安倍首相は3月15日、TPP交渉への参加を表明しました。先の衆議院選挙で自民党が掲げた公約を投げ捨て、あらゆる階層・分野、全国各地の自治体から上がっている「参加するな」の声を踏みにじり、米国や財界の要求につき従う暴挙を、私たち女性・国民は断じて許しません。
TPP交渉への参加で、食料自給率が大幅に下落するほか、食の安全、医療や雇用、環境など日本の国民生活のあらゆる分野にアメリカ基準が押しつけられ、日本の消費者運動や市民運動が長年きずきあげてきた独自の制度が壊されます。
安倍首相が「守るべきものは守る」と国民に何度くりかえしても、いったん交渉に参加したら「守るべきものさえ守れない」ことは明らかです。日米首脳会談で確認されたのは関税と非関税障壁の例外なき撤廃の原則であり、安倍首相自身、すでに合意されたルールは変更できないことを認めています。TPP参加は「大きなチャンス」どころか、日本をアメリカ多国籍企業の莫大なもうけの市場にし、日本の一部大企業がさらに利潤をむさぼるためのものです。
これほどあからさまに国民のいのちとくらしをこわし、国のあり方を変える政治が、日米同盟強化の名でおこなわれるなら、そのおおもとにある安保条約をなくすしかありません。
新日本婦人の会は、TPP交渉参加表明の撤回を求め、あくまでも参加を阻止するために、その危険なねらいを広く女性・国民に知らせ、さらに共同を広げるなど草の根から全力で奮闘する決意です。
2013 年3月 24 日 新日本婦人の会第 157 回中央委員会