2019年7月13日 2019参議院選挙

安倍9条改憲を許さない!大争点に

 

安倍首相は、参院選の第一声で改憲を争点にたたかうと公言しました。

自民党公約の六本柱の一つに

 自民党は参院選公約の六つの柱の一つに「憲法改正を目指す」と大きく掲げ、自衛隊の明記など4項目の改憲案を提示。安倍首相は2020年に新憲法を施行するという目標を掲げ続けています。もし参院選で改憲勢力が伸びれば「議論を進める理解を得た」と、改憲発議と国民投票の実施へ一気に突き進むねらいです。
 安倍首相は「憲法を議論する政党か、しない政党かを選ぶ選挙だ」と争点そらしをしていますが、憲法の真の争点は、安倍首相による9条改悪を許すかどうかです。

 

 トランプ「安保」発言の真意 9条改憲でともに戦う自衛隊に

 「憲法への自衛隊明記」の危険なねらいをはっきり示したのが、最近のトランプ米大統領の発言です。
 「米国が攻撃されても日本は戦う必要がないという安保条約は不公平、変えなければいけないと半年前に安倍首相に伝えた」と言うのです。これは、中東をはじめ地球規模で展開し、各地の紛争に軍事介入する米軍が攻撃されたとき、日本の自衛隊も肩を並べて一緒に戦えというアメリカの年来の要求です。安倍氏が幹事長時代の対談本で語った「軍事同盟は『血の同盟』」との主張と一致します。
 安倍首相は、このことを党首討論で指摘されると、いまは集団的自衛権行使を全面的にはできないと繰り返し答弁。だからこそ、自衛隊を憲法に明記して、9条2項(軍隊をもたない、交戦権は認めない)を死文化し、自衛隊を米軍とともに海外で戦争する軍隊にしたいのです。
 また、憲法に明記する自衛隊の行動は「法律で定める」としていることも重大です。これまで憲法に縛られてきたのとは違い、ときの政府と国会の多数党が法律をつくれば、自衛隊は無制限の武力行使が可能になります。
 自衛隊員が殺し殺される軍事国家への道、9条改憲をぜったいに許してはなりません。

 

 憲法審査会で議論すべきというけれど

 「野党が憲法審査会での憲法論議に応じない」「それぞれの案、考え方を持ち寄って、憲法審査会で改憲案の議論に入るべき」(自民)、「本気で憲法審査会の開催を」(維新)など、自民や維新は、まるで改憲論議の土俵に乗らない野党が悪いかのように繰り返し宣伝しています。
 しかし、衆参両院の憲法審査会は、憲法の一般的な議論をする場でも、憲法改定の是非を議論する場でもありません。「憲法改定原案を発議する場」(国会法102条)なのです。
 この間の世論調査でも、安倍政権のもとでの改憲に「反対」が多数で、参院選で重視したい政策や争点についても「年金など社会保障」が最も多く、次いで「景気や雇用」「子育て支援」などです(図)。国民が望んでもいない改憲のために、憲法審査会を動かす必要はありません。

 

 

 憲法9条を生かす野党の前進でこそ

 米朝首脳会談が再開され(「談話」参照)、対話によって朝鮮半島の非核化と平和の体制をつくろうとの流れを関係国が後押しすることが大切なとき、安倍首相はG20でも韓国大統領との会談を拒み、一方的に輸出規制をするなど異常さが際立っています。本来、日本こそ、憲法9条にもとづく外交努力で積極的役割を果たすべきです。
 いま日本の社会に求められていることは、改憲ではなく、憲法の理念、条項を生かした政治に変えることです。
 野党の共通政策の第一に掲げたのは、「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』、とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす」ことです。参議院選挙では改憲勢力に審判を下し、安倍首相もろとも改憲策動を葬り去りましょう。

新婦人しんぶん2019年7月11日号 2面より

 

 

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