6月12日、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長は、歴史上初の米朝首脳会談を行い、「朝鮮半島並びに世界の平和と繁栄に貢献」すると宣言しました。新日本婦人の会は、長く対立関係にあった両国が、平和へと踏みだす画期的動きとして心から歓迎します。一時は一触即発かという軍事緊張の高まりに、「戦争は絶対ダメ」との世界中の声と行動が大きな変化をつくりだしたことに、国連をはじめとした国際機関や各国政府も歓迎や支持を表明しました。
両首脳が署名した共同声明では、「新たな米朝関係の確立」「朝鮮半島における永続的で安定した平和体制構築への努力」「完全な非核化」「戦争捕虜・行方不明者の遺骨返還への協力」の4項目を合意し、敵対関係から「平和と繁栄」の新たな協力関係への転換に向けて「完全かつ速やかに履行する」ことを約束しました。また、4月に行われた南北首脳会談「板門店宣言」で、休戦状態にある朝鮮戦争を終わらせ、平和協定をめざすことへの支持も表明され、まさに平和に向かう歴史的出発点といえます。
安倍政権は、これまでも北朝鮮の脅威をあおり、「戦争する国」へ海外派兵や大軍拡を強行し、緊張激化を招いてきました。こうした圧力一辺倒路線の行きづまりが明らかとなり、敵対から非核と平和への転換が迫られているのです。日本政府には、「日朝平壌宣言」(2002年)、「6カ国協議の共同声明」(2005年)にもとづき、侵略戦争と植民地支配への真摯な反省のうえに、日朝国交正常化をめざす主体的な外交こそ求められています。拉致問題の解決もこうしたなかで、位置づけることが大切です。
新日本婦人の会は、アメリカの核戦略をはじめ、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発に反対するとともに、一貫して、対話による平和解決へ関係国が働きかけることを求めてきました。いま動き出した、非核化と平和体制構築に向けた両国と関係国による具体化とそのとりくみが、一歩一歩前進することを強く期待します。そして、朝鮮半島の非核化のためにも、核兵器禁止条約の発効へと大きく前進させる世論と運動が重要です。一日も早く安倍政権を退陣に追い込み、改憲を許さず、9条が輝く核兵器のない平和な日本と北東アジアをつくるため、引き続き、安倍9条改憲No!3000万署名とヒバクシャ国際署名の平和の2署名の目標達成へ全力をあげます。