新日本婦人の会は、3月7日【要請】「健康保険証廃止法案の閣議決定に抗議し、撤回を求めます」を総務大臣などに提出しました。
【要請】健康保険証廃止法案の閣議決定に抗議し、撤回を求めます
総務大臣 松本剛明様
デジタル大臣 河野太郎様
厚生労働大臣 加藤勝信様
2023年3月7日
新日本婦人の会中央本部
会長 米山淳子
「ほぼ全国民のマイナンバーカード取得」を目標に掲げる政府は、2023度から「カード」の取得率によって地方交付税の算定に差をつけ、健康保険証の廃止を含むデジタル法案の、本日、閣議決定につよく抗議します。
昨年10月、2024年秋まで健康保険証(以下、保険証)を廃止する方針を河野デジタル大臣が突然表明しました。世論の大きな反発を受け、紙の保険証の廃止後、保険証と一体化したマイナカードによるオンライン資格確認を基本とするが、「カード」を取得していない人には新たに資格確認書を発行し、医療機関を受診できるようにするとしています。資格確認書の記載内容は健康保険証と同様の情報(氏名・生年月日、被保険者等記号番号、保険者情報等)が記載されており、健康保険証を廃止する理由は一つもありません。
現在、健康保険証は、保険者である健康保険組合や市区町村の責任で、有効期限が切れる前に国民に郵送されています。しかし、今回導入するという資格確認書の有効期間は最長1年、発行には本人が申請しなければなりません。申請漏れ等により、医療機関窓口で「資格喪失」や「無保険」扱いとなることが懸念されます。
保険証を廃止し、保険証とマイナンバーカードの一体化することは、「カード」取得の事実上の強制です。「カード」の取得や利用が困難な高齢者・家族などのさらなる負担になります。日本弁護士連合会は、保険証の廃止はマイナンバー制度の根拠となる番号法の申請主義(任意取得の原則)に反すると反対声明を発表し、デジタル庁の専門家会議では、制度の利用範囲拡大について、個人情報、プライバシー、個人が望まないプロファイリング(人物像の推定)などへの懸念の声が出されています。
健康保険法は、保険料を支払っている被保険者に対して保険者が保険証を発行することが義務付けられています。保険者の責任で保険証を届けることは、いつでもどこでもだれもが医療が受けられる国民皆保険制度の大前提です。国民皆保険制度の崩壊にもつながる健康保険証の廃止はぜったいに許されません。以下、要請します。
記
1、現行の健康保険証を廃止する法案を撤回し、資格確認書を発行しないこと
1、マイナカードの取得率によって地方交付税の算定に差をつけ、地方自治体に対して圧力をか
けることをやめること
※データは下記よりダウンロードできます
【要請】健康保険証廃止法案の閣議決定に抗議し、撤回を求めます