2019年6月14日 ジェンダー平等

【要請文】妊産婦に対する医療費加算ではなく、 国の助成制度創設で無料にすることを求めます

新日本婦人の会は6月14日、【要請文】「妊産婦に対する医療費加算ではなく、国の助成制度創設で無料にすることを求めます」を厚生労働大臣へ送付しました。


厚生労働大臣 

根本 匠 様

 

 

妊産婦に対する医療費加算ではなく、国の助成制度創設で無料にすることを求めます


 2019年6月14日
新日本婦人の会

 

 

 新日本婦人の会は、創立以来57年間、暮らしと平和、子どものしあわせ、女性の地位向上をめざして活動し、子どもの医療費無料化を国の制度でと、草の根から運動を広げている国連NGOの女性団体です。

 現在、少子化、人口減少が大きな社会問題となり、安心して子どもを産み、育てられる環境の整備、子育て支援施策の一層の充実が求められています。内閣が発表した「骨太方針」(原案)にも、「総合的な子育て環境の整備を図り、少子化対策を強化」し「『希望出生率 1.8』の実現を目指す」「若年妊婦等への支援、産後ケアの充実」「妊産婦の負担に配慮しつつ、診療の質の向上を図る」「成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進する」と明記されています。子育て支援の観点から子ども医療費は、就学前児童について2割に軽減する措置が取られています。

 いっぽう、妊婦加算は国の助成がないままでは、妊娠中の医療費の本人負担を増やすことになり、少子化を重要課題としている国の方針にも反するものです。2018年4月に導入された妊婦加算が、多くの国民の批判を浴びたのはこの点です。今年1月に凍結となり、今月6日、厚生労働省の有識者検討会が意見書をまとめましたが、その内容は「加算の必要性を認める」とし、窓口3割負担という高額な医療費をそのままにしたもので、何らこの間の批判に応えていません。患者本人の負担を増やすことをそのままにすることは、到底許されるものではありません。

 出生率は1.42と3年連続で低下し、出生数も91.8万人と過去最少となり、人口減少はいよいよ深刻です。妊娠・出産に係る負担を軽減し、だれもが安心して子どもを産み、育てやすい環境を整えることは人口減少に歯止めをかける第一歩です。自民党厚労部会においても、「妊婦に負担を生じさせない措置を講じるべき」との議論があり、「厚労省も助成制度を検討」との報道もされています。

 妊婦加算を国の責任で無料とし、患者負担を増やすことのないよう要望します。


 

※データは以下よりダウンロード可能です。

妊産婦に対する医療費加算ではなく、国の助成制度創設で無料にすることを求めます

 

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