2015年10月1日 ジェンダー平等

【抗議】菅義偉官房長官による「たくさん産んで国家に貢献して」との 暴言は許せません 速やかな辞任と罷免を求めます

新日本婦人の会会長 笠井貴美代


菅義偉官房長官が9月29日、テレビ番組の中で、有名俳優カップルの結婚に関し、「この結婚を機にママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』と言う形で国家に貢献してくれればいいなと思う。たくさん産んでください」と発言しました。これは、二重の意味でジェンダー平等に逆行し、女性の人権をふみにじる性差別暴言というべき重大な問題です。単なる「失言」として済まされるものではありません。菅官房長官の速やかな辞任と首相による罷免を求めます。
ひとつは、結婚=出産という考えが透けて見えることです。子どもを産む、産まない、いつ、何人産むなど、性と生殖に関する決定は、個人の自由であり、誰にも干渉する権利はありません。昨年東京都議会で問題になった、自民党都議による女性都議に対する「早く結婚しろ」「産めないのか」との発言と根は同じ、性の自己決定権の侵害であり、性差別にもとづく暴言です。
ふたつめに、「子どもを産んで国家に貢献」など、まるで戦前の「産めよ殖やせよ」政策のように、女性に出産を強制するものです。長官はそのような意図はないと弁明にやっきになっていますが、民主主義も立憲主義もふみにじって憲法違反の戦争法を強行し軍事化路線を突き進む安倍内閣の一員の発言であり、その危険な本質が露呈したものと言わざるをえません。
内閣官房長官は、日本のジェンダー平等推進のナショナルマシナリーを構成する男女共同参画会議の議長であり、男女共同参画推進本部の副本部長という任務を負っています。リプロダクティブ・ヘルス/ライツなど国際的にも確立している、性と生殖にかかわる重要な概念、人権意識が欠如している人物に、その任務は果たせません。
これまでも「女性は産む機械」などと暴言をはいた大臣が辞任に追い込まれています。「女性が輝く社会」「女性活躍」をいくら強調しても、ジェンダー平等や女性の人権にかかわる基本を理解していない人物は、長官失格です。重ねて、菅義偉官房長官の速やかな解任と罷免を強く求めます。
【抗議】菅義偉官房長官による「たくさん産んで国家に貢献して」との 暴言は許せません 速やかな辞任と罷免を求めます
 
 
 



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