新日本婦人の会は、5月2日【要請書】「コロナ禍とウクライナ危機、アベノミクス失敗のもと、 物価高騰による暮らしと営業の危機を打開する対策を急ぎ求めます」を内閣総理大臣らに提出しました。
内閣総理大臣 岸田文雄 様
財務大臣 鈴木俊一様
コロナ禍とウクライナ危機、アベノミクス失敗のもと、 物価高騰による暮らしと営業の危機を打開する対策を急ぎ求めます
2022年5月2日
新日本婦人の会
会長 米山淳子
生活必需品の相次ぐ値上げが家計を直撃しています。2022年以降の大手食品メーカー105社の価格改定計画(実施済み含む)の4月調査で値上げは累計6167品目、平均値上げ率は11%に及びます。
背景には、コロナ禍からの経済回復にともなう世界的な商品市場の高騰に加え、ガソリンや灯油の価格と製造・輸送コストの上昇があります。さらにロシアのウクライナ侵略による食料と原材料の価格高騰、アベノミクスの失敗による急激な円安が追い打ちをかけています。
賃金が上がらない中での大幅な生活必需品の価格上昇は、実質賃金を引き下げ、とりわけ低所得者層の貧困化が一層すすむという深刻な事態になっています。
政府は4月26日の関係閣僚会議で、13.2兆円規模の物価高騰の総合緊急対策を決定しましたが、国費は6.0兆円、しかもあらたに措置した国費はわずか2.7兆円にしかすぎません。その内容は石油元売り業者への補助金の延長・拡充や、低所得者の子育て世帯に児童1人あたり5万円の給付、各種支援措置の延長など従来の施策の範囲にとどまり、暮らしの危機を打開する対策としてはきわめて不十分です。
いま求められているのは、消費税の減税で物価を引き下げることです。世界では84の国と地域で、消費税に相当する付加価値税の減税がおこなわれています。日本政府は、新自由主義の政策によって、労働法制や社会保障の連続改悪、消費税増税と富裕層・大企業減税を進めてきたことが経済危機を引き起こしたことを認め、物価高騰による暮らしと営業危機を打開するために抜本的な対策をとるときです。以下、要請いたします。
記
1、消費税を急ぎ5%に引き下げ、インボイス制度の実施は中止すること。
1、給付金は低所得者の子育て世帯に限定せず、対象をすべての困窮する個人に拡大すること。生活保護基準を引き上げること。
1、原油の卸売り価格と小麦の政府売り渡し価格を引き下げ、肥料・配合飼料の価格安定の財政措置をとること。
1、過剰米の国による全量買い上げを実施し、水田活用の直接活用交付金カットを見直すこと。
1、最低賃金(時給)を中小企業支援とあわせて全国一律1500円以上へ、ケア労働者の賃金を大幅に引き上げること。
1、75歳以上の医療費負担2倍化実施を中止し、年金の減額をやめること。
1、小中学校の給食費を無償にすること。
1、民間賃貸住宅を借り上げて供給するなど低家賃の公的住宅の支援を拡充すること。
1、富裕層と大企業への優遇税制を見直し、応分の負担を求めること。
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