2013年12月19日 声明・談話・要請など

【要請書】事実上の「国定教科書」をめざす教科書検定基準改定をしないでください

新日本婦人の会は、女性の権利と子どもの幸せ、平和のために活動している国連NGO の女性団体です。政府による教科書検定介入に反対し、「歴史の真実を子どもたちに伝えたい」と長年、運動してきました。
11月15日、下村文科相が記者会見で教科書検定基準の見直す方針を明らかにし、22日には教科書検定審議会に検定基準の改定について審議を要請し、早ければ来年1月の改定をめざすとの報道に、非常に危機感を覚えます。
検定申請時に教科書会社が提出する書類には「教育基本法の目標をどのように具現化したかを明示」させ、「検定基準」では、社会科の教科書について政府の統一見解や確定した判例に基づいた記述にする条項を新設すること、さらに「教育基本法の教育目標等に照らし、重大な欠陥がある場合」は不合格とすることを明示するなど、国の意向に沿った事実上の「国定教科書」化を狙ったものと疑わざるをえません。
例えば、第一次安倍政権は、「慰安婦」の強制連行はなかったと閣議決定しましたが、これを政府見解として書かされることにつながるのではないでしょうか。原発推進の政府のもとでは、原発の危険性などを批判することは書けず、「原発安全神話」を書くことを強制されかねません。このような事態になれば、どの教科書も同じような内容となり、事実上、「国定教科書」と同じになる危険性があります。
戦前・戦中、教育勅語と国定教科書によって国家のために命を投げ出すよう臣民として教育されてきた苦い歴史があります。再び、教育によって戦争できる国・人づくりを進めることは、絶対許せません。教育は教職員や学校の自主性が尊重され、教育の自由が保障されており、国や行政、首長による介入・統制はなじみません。憲法と子どもの権利条約の視点にたった教科書制度をのぞみ、以下、強く要請します。
 
【要請文】事実上の「国定教科書」をめざす教科書検定基準改定をしないでください

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