新日本婦人の会会長 笠井貴美代
本日、九州電力は川内原発1号機の再稼働を強行しました。鹿児島県民の約6割が反対し、30キロ圏内9自治体が住民説明会の開催を求めているにもかかわらず、いっさい応えず強行したことは、断じて許されません。満身の怒りをもって抗議するとともに、ただちに停止させることを求めます。
安倍首相は原子力規制委員会が福島原発事故後、新たにつくった「規制規準」で審査し、「適合」と認めた原発は再稼働させると公言しています。しかし、規制委員会の「規準」は、「適合」といっても安全を保証したものでないことは、田中委員長自身が繰り返し認めています。
川内原発1号機は、稼働して30年以上過ぎた「高経年化」した原発であり、160キロ圏内に爆発的噴火を繰り返している桜島や口永良部島など39もの火山が連なり、桜島は今年672回も噴火しています。巨大なカルデラ噴火の可能性も否定できません。専門家から「規制規準」の噴火対策の不十分さが厳しく指摘されています。地震や津波などが引き金となり、原発が大事故を引き起こせば、広範な地域で長期にわたり被害が続くことは東京電力福島第一原発事故で証明ずみです。
一番重要な住民の避難体制は自治体まかせ、避難困難者は現場対応だけでは無理です。九州電力は、30キロ圏内9自治体の住民説明会の開催や再稼働について自治体の要請に誠実に応えていません。県内だけでなく周辺の熊本県や宮崎県内の自治体からも住民説明や住民の同意を求める意見書が相次いでいるのに、政府も九州電力も耳を傾けていません。電力会社がユーザーの住民の声も聞かず、命の不安にも応えない、こんな横柄で社会的ルールを守らない態度は許されません。
福島第一原発事故で明らかなように、技術的に未完成で事故の発生を完全に防げない原発は運転すべきではありません。福島原発事故をめぐり、東電の元会長ら3人を起訴するよう責任を厳しく問う東京検察審査会の決定は、事故が発生すれば、取り返しのつかない重大なものになると指摘するとともに、「万が一」に備えることが「重要な責務」と指摘しました。九州電力は、この指摘に応えるべきです。
猛暑でも電気は足りています。電力会社は黒字です。政府は川内原発1号機をただちに停止し、原発ゼロを決断し、世界で主力となっている再生可能エネルギー中心に転換すべきです。
九州電力川内原発1号機の再稼働に断固抗議し、ただちに停止させることを求めます