新日本婦人の会は2月18日、【要請】新規感染者減の今こそ、大規模PCR検査をはじめ医療機関・介護施設等への支援強化、全労働者への同じ休業支援金支給など、国民の命と生活を守る対策を求めます を内閣総理大臣らに送付しました。

 

 

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内閣総理大臣 菅義偉 様
厚生労働大臣 田村憲久 様
文部科学大臣 萩生田光一 様
経済産業大臣 梶山弘志 様
経済再生担当大臣 西村康稔 様

 

 

新規感染者減の今こそ、大規模PCR検査をはじめ医療機関・介護施設等への支援強化、全労働者への同じ休業支援金支給など、国民の命と生活を守る対策を求めます

 

2021年2月18日
新日本婦人の会
会長 米山淳子

 

 

　11都府県の緊急事態宣言が3月7日まで延長されるなか、連日新型コロナウイルスの新規感染者数が減少との報道が続いています。しかし、それに伴うPCR検査の減少に、私たちは非常に不安を抱いています。この１年間、第１波も第２波も新規感染者数が減少した時に検査を抜本的に増やし、感染を抑え込まなかったことが今回の第３波と医療の逼迫、経済状況の悪化につながりました。

　新規感染者が減っているこの時期にこそ、PCR検査の抜本的強化に取り組み、医療、介護、障害者福祉、保育、学校などでの定期的検査によって、無症状感染者も含めた把握・保護の方針に舵を切るべきです。そして、地域の医療提供体制の確保と維持のために必死に奮闘するなか、患者減による減収や感染対策のために経済的打撃を受けている医療機関に対して、機能維持のための補填が急がれています。

　また、感染拡大で生活に困窮する人が相次ぐなか、特に非正規労働者の実態は深刻です。「受給の基準を満たしていても企業側が申請してくれない」「客観的に休業が確認されるのに不支給となる」との声も広がっています。厚生労働省は、今年1月8日以降の休業に対して「休業支援金・給付金」の対象に大企業のパート・アルバイトら非正規労働者を加えると発表しました。しかし、コロナの感染拡大によって多くの非正規労働者が職を失った昨春にさかのぼって中小企業と同率の休業支援金を支給し、困窮した生活の改善が求められています。加えて、昨年の一斉休校で仕事を休まざるを得なかった保護者への小学校休業等対応助成金も、企業等が申請してくれないことにより、減収に苦しむ親子から「なんとかしてほしい」との声が上がっています。政府が休校を要請したことにより仕事を休んで、減収した保護者に対しては支援策を講じる責任があります。　

　さらに、セーフティーネットの最後の砦といわれる生活保護も、実態は「権利だから、必要ならばためらわずに申請して利用できる」という制度にはなっていません。その大きな足かせである扶養照会が、実際に親族からの援助に結びつくケースは非常にわずかで、事務手続きも煩雑にさせるもので、ただちに運用の見直しが急がれます。

　感染拡大の押さえ込みの失敗と、それに伴う経済的な打撃は特に低所得層の収入の減少につながり、若者世代やひとり親世帯を直撃しています。子どもの自殺がコロナ禍の１年で急増しました。先に述べた対策とあわせて、抜本的な政策の見直しと支援策が求められます。

　以下、要請いたします。　

 

1、PCR検査の抜本的強化に取り組み、医療、介護、障害者福祉、保育、学校などでの定期的検査によって、無症状感染者も含めた把握・保護で感染の抑え込みと新規感染拡大を防いでください。

１、患者減による減収や感染対策のために経済的打撃を受けている医療機関に対して、十分な経済的補填を急ぎおこなってください。

１、生活の維持のために、申請条件を満たす労働者へ休業支援金を確実に支給し、大企業の非正規労働者にも中小企業と同じ８割補償を昨年４月以降にさかのぼって支給してください。

１、小学校等休業支援金を申請しない企業に勤務する保護者には、政府が責任を持って休校のための収入減への支援策を講じてください。

１、事務作業を煩雑にし、家族の関係性も壊しかねない生活保護の扶養照会はただちに運用を見直し、扶養照会を経なくても生活保護を受けられるようにし、廃止してください。

１、ひとり親家庭への支援や、若い世代への学費・生活面での支援、少人数学級の拡充、相談窓口の拡充、就学援助の周知徹底等子どもたちの命を守るためにあらゆる策を尽くしてください。