2010年5月20日 アクション

700万の署名と行動が世界を動かす!NPT再検討会議 ニューヨーク国際共同行動

核兵器のない世界を ニューヨーク行動に15000人

アメリカ・ニューヨークの国連本部で5月3日から始まった核不拡散条約(NPT)再検討会議。日本から1800人の代表団(うち被爆者100人)が、署名、集会、パレードなど国際共同行動に参加。私たちの集めた国際署名を国連に届け、「核兵器のない世界」への流れを力づよく前にすすめる行動になりました。

カバクチュランNPT会議議長に、署名を手渡す米山淳子新婦人事務局長。右端はドゥアルテ国連上級代表(2日)

カバクチュランNPT会議議長に、署名を手渡す米山淳子新婦人事務局長。右端はドゥアルテ国連上級代表(2日)

ニューヨーク国際共同行動 新婦人参加のおもな日程

4月30・5月1日 国際平和会議
5月2日 国際共同行動デー パレード、国連へ署名提出
5月3日 公開シンポジウム(原水協主催)
5月4日 女性の交流会
※随時、各国国連代表部へ要請 

国際行動デーのパレード出発集会では平野恵美子国際部長が司会を

国際行動デーのパレード出発集会では平野恵美子国際部長が司会を


5月2日 1時
ニューヨークで一番の繁華街・タイムズスクエアの道路に仮設の舞台が登場し、所狭しとパレード参加者が並びます。道行く人も、観光客もみんなが足を止め、いっしょに集会スピーチに聞き入り、被爆者の姿に励まされ、日本代表団の数に驚き、写真を撮って…と、にこやかに、楽しい交流があちこちで。時間を追うごとにふくれあがり、1万5000人を超えます。
この日気温は28度、タイムズスクエア15000人が集まった(2日)

この日気温は28度、タイムズスクエア15000人が集まった(2日)


3時30分
いよいよパレードが出発! 先頭は昨年の「核兵器なくそう女性のつどいIN長崎」で実行委員長をつとめた長崎の被爆者・下平作江さん。
4時
私たちの署名を受け取ることになっているドゥアルテ国連上級代表(軍縮担当)はすでに国連前に到着。今か今かと署名を携えた代表団を待ちます。ところがパレードが大幅に遅れ、国連前にたどり着けません。しかし! 「私は、署名を受け取るために来ています。みなさんのことを、ここで待ちます」とドゥアルテさん。
5時
約束の時間から1時間遅れで、「被爆地の灯」を掲げながら広島・長崎両市長らのパレードが到着。各国のメディアがとりかこむなか、日本原水協を代表して米山淳子新婦人事務局長が、カバクテュランNPT会議議長とドゥアルテ国連上級代表の両氏に「これは私たちの意思であり、希望です」「核兵器禁止・廃絶条約を必ず」と国際署名を手渡し、北海道本部から託された千羽鶴を議長の首にかけました。
5時20分 
ダグハマーショルド広場に積み上げられた署名の山。中央はカバクチュラン議長、ドゥアルテ国連上級代表

ダグハマーショルド広場に積み上げられた署名の山。中央はカバクチュラン議長、ドゥアルテ国連上級代表


署名提出が終ったあと、2人の国連要人が、人込みを抜け道路を渡り歩き出します。後を追って、その訳をたずねると、「(パレード終結地のダグハマーショルド広場に積み上げられた)みなさんの署名をこの目で見たいんです」と。
国連から広場への道は封鎖されていましたが、「私は、明日からはじまるNPTの議長です。日本で集められた署名を見に行きます」と警官を説得し署名の場所へ到着! NPT再検討会議開会を直前に、決意みなぎる2人の姿に感動しました。

5月3日

開会したNPT再検討会議の冒頭、開会あいさつで、カバクテュラン議長が決意を表明。「私は昨日、たくさんの署名を受け取った。各国の代表者はこの熱意に応えなければならない」と。

国連本部で開かれた「原爆展」(日本被団協)に見入る各国参加者 (3日)

国連本部で開かれた「原爆展」(日本被団協)に見入る各国参加者 (3日)


今回のニューヨーク共同行動は、署名にたくされた核兵器廃絶・全面禁止の願いをNPT(核不拡散条約)再検討会議に伝え、反映させるために、日本原水協がよびかけたもの。2日の「核兵器のない世界のために 国際行動デー」のパレードをはじめ、NPT会議への署名提出や各国政府・日本政府変更をプレビュー
ニューヨーク市内で署名行動。折づるが大好評で募金もよせられた(1日)

ニューヨーク市内で署名行動。折づるが大好評で募金もよせられた(1日)


代表団への要請行動、国際平和会議(4月30日、5月1日)、公開シンポジウム(3日)、各階層の交流会など行事をとおして、アメリカと世界の反核平和運動、市民との共同・連帯をひろげることができました。
国際共同行動には、新婦人からは約250人が参加。諸行事の合間には、ニューヨーク市内やツアーの訪問先など、寸暇を惜しんで署名活動にとりくみ、各国国連代表部にも要請。新婦人はロシア代表部(中央本部)やエクアドル代表部(岐阜・沖縄)への要請に参加。どこでも注目されたのが、山積みされた段ボール箱の国際署名「核兵器のない世界を」。日本から690万1037人分の署名を持ち込んだこと、そのうち新婦人が150万を集めたことを伝えると、どよめきと拍手がわきおこります。
共同行動の主催者の一人、アメリカ・ピースアクションのジュディス・ルブランさんは、「日本の代表団との国際会議やパレード、地域の活動家として、平和の組織者としての新婦人のとりくみは、アメリカの平和運動に新しい命を吹き込み、大きな励ましとなった」と発言(4日 女性の交流会)。
リバーサイド教会でおこなわれたNGO主催の国際平和会議の閉会総会でスピーチするパン・ギ

リバーサイド教会でおこなわれたNGO主催の国際平和会議の閉会総会でスピーチするパン・ギムン国連事務総長 (5月1日)


パン・ギムン国連事務総長は、「私はみなさんがどれだけ犠牲を払って活動しているか、どれだけ勇気を持って行動しつづけてきたかを知っています。私は核兵器廃絶条約を支持し、すべての国、とりわけ核保有国に責任を果たすよう呼びかけます。核兵器廃絶を達成した日には、世界がみなさんに感謝するでしょう」と、自身の決意とNGOの草の根の活動への期待を、熱く語りました(1日 国際平和会議)。
いままさに歴史の転換点。私たちが一人ひとりに語りひろげ、揺り動かし、積み上げてきた署名や運動のひろがりが、世界の運動を励まし、国連の指導者まで動かしている、「いま核兵器廃絶こそが世界の本流、絶対に廃絶までがんばる!」と、つよく胸に刻んだニューヨーク行動でした。
NPT再検討会議は5月28日まで続きます。どんな方針をだすのか、世界が注目するなか、いっそうの働きかけで前へおしすすめようと、参加者は帰国後さっそく各地で報告会や署名活動、自治体首長への訪問などの先頭に立っています。

被爆国女性の願い 伝えた!

“共感と連帯”熱気あふれた「女性の交流会」

「核兵器のない世界を」女性の交流会 (4日) (写真提供・森住卓)

「核兵器のない世界を」女性の交流会 (4日)
(写真提供・森住卓)


5月4日、新婦人の呼びかけで開いた「核兵器のない世界を」女性の交流会は、女性・ジェンダーの視点で核廃絶の問題を考える画期的な場に。全国の新婦人の会員の思いが込められたタペストリーやピースフラッグ、ちひろ美術館提供の特大横断幕が壁一面にはられた会場に、350人がつどいました(海外約50人)。スライドでのNPTに向けた新婦人や日本の女性たちのとりくみの紹介に続いて、昨年日本母親大会と原水爆禁止世界大会の参加した元米陸軍大佐のアン・ライトさん、女性平和基金で2度来日したWILPF前事務局長のスージー・スナイダーさん、今回のニューヨーク行動の主催者ジュディス・ルブランさんはじめアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、マーシャル諸島から9人が発言。「平和に生きられる世界とは核兵器のない世界」「平和は人権」「医療、教育、芸術にこそお金を」など女性のメッセージは世界共通。発言者はみんな女性平和基金で来日したり、国連の会議を通じて交流してきた女性たちです。
広島んぼ免田裕子さんの被爆証言、沖縄の棚原朋子さんの基地反対のたたかいの報告、7000署名を集めた長崎の東よね子さんの元気な発言で、参加者の思いがひとつになった交流会でした。
(新婦人中央本部から、米山淳子事務局長、平野恵美子国際部長、西川香子平和部長の3人が参加)

詳細月刊『女性&運動』2010年7月号

 

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