年代も性別も職業も超えて自らの意思で、連日、国会周辺を埋め尽くし、全国各地で無数のデモや集会を繰り広げる国民の声にいっさい耳をかさず、9月19日未明、安倍政権と自民・公明両党は参議院本会議で憲法違反が明白な戦争法案の採決を強行しました。安保特別委員会で地方公聴会の報告さえおこなわず、議事録に記録も存在しない暴力的な強行採決をはじめ、戦後の国政史に最悪の汚点を刻んだ蛮行に、命と平和をなによりも大切にする女性団体として、満身の怒りを込めて抗議します。
憲法第98条は、憲法は国の最高法規であり、その条規に反する法律は効力を有しないと規定しています。違憲の戦争法案は無効です。主権者は国民であり、権力者を縛る憲法の名において、ただちに戦争法を廃止するようきびしく要求します。
世論調査では、戦争法案は違憲あるいは反対と答えている人が5~6割、今国会での成立に反対が6~7割、政府は説明不足と8割の人が答えています。安倍首相自身、「国民の支持が広がっていないのは事実」と認めながら、「実施されるなかで理解は広がっていく」と開き直っています。これほど国民を愚弄する人物は、首相はもとより国会議員の資格もないといわざるをえません。
歴代の自民党政権が、戦争放棄と戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法第9条の制約上できないとしてきた集団的自衛権の行使や兵站(へいたん)活動、武力行使を、できると180度解釈を変更したのが、安倍政権の戦争法案です。
しかし、その「論拠」は、大多数の憲法学者、研究者、52すべての単位弁護士会と日弁連、歴代の内閣法制局長官、最高裁元判事や長官からことごとく憲法違反と断じられ、国会審議でも政府答弁は修正、撤回、謝罪を繰り返す、ずさんなものでした。立法の必要性として、安倍首相自身が母子のイラスト入りパネルを掲げて説明した「日本人輸送中の米艦防護」も、「ホルムズ海峡の機雷掃海」も、政府答弁で自ら否定するに至りました。秘密裡に戦争法案を先取りする自衛隊の暴走、日米軍事一体化の危険性も暴露されました。政府の判断一つで、いつでもどこでもアメリカの戦争に自衛隊を参戦させる法案の本質はいまや明らかです。
「だれの子どもも ころさせない」「憲法まもれ」「民主主義ってこれだ」「安倍やめろ」-立法クーデターを企てた独裁者・安倍首相とその政権、与党自民、公明両党を、女性・国民はぜったいに許しません。95日間の国会延長をしながら、最後まで追い詰められたのは彼らです。戦争法廃止、安倍政権退陣へ、広範な女性・国民とともに声を上げつづけ、国会周辺でも全国どこでもデモや行動を日常の文化にしていきましょう。解散・総選挙を求め、来年の参議院選挙でも、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す一点での国民連合政府の実現めざし、奮闘しましょう。
「憲法改悪反対、軍国主義復活を阻止します」「世界の女性と手をつなぎ、永遠の平和をうちたてます」を会の目的にかかげる新日本婦人の会は、会の存在意義にかけて、さらにたたかいの先頭に立つとともに、平和の仲間を大きく広げながら、11月14、15日の第27回全国大会を必ず成功させる決意です。
2015年9月20日
新日本婦人の会 第164回中央委員会
【特別決議】戦争法案の採決強行に満身の怒りを込めて抗議します! 戦争法廃止、安倍政権退陣、憲法と民主主義がいきる新しい政府を実現する歴史的たたかいへ!