新日本婦人の会は長年、食の安全・安心を願い、表示制度の充実を求めて行動してきました。
食品表示について私たちは「加工食品の原料原産地表示」や「遺伝子組み換え表示」「食 品添加物表示」の拡充を一致して求め、消費者庁が春に実施した意見募集でも、「原則とし てすべての加工食品に原料原産地表示の表示義務を課すべき」という意見が最も多く寄せられています。ところが消費者庁が 8 月 9 日発表した「食品表示一元化検討会報告書」では、これらの消費者の願いが反映されていません。
報告書は全体的に、表示の簡素化や“コスト負担”を強調する事業者の意見に重きが置かれており、検討会のあり方や消費者庁の姿勢が問われます。消費者の要求が先送りされたの は、政府によるTPP(環太平洋経済連携協定)参加促進と歩調を合わせたものではないかと危惧します。
消費者庁は来年の通常国会にむけ、法案作成をすすめるとしています。食品表示のあり方 は消費者にとって健康やいのちにかかわる非常に重要な問題であり、大きな関心事です。十分な周知も論議も尽くされないまま、拙速に法案を提出することは慎むべきです。また「食品表示一元化」によってこれまで築き上げられた表示制度を後退させてはなりません。消費 者の意見を尊重し、反映させた法案にするため、私たちは法制化で次の点を求めます。
- 議論を継続し、拙速な法案提出はしないこと
- 「消費者の知る権利、選択する権利、意見が反映される権利」を明記すること
- すべての加工食品(中食、外食も含め)に「原料原産地表示」を義務付けること
- 「遺伝子組み換え表示」は飼料も含め、現行の表示基準をEU並みに引き上げ、表示すること
- 添加物の一括表示をやめ、物質名と使用目的を明記すること
- 製造年月日を表示すること
- 監視体制を一元化し、充実させること
- 事業者への罰則規定を強化すること
以上