新日本婦人の会中央本部
安倍政権の与党である自民・公明両党などは7日、日豪両首脳間で7月に署名した日豪EPA(経済連携協定)を十分な国会審議もないまま批准しまし た。同協定はオーストラリアへの自動車関税の撤廃と引き換えに、同国の広範な農林水産品について日本市場への関税の撤廃・削減を認め、特に牛肉、乳製品の 大幅な関税削減、関税割り当てを容認しました。いまでも飼料高騰などで経営難にあえぐ日本の酪農・畜産農家をさらに苦境に追いやり、壊滅的な状態に追い込 むもので強く抗議します。
同協定の交渉に当たっては2006年12月、衆参両議院の各農林水産委員会で、「米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農 林水産物の重要品目が、除外又は再協議の対象となるよう」交渉することを求め、「我が国の重要品目の柔軟な取り扱いについて十分な配慮が得られないとき は、政府は交渉の継続について中断も含め厳しい判断を持って臨むこと」と決議しました。しかし協定は同決議を反故にするだけでなく、TPP(環太平洋連携 協定)交渉に向けた国会決議の形骸化を招き、現在続けられている交渉で米国など参加国からいっそう日本の譲歩を迫られる要因となります。こうした点でも日 豪EPAは食料主権を脅かす協定であり、到底認められません。世界的な異常気象や人口増加のなか、各国での食料増産が求められています。政府は日本の農業 を窮地に陥れるのではなく、自国の農業を応援することこそ求められます。
新日本婦人の会は重ねて日豪EPAの批准に抗議するとともに、同協定に続くTPP交渉からただちに撤退することを強く要求します。
日本農業を窮地に陥れる 日豪EPA(経済連携協定)の批准に強く抗議します