新日本婦人の会は1月7日、【要請】緊急事態宣言の発出にあたり、 国の責任による補償と社会的検査などの抜本対策を求めます を内閣総理大臣らに送付しました。
内閣総理大臣 菅 義偉 様
財務大臣 麻生太郎 様
厚生労働大臣 田村憲久 様
経済再生担当大臣 西村康稔 様
文部科学大臣 萩生田光一 様
女性活躍担当・内閣府特命担当(男女共同参画)大臣 橋本聖子 様
緊急事態宣言の発出にあたり、
国の責任による補償と社会的検査などの抜本対策を求めます
2021年1月7日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
新型コロナウイルスの感染が「首都圏は爆発相当」(分科会)、全国的にも最多を更新するなか、政府は本日、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象に緊急事態宣言の発令を決定しました。
この間、菅政権は感染が増加するなか「Go To」事業を強行、国会を延長し対策を求める市民と野党、医療崩壊に直面する専門家・関係者ら現場の声に背を向け続けてきました。こうした政権の無為無策、科学を無視し、「自己責任」の押しつけによる人災との批判が高まっています。状況を深刻化させた政府の責任が厳しく問われています。
緊急事態宣言は、新型コロナウイルス対応の特措法にもとづくもので、昨年4月以来2度目となり、実効あるものとするために今度こそ、十分な補償と社会的検査をはじめ対策の抜本的強化が必要です。また政府与党が特措法を改定し、休業要請に応じない事業者への罰則を設けるとの報道もありますが、何よりも安心して自粛できる補償をすることこそ、感染防止策になることは明らかです。
新日本婦人の会は、コロナ感染が確認された当初から繰り返し、政府・関係省庁に対し、女性・国民の命と健康、雇用を守り、子どもたちの学びの保障など支援策の拡充を要請してきました。国民に負担を強いる緊急事態宣言の発出にあたり、あらためて現局面にふさわしい対応を急ぎ取ることを求め、以下要請いたします。
要請項目
1、自粛要請は十分な補償と一体を原則とする。持続化給付金や家賃支援給付金の継続と複数支給を行うこと。新型コロナ感染症対応休業支援金・給付金、雇用調整助成金の対象期間を2月以降も延長すること。国が行う支援や協力金などについて、迅速かつ丁寧に広報・説明をおこなうこと
1、小学校休業助成金が対象となる保護者に行き届くよう、個人申請化と期限延長を行うこと。12月末締め切り分もさかのぼって申請を受け付けられるようにすること。女性支援策としてもただちに実施すること
1、PCR検査を全国どこでも土日祝日を含め24時間相談・検査・治療が受けられる体制を、自治体・民間医療機関まかせにせず、国の責任で急ぎつくること。感染拡大地域にある、医療・介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校、学童クラブなどの従事者に対して、定期的なPCR検査など社会的検査を行うこと。PCR検査等への補助金を増額し、保険点数を引き上げるなど、相談・検査を実施する医療機関への支援を強めること
1.相談先をはじめ、検査、治療の流れを周知すること。医療機関や陽性者への風評被害防止を呼びかける情報を、あらゆる手段をつかって発信すること
1.減収に苦しむ医療機関・介護施設への財政支援をたたちに強め、地域医療・福祉を守ること。保健所等の人員と予算を大幅に増員して、専門的な感染追跡、クラスター対応など感染症の拡大防止、予防対策を抜本的に強めること
1、安心・安全の学校生活を守るため、学校で陽性が確認された場合は、PCR検査を濃厚接触者に限定せず、学校関係者(教職員、児童・生徒)全員の検査をすること。子どものたちの心身のケアのためにも、感染リスクを最小限に抑えるためにも、少人数学級の整備を前倒しにし、正規の教職員を増やすこと。大学入試センター試験での3密を避けるため、試験会場を増やし、1会場における受験者を少なくし、受験生への感染リスクを減らすこと
1、女性の貧困やDV、自殺などの深刻な事態にふさわしい支援や相談などジェンダー施策を抜本的に強化すること