東電や資源エネルギー庁の説明に、新婦人の笠井貴美代会長は「県議会が県内の全原発廃炉を決議しているのに、福島第二原発再稼働を前提にした値上げには驚く、納得できない」など、発言しました。「東電の値上げ、中身を知れば知るほど不信が募る」と、参加者は集会決議を採択。TBSテレビなどが放映しました。
【集会決議】
私たちは納得のできない 電気料金値上げを許しません!!
東京電力福島第一原発事故はまったく収束していません。福島県内の被災者、ひいては全国民がこの原発事故に起因する放射性物質への不安に苦しめられている現状は、事故発生直後から変わっていません。
しかしながら、東京電力は福島第一原発事故の責任を自覚することなく、経営者が関 連企業などへの異動によって新たな立場を得ている現状は、被害者をかえりみず、事故の責任をあいまいにするものであり、まったく理解できません。
東京電力は「総合特別事業計画」が認められたことを受け、5月11日に国に電気料金の値上げを申請しました。私たち消費者は今回の値上げは容認できず、強く抗議する ものです。
火力発電所で使用する燃料費の増大を値上げの理由とするならば、東京電力は燃 料費の原価、購入時の商社との契約書など、燃料購入に係る資料をすべて開示し、私たちに説明しなければなりません。
そもそも東京電力は、柏崎・刈羽原子力発電所再稼動を前提としているばかりか、稼動の見込みのない原発の減価償却費までも原価に含めて申請しています。
また、原発再稼動の基礎的データとされている想定電気量ピークは、算出の根拠が 明らかでなく納得ができません。
さらに料金原価には、他の電力会社からの原子力発電所電力購入費、福島第一原 発1~4号機に係る安定化費用と賠償対応費用などを含めていますが、これらの費用は電気料金値上げの根拠にはなりません。
また、人件費、福利厚生費などの削減率は不充分であり、破綻状態にあるといわれた企業としては、コスト削減等の合理化はまだまだ足りないと言わざるを得ません。
そして、電気料金算定の基礎として用いられる「総括原価方式」には、含むべきコストとして適当でない項目が盛り込まれていることは明らかです。
私たち消費者は、現状では電気事業者を選択して電気を買うことはできません。それ にも関らず、わかりやすい説明のないままに行われた今回の申請は一方的なものであり、受け容れることはできません。
東京電力に対しては、値上げの申請を行ったことを抗議し、申請撤回を求めます。
あわせて政府に対しても、「総括原価方式」の見直しを進めること、並びに、電力システム改革を早急に進めることを求めます。
そして私たちは、申請に対する抗議と、原発に頼らない暮らしへの決意をこめて、全国 の消費者に、節電やアンペア・ダウン運動などの行動を呼びかけます。
2012年7月4日
東京電力の電気料金値上げに抗議する緊急集会
参加者一同