年1月)を含め沖縄のたたかいとの連帯をさらにつよめましょう。全国各地での米軍機の低空飛行、危険なオスプレイの飛行即時停止と撤去、配備中止を求め、自衛隊の米軍との一体化の共同訓練、出撃基地強化、教育や市民生活への介入をやめさせましょう。アメリカいいなりの大もとにある安保条約を廃棄しましょう。
○核兵器禁止条約の実現を求め、次世代とともに被爆の実相を学び、署名や原爆展にとりくみます。原水爆禁止世界大会へたくさんの代表派遣に力を入れ、とりわけ若い世代を重視しましょう。
○政権党の暴走を招き、女性の政治参加の障害となっている小選挙区制と政党助成金を廃止し、民意が正しく反映される比例中心の選挙制度を求め、世論を広げましょう。
(2)各分野の運動と仲間づくり広げて
①消費税10%への増税中止、税金は暮らしに
消費税8%増税中止、「10 %アリえない」と、毎月24日宣伝行動(消費税廃止各界連絡会)や4・1新婦人全国いっせいアクションなどで、署名やシール投票で暮らしの対話が広がり、首相や地元国会議員に「私は言いたい!」カードを届けました。『新婦人の家計簿』40年、消費税額がすぐわかるパソコン版CDは前年の2倍普及、冊子版とともに活用されました。
○「軽減税率」にだまされない、消費税率10 %は中止しかないと、学習資料を活用し、物価や収入、税金など暮らしの実感を出しあい、「軍事費削って暮らし、福祉、教育に」「大もうけの大企業に減税? 税金は応能負担の原則で」とおしゃべりしましょう。首相や地元国会議員に生の声を送り、署名や地方議会での意見書採択も広げましょう。
○マイナンバー制度の実施中止、廃止を求めて行動しましょう。
○『新婦人の家計簿』冊子・CD版を普及し、家計の実態と声を運動にいかし、発信しましょう。
②高齢期を安心して暮らせる社会保障制度に
介護カフェが一気に広がり、制度への不安や高齢期の悩みも出して学びあえる、認知症予防、終活、エンディングなど多彩なカフェがとりくまれ、仲間に迎え、施設ウオッチングなどにもつながりました。各地で医療・介護制度改悪法反対の声を地元国会議員に届け、介護アンケート結果で自治体と懇談しています。高すぎる国民健康保険(国保)料の引き下げを共同で実現、社会保障推進協議会の自治体キャラバンも広くとりくまれました。定期的な食事会や敬老会などが喜ばれています。
○「医療・介護の大改悪で私のまちは?」と班やカフェなどで学び、自治体への要請や施設ウオッチングなどにとりくみましょう。国保料の引き下げ、年金や生活保護改悪反対などの運動を共同で広げましょう。
○気軽に集まっておしゃべりできる食事会など、高齢者の居場所づくりにとりくみましょう。高齢期を豊かにと、健康体操や脳トレ、コーラスや散策など多彩な小組を広げましょう。
③学校、地域、親が力をあわせ、子どもを守ろう
学齢期の親の教育おしゃべり会が広がりました。「戦争する国づくり」と一体の育鵬社版教科書は採択させないと、教科書カフェ、教育委員会への申し入れや教科書展示会で意見提出などにとりくみました。教育委員会制度改悪反対、全国いっせい学力テストの学校別公表中止の申し入れをすすめ、「高校・大学の教育費アンケート」(740人)は深刻な実態と給付制奨学金の必要性を浮き彫りにしました。各地で子ども医療費助成がすすみ、国による自治体へのペナルティー問題も「見直し」へと動かしています。
○子どもが安心できる居場所づくりを大事にしましょう。子育ての悩みなど何でも話せるしゃべり場や関心あるテーマで教員なども交えたカフェを開きましょう。子どもの権利条約の学習を重視します。
○一方的な学校統廃合に反対しましょう。国による35人学級の速やかな実施、道徳の教科化や全国一斉と自治体独自の学力テストの中止、中学校給食の実現、エアコンやトイレなど学校施設の改善、正規教職員の大幅増員を求めましょう。
○「子育て・教育にこんなにお金のかかる国っておかしい!」と声をあげ、医療費や教育費、給食費などの無償化、学費の軽減、奨学金制度の充実を求めましょう。中学卒業までの子ども医療費無料制度創設を国に求めましょう。
④人間らしい労働、ジェンダー平等を
゛あなたの、家族の職場の「ブラック度」チェック“でおしゃべり、若い世代といっしょに働く権利の学習がとりくまれ、労働者派遣法、労働基準法の改悪を許さない宣伝・署名を広げました。高校で働く権利の教育をと要請し、「不当解雇撤回・職場復帰を」「リストラやめよ」などの支援にもとりくみました。
女性地方議員アンケートの冊子を地方議会議長や女性議員などに届け、党派を超えた懇談をすすめ、議会規則の改定などが始まっています。ジェンダー3署名(民法改正、日本軍「慰安婦」問題の解決、女性差別撤廃条約選択議定書批准)を集め、民法改正の切実な声を最高裁に届けました。「慰安婦」問題のパンフレット学習やツアーにとりくみ、NHK会長の暴言への抗議、地方議会でのバックラッシュ派による意見書採択の動きに機敏に行動しました。
○「労働法制改悪で女性が輝ける?」「この低賃金で自立できる?」とおしゃべりし、改悪派遣法実施と残業代ゼロ法案反対、長時間労働の改善、最低賃金1000円以上への引き上げ、雇用の正規化、パート・派遣の正社員との均等待遇などを要求、実態を告発し世論を高めましょう。
○保育・学童保育の待機児童の解消を求め、施設や職員の基準緩和でなく、充実するよう社会的にアピールし、自治体や国に要請しましょう。
○女性地方議員アンケート冊子での懇談や要請を本格的につよめ、議会規則や条例など具体的な改善を実現しましょう。ジェンダーチェック表を使ったおしゃべり、女性や子どもへの暴力をなくすとりくみ、女性差別撤廃条約(紹介DVD)やリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の学習や行動、民法改正新署名などジェンダー3署名をすすめます。第4次男女共同参画基本計画と各自治体の計画に実態や要求を反映させましょう。
○日本軍「慰安婦」問題解決へ、「証言DVD」やパンフでの学習をつよめ、署名や地方議会の意見書採択をすすめましょう。バックラッシュ派の動きを許さず、行動しましょう。
○新婦人春の行動(3月8日国際女性デー~4月10日女性参政権行使日)に多彩にとりくみましょう。
⑤産直運動の発展と食の安全を、TPPも日米2国間並行協議もノー
「暮らしや食をこわすTPP反対」と地元国会議員要請や共同で集会・パレード、宣伝にとりくみました。食品衛生監視員の増員を実現し、トランス脂肪酸の表示を求める全国の声を集め、政府に迫りました。産直運動推進の全国会議と「あらたな共同目標」(別掲)を力に、さまざまなとりくみに食べることと生産者との交流・学習を位置づけ、安倍「農政改革」や米価暴落問題を学び、仲間を迎えました。田植えや収穫祭、大豆畑トラストなど年間を通した交流や25周年特別企画などを若い世代に知らせ、産直運動への参加を広げる努力も始まっています。
○生産者との交流や、多彩な食のとりくみとミニ学習のセットで、産直運動の役割や魅力を知らせ、仲間を迎えましょう。とりわけ、若い世代に産直運動を大きく位置づけましょう。
○共同の力で政府にTPP交渉の経過を開示させ、TPP交渉からの撤退と日米2国間並行協議の譲歩案撤回を迫りましょう。学校給食に地産地消など安全で豊かな国産食材の利用拡大を行政に働きかけましょう。
○遺伝子組み換えや食品添加物の危険性について学び、トランス脂肪酸の表示や規制を求める署名にとりくみましょう。
新婦人と農民連が応援する産直運動あらたな共同目標
1、生産者は安全を最優先して鮮度のよいおいしい農畜水産物を届け、消費者は食べることで、日本の食料と農業、食文化、家族の健康を守りましょう。
2、お互いに顔とくらしが見える交流を大切にし、生産が成り立ち、後継者が育つ産直運動をめざしましょう。
3、お互いの組織の発展に貢献する産直運動をめざし、定期的な協議をおこないましょう。
4、産直運動を通して、「農政改革」・TPP参加反対、原発ゼロ、再生可能エネルギー普及のとりくみを広げ、食料主権、大災害復興、温暖化防止、みんなが輝く持続可能な循環型の地域社会をめざしましょう。原発事故による生産基盤と食の安全・安心の回復のため、国、電力会社の責任を果たさせましょう。
⑥大震災復興と防災、原発ゼロ、温暖化対策を求めて
各地の豪雨、豪雪、竜巻、噴火災害に、全国から被災者への募金、被災会員・読者への救援基金にとりくみ、防災ウオッチングの結果で自治体に要請した班も生まれています。3・11いっせいアクションは、復興支援バザーや宣伝・署名行動、リレートーク、共同での集会など多彩におこなわれました。各地で復興支援募金やツアー、原発再稼働反対・廃炉を求める署名、九電川内原発や四国電力伊方原発をはじめ再稼働反対の共同、電気料金値上げ反対などにとりくみました。全国でも温暖化対策署名や福島署名をすすめ、福島では19歳を超えても甲状腺治療の医療費無料を実現しています。
○再稼働反対「私は言いたい!」カードで原発ゼロへの決断を政府に迫り、電力会社、自治体にも発信しましょう。引き続き全国の署名と地域の署名を広げます。環境破壊を招く巨大開発のリニア中央新幹線計画に反対します。国民の声を反映した電力システム改革、再生可能エネルギー重視の地域づくりをすすめましょう。
○被災地への支援活動をすすめ、被災者生活支援法の支援金500万円への引き上げ、地震・火山国にふさわしい抜本的な対策・体制を求めましょう。
○ハザードマップでのおしゃべり、防災カフェやウオッチングで、避難所の耐震・備蓄、避難路、避難訓練や防災教育など心配なことを出しあい、自治体へ要望しましょう。
(3)「私が選ぶ!」選挙をみんなで
2014年末の総選挙や15年春のいっせい地方選挙の党派別選挙で、「これからのエチケット」(創立時の羽仁説子さんの言葉)を大切に、「私の願い」と政治や政党、支持政党や議員も自由に語りあい、各地の首長選挙でも、新婦人しんぶんや紙芝居、シール投票などを活用し、班や小組でのおしゃべり、対話・宣伝で、女性の確かな選択を広げてきました。
〇18歳選挙権実施をチャンスに、選挙の大切さについて家庭や学校、地域、社会で議論をまきおこしましょう。
○参議院選挙、衆議院選挙で、戦争法廃止の新しい政府の実現を、野党は選挙協力をと、とりくみましょう。党派別選挙は、会員の政党支持と政治活動、後援会活動の自由を保障します。
○首長選挙では、新婦人も参加する「○○の会」が推す候補者や要求で一致できる候補者を支持し、活動します。
4、若い世代へ平和のバトンつなぐとき、並走さらに
戦争法案反対で初めて声をあげ、デモや集会に参加し、行動する若い女性たちが各地で生まれ、新婦人との出会いが広がっています。第26回全国大会の”若い世代ステージ”が都道府県本部大会、支部大会でも学ばれました。平和の交流会議やブロック会議などの全国会議に若い世代の参加を位置づけ、ニューヨーク行動や原水爆禁止世界大会にも派遣しました。被爆の実相と被爆者の思い、世界との連帯にふれたことが、平和を守る決意と行動につながっています。
DVD「キラキラ・つながる・新婦人ー親子リズム、やりたいことなんでも」(キラキラDVD)をみたところでは、幼稚園リズム、クッキング、コスプレなど多彩な小組がつくられ、教科書カフェや憲法カフェも広がりました。新婦人しんぶんや『月刊女性&運動』、「新婦人通信」での若い世代特集が歓迎され、今こそ並走をと委員会で学ばれました。委員会に若い世代を迎えた県や支部では、支部や班でチームや柔軟な集まりがもたれ、子ども医療費助成、保育・学童の待機児、保育所・幼稚園の統廃合、中学校給食などの運動も活発にとりくまれています。若い世代の発想と力をいかし、新婦人ミニ講座の開催、若い委員が足を運んで赤ちゃん・親子リズムの体験会を開き、班に小組を発足させた経験も生まれました。班に若い世代を3人以上迎える努力、また「若い人がいない」という悩みも、「並走へのステップ0から4」と段階に合わせた資料をつくってすすめている経験に学んで、まずはつながりを出しあってととりくみが始まっています。
〈「キラキラDVD」の徹底的な活用を〉
○若い世代、リズム交流会、委員会、班でも「キラキラDVD」をみて、とりくみの力にしましょう。どのとりくみもSNSを活用しましょう。
〈自分の思いで要求実現、「未来をつくるのは私たち!」〉
○仕事、平和、食、趣味など関心のあることでおしゃべりし、やりたいことなんでもと小組やカフェに、班や支部の力をかりて要求運動にとりくみましょう。柔軟な集まりやチーム、一品持ち寄り会など、工夫しましょう。若い世代のチームや小組でしんぶんタイムをとりましょう。
○いまこそ、次世代へ平和のバトンをつなぐチャンスとし、原水爆禁止世界大会への代表派遣をつよめましょう。
〈赤ちゃん、親子リズム小組を大切に、働きはじめてもつながって〉
〇新婦人のリズム体操の大切さを繰り返し学び、みんなで運営、自主的な活動を大切にしましょう。例会後、食べ物を持ち寄って交流、班会に誘うなど、班と小組をつなぐ活動をつよめましょう。
○リズムが終わっても、働きはじめても、新婦人でと、土曜開催の小組やカフェ、産直運動など関心や条件にあわせてとりくみましょう。
○新婦人と若い世代の出会いの場となる赤ちゃん・親子リズム小組づくりに挑戦しましょう。
〈班に3人以上、委員会に複数の若い世代を〉
○班・支部で、運動で知り合った人、あらゆるつながりを出しあい、アンケート、カフェや行動へのお誘いなどで、班に3人以上の若い会員を増やしましょう。
○支部、県の委員会に複数の若い世代を迎えましょう。委員会は、会議日程など柔軟な体制、運営を工夫しましょう。新婦人ミニ講座や新婦人学校、『委員会活動の手引き』『班活動の手引き』で学ぶことを大切にしましょう。
5、女性のメディア新婦人しんぶんを読んで増やして
女性のメディア、会の機関紙として新婦人しんぶんは、「視野が広がる」「暮らしと活動のヒントがいっぱい」と親しまれています。集まったらまずしんぶんタイムをと、班会や小組、委員会で読み、紙面を通じてカフェやレッドアクションを広げる力になっています。紙面が関心と共感をよび、知り合いや宣伝・署名行動で出会った女性たちとミニチラシやしんぶんで対話し、会員や読者に迎えています。
班会や配達集金ご苦労さん会で、配達集金の現状や悩みも出しあい、「それなら私も」と配達者が増えています。若い人などの力を借りて、しんぶん仕分けや部数管理などの実務を分担、機関紙部の部員に迎えて機関紙部を確立し、読む活動や独自ふやしを大事にする支部も生まれています
〈あらゆる活動の中心に、みんなで配達集金〉
○班会や小組、委員会などどこでもしんぶんタイムをとり、1分間スピーチなどで交流し、活動にいかしましょう。
○「いいしんぶん」と思う人から「読んでみて」とすすめたり、「あなたも増やして」と声をかけ、みんなで増やしましょう。
○班にしんぶん係をおき、読者名簿や配達ルート表やマップを整備しましょう。班会や班の集まりでみんなに訴え、配達集金を分担しましょう。
〈機関紙部の活動つよめて〉
○機関紙学校や係会議を開き、『機関紙活動の手引き』を使ってしんぶんの役割や機関紙活動について学びましょう。とりわけ若い世代の参加で県・支部に機関紙部を確立し、確実な実務とともに、読む、増やす、配達集金活動の総合的な活動をすすめましょう。
6、今こそ大きな新婦人へ、委員会活動の強化を
「私の町でもレッドアクション」「自治体決議を」と委員会が先頭に立って、戦争法案反対の運動を切り開いてきました。2020年へ大きな新婦人になろうの呼びかけに、組織基本調査結果も引き寄せ、各世代が並走できる今こそ中長期の展望を持って活動をと話し合われています。前進のカギは班活動にあると、〈5つのポイント〉で援助を強めています。
この2年間、新たに委員会特別講座の内容を加えた新婦人学校「歴史」編が意欲的に開催され、全支部、全委員対象にこだわった県もありました。会の歴史、運動と仲間づくり、組織のなりたちなど基本を学ぶことが力となり、班援助をつよめて班が目標を持ち、史上最高をめざす支部も生まれています。
激動する情勢と女性たちの変化のもと、9000の班が1人と2部を増やそうとの呼びかけは、積極的に受けとめられました。毎月19日~25日「全国連帯仲間づくり期間」や独自の行動日を呼びかけ、仲間づくり行動に参加する班や会員を広げています。
2回の全国ブロック会議、県・支部主催の班交流会やブロック会議での交流、『月刊女性&運動』の学習が力になっています。前進している支部の3つの教訓(別掲)がいっそう大切になっています。退職者や若い世代、「この分野なら」という会員を委員会に迎え、委員会の高齢化などから一歩ふみだした経験も出ています。
会費納入袋の「会費はこんな活動を支えています」で、会費の大切さが話し合われました。「財政の困難を解決するのは仲間づくりで」「食べて、学んで、美しく」ととりくみ、若い世代を半専従に迎えたり、支部事務所の新設や維持することに努力しています。
前進している支部の3つの教訓
①新婦人しんぶんや行動のなかで情勢や女性の要求をつかみ、運動や小組づくりにつないでいること
②会議で班の現状や経験を交流し学び合い、班とともに行動していること
③支部ごとの新婦人学校などで歴史や役割の大切さを学び、仲間づくりにこだわっていること
①班とともに行動、仲間づくりの推進
○会員やまわりの女性の願いを機敏にとりあげて要求実現の先頭に立つ、班を日常的に援助するという2つの役割を果たす委員会をめざしましょう。班に出かけ、要求や悩みを聞き、いっしょに考え、行動しましょう。班活動交流会やブロック会議、班長会の開催、ニュースの発行などを大事にします。
○どの支部、県も2020年へ仲間づくり目標をもち、女性有権者比、小学校区に班づくり、1ケタ班を2ケタ班に、市町村に支部づくり、若い世代を○割になどの計画を持ち、19 日~25日「全国連帯仲間づくり期間」や独自の行動日を決めるなど毎月前進して目標を達成しましょう。
○委員会の2つの役割を果たすためにも集団を大きくし、複数の若い世代や退職者を委員や常任委員に迎えましょう。特技や専門性をいかした専門部やチームづくりをすすめましょう。『委員会活動の手引き』を活用します。
②新婦人学校、『月刊女性&運動』を広げて
○新婦人学校は現在の内容に合った名称に変え、「新婦人の歴史と活動」編は、支部単位でも開いて支部委員以上は必ず受講しましょう。「女性史と運動」編は、都道府県本部で定期に開き、希望する会員にも参加をよびかけましょう。『新日本婦人の会の50年』を学びましょう。
○内容を充実させ、購読料も下げた『月刊女性&運動』(年間3600円)をいっそう普及し、委員会での日常的な活用をつよめましょう。
③財政活動つよめて
○活動に必要な財政をみんなの力で生み出していることを確信にし、納入袋を活用し、会費やしんぶん代が毎月きちんと納入されるよう努力しましょう。仲間づくりへの挑戦で財政を確立しましょう。
○カンパ活動は、一人ひとりの自主性を大切にし、さまざまな運動や署名活動と結んでとりくみましょう。被災者救援募金と救援基金にとりくみましょう。
7、国際活動
「北京+20」として2015年3月に開かれた第59回国連女性の地位委員会(CSW)へ文書提言や代表派遣で、平和とジェンダーの視点から日本女性の実態と運動を発信しました。第12回、13回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議に参加、ニューヨーク行動では3回目となる女性交流会を開きました。
○平和とジェンダー平等の前進をめざし、国際連帯をさらにつよめます。日本軍「慰安婦」問題の解決へ、女性の共同をすすめます。
○CSWなど重要な国際会議への参加、2016年2月の国連女性差別撤廃委員会による日本報告審議に向けた活動にとりくみます。
【特別決議】
憲法と民主主義、地方自治を守り、戦争法廃止、沖縄・辺野古新基地建設阻止へ、力をあわせましょう
安倍政権が多くの国民の声にいっさい耳を貸さず、憲法違反の戦争法を強行してから2ヵ月。武器の調達・輸出・共同開発を推進する防衛装備庁の発足(10月)につづき、11月には日米軍事協力のガイドラインにもとづき米軍と自衛隊を一体化させ、日本政府を丸ごと戦争に動員する常設機関の設置・運用を米政府と合意しました。安倍首相は南シナ海への自衛隊派兵を「検討すべき」と答弁しています。これらすべてが先の安保国会で大問題になったことばかりです。平然と立憲主義をふみにじり、憲法違反を重ねることはぜったいに許されません。
沖縄・辺野古新基地建設でも、安倍政権は強権で襲いかかっています。翁長(おなが)県知事による埋め立て承認取り消しに対し、その効力停止、「代執行」に向けた裁判手続きをとり、工事を強行しました。東京から派遣した警視庁の機動隊が非暴力の人びとを力ずくで排除している姿も、国家権力による無法、暴挙以外の何ものでもありません。
安倍政権は、憲法53条による野党の臨時国会召集の要求を不当にも拒否しています。秋に国会を開かない政権は過去にありません。それは、彼らの弱さのあらわれであり、国民の批判を恐れているのです。
こうした安倍政権のもくろみに反して、日本中で新たな怒りと運動がわきおこっています。どの世論調査でも戦争法反対は5~6割にのぼっています。戦争法廃止、立憲主義を取り戻すための国民連合政府の提案が歓迎されています。新婦人も参加する「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が「戦争法の廃止を求める統一署名」2000万を集めようと呼びかけたことも運動の大きな広がりをつくりだしています。「新基地はぜったいにつくらせない」との公約をつらぬく翁長県知事を先頭に、沖縄県民と本土が結束したたたかいは広がり、12月初旬にも新基地建設阻止の「オール沖縄会議(仮称)」が結成される運びです。
大企業とアメリカ政府いいなり、暮らし破壊と大軍拡をすすめる安倍政権はただちに退陣を!
戦争法の強行や、破綻(はたん)したアベノミクスから国民の目をそらそうと、安倍政権が「一億総活躍社会」を掲げた「新3本の矢」を打ち出して1ヵ月半。国民の暮らしはますます深刻さを増しています。
パートや派遣など非正規労働者の比率が初めて40%を超え、保育料は「9月から3万円も上がった」など、各地で値上りしています。財務省は国立大学の授業料を大幅に上げる方針を打ち出しました。介護報酬の大幅引き下げで1割近い小規模事業所が次つぎつぶれています。日本中から「生活できない!」の悲鳴が上がり、安倍政権への怒りがさらに広がっています。
一方、大企業の経常利益は史上最高の37・4兆円にのぼっています。大企業の実際の法人税負担率は優遇税制のために驚くほど低いのにさらなる引き下げをもくろんでいます。OECD(経済協力開発機構)が消費税率10%への増税で日本の成長率は急減速すると警告していますが、「軽減税率」の言葉でごまかし、あくまでも強行しようとしています。TPP交渉の「大筋合意」は、交渉全品目の95%の関税撤廃で妥結しながら、「国益を守った」と胸を張っているのが安倍政権です。軍事費は毎年史上最高を更新し、来年度概算要求は5兆円を超えています。原発問題でも地元県民と国民の声を無視し、福島の原発事故も収束しないまま九州電力川内原発につづき、来年にも四国電力伊方原発の再稼働をねらっています。国民の暮らしを壊しながら、これほどの財界・大企業優遇、アメリカいいなりの政治があるでしょうか。
安倍政権の暮らし破壊の大暴走を許すわけにはいきません。子育て世代が集団で保育料値上げの不服申請に立ち上がり、元の保育料に戻させ、高齢者も年金削減に反対するなど生活をかけた運動が各地で広がっています。戦争法廃止とともに、各分野からのたたかいを大きく合流させ、一日も早く安倍政権を退陣させましょう。
2015年11月15日
新日本婦人の会第27回全国大会