新日本婦人の会は、5月24日【要請】新型コロナワクチンの安全で迅速な接種、感染封じ込めのための抜本的対策をただちにとってくださいを内閣総理大臣らに送付しました。
内閣総理大臣 菅義偉 様
財務大臣 麻生太郎 様
厚生労働大臣 田村憲久 様
経済産業大臣 西村康稔 様
行政改革担当大臣 河野太郎 様
新型コロナワクチンの安全で迅速な接種、
感染封じ込めのための抜本的対策をただちにとってください
2021年5月24日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
高齢者へのワクチン接種が始まりましたが、いまも重症患者は増え続け、緊急事態宣言の延長も取り沙汰されています。高齢者のワクチン接種について、菅首相は「7月末に2回接種を終える」と突然言い出すなど、現場の実態とかけ離れたやり方は、自治体に混乱を広げています。日本のワクチン接種率が世界と比べてケタ違いに低いのは、国産ワクチンがないことが大きな原因ですが、それだけではありません。
ワクチンの供給量や届く日程も早くにはわからないなか、多くの自治体の予約システムは「早いもの勝ち」で高齢者を競わせるしくみになっています。「早くしないと予約がとれない」と、電話やネットがパンク状態でつながらない事態や、パソコンやスマホをもたない高齢者が排除され、朝早くから順番待ちに並ぶ状況も生まれています。
一方で、ワクチン接種を順調にすすめるために自治体独自に工夫しているところもあります。長野県小諸市では、4月末に市内の65歳以上の対象者全員に集団接種の日時を指定した接種券を郵送で届け、都合がつかない場合の日時変更をするコールセンターも設置し、市民に「ストレスがなくありがたい」と喜ばれています。
世界をみても、イギリスでは、昨夏から接種会場や要員の確保を始めていたといいます。他の国も、ワクチン接種のスピードがカギと、接種会場を地域密着の病院や診療所にとどまらず、サッカースタジアムや野球場などのスポーツ施設、教会、娯楽施設など、公共の場を活用し、ワクチン配送も合理的にすすめているといいます。
ワクチン接種を自治体に丸投げし、途中から接種要員に歯科医、救急救命士を、大規模会場もなどという、菅政権の政治的思惑からの場当たり的な対応はもはや許されません。一日も早く全体の見通しを明らかにし、希望者全員がすみやかにワクチン接種できるように、以下要請いたします。
1、根拠のない「目標や期日」で自治体を混乱させることをやめ、実態に即したワクチン接種の工程(ロードマップ)を示すこと。ワクチンの供給スケジュールや配分量等についての確定日を速やかに知らせること。
1、ワクチンの供給と接種という大きな課題を担っている自治体を、医師・看護師、接種機材、集団接種会場の確保などあらゆる面で支援すること。ワクチン接種に協力するための医院休業への補償、医療従事者への適切な報酬を出すこと。
1、「アクセス型の情報発信」ではなく、文書も含めて「通知型の情報発信」を奨励し、誰もが取り残されない方法を、全国の経験に学び普及すること。
1、新規感染者を大幅に減らしコロナを封じ込めるために、高齢者施設や医療機関などでの社会的検査、無症状者への大規模検査をおこなうこと。
1、相次ぐ自粛・休業要請で打撃をこうむっている全業種の事業者、労働者などに十分な補償、医療機関への減収補填、医療体制への公的支援を直ちにおこなうこと。
1、東京五輪・パラリンピックを「犠牲を払って」(バッハIOC会長)まで開催するのは五輪憲章違反であり、直ちに中止を決断すること。
※データは以下よりダウンロード可能です。
【要請】新型コロナワクチンの安全で迅速な接種、感染封じ込めのための抜本的対策をただちにとってください