2025年2月21日 国際活動

【抗議】核兵器禁止条約第3回締約国会議への不参加の決定につよく抗議し、撤回を求めます

 

日本政府は2月18日、核兵器禁止条約第3回締約国会議にオブザーバー参加しないことを決定しました。新婦人は、戦後・被爆80年の今年こそ、核兵器禁止条約に参加を、せめて締約国会議にオブザーバー参加をと繰り返し求めてきました。被爆者と私たち市民の願いにも、国際社会の期待にも背を向けたこの決定に抗議し撤回を求める抗議文を、石破首相と岩屋外務大臣あてに送りました。

 

 

2025年2月21日

内閣総理大臣 石破 茂様
外務大臣   岩屋 毅 様 

 

核兵器禁止条約第3回締約国会議への不参加の決定につよく抗議し、撤回を求めます

 

新日本婦人の会会長
米山 淳子

 

 日本政府は2月18日、アメリカ・ニューヨークの国連本部で3月3日から開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加を見送ると表明しました。戦後・被爆80年の今年こそ、核兵器禁止条約に参加を、せめて第3回締約国会議にオブザーバーで参加をと繰り返し求めてきた被爆者、私たち市民の願いを踏みにじり、国際社会の期待にも背を向ける決定に、怒りを込めて抗議し、撤回を求めます。

 昨年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、ノーベル平和賞を授与されました。みずからの痛苦の「体験をとおして人類の危機を救おう」と、被爆証言と核兵器廃絶への運動によって核兵器使用の「タブー」 をつくってきたことを称え、その核のタブーが脅かされる現状への警告として、被爆80年を前におくられたものです。この受賞は、「核兵器のない世界」を願う国内外の市民に勇気と希望を与え、「人類と核兵器は共存できない」「核兵器による安全保障という考え方はまちがっている」という被爆者の訴えが、これまで以上に共感を持って受け止められています。

 石破茂首相は一貫して核抑止力を重視し、先の日米首脳会談でも、アメリカの核兵器などによる「拡大抑止のさらなる強化」を打ち出しました。その上で今回、岩屋毅外務大臣は核兵器国が参加していないもとでは「核軍縮の進展はむずかしい」と、締約国会議そのものを否定し、「核による拡大抑止は不可欠」と言い切りました。核兵器使用の危険がかつてなく高まる今、核抑止力の幻想から脱して、核兵器禁止条約を通じて核兵器廃絶へと進むべき時に、核兵器の非人道性を誰よりも知っている日本がアメリカの核の傘にしがみつき、「核のタブー」をこわし世界を危険にさらすような行動をとることは、絶対に許されません。

 締約国会議に参加して、唯一の戦争被爆国、戦争放棄の憲法を持つ国にふさわしい役割りを果たすよう、重ねて求めます。

 

 

以下からPDFでダウンロードできます。

抗議文 核兵器禁止条約第3回締約国会議への不参加の決定につよく抗議し、撤回を求めます

 

 

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