新日本婦人の会は、1月12日、【要請】「能登半島地震にあたり、被災者の命を守るためにあらゆる手立てを取り 被災者に寄り添った支援を緊急に求めます」を内閣総理大臣らへ提出しました。
2024年1月12日
内閣総理大臣 岸田文雄様
内閣府(防災担当)大臣 松村祥史様
新日本婦人の会
会長 米山淳子
能登半島地震にあたり、被災者の命を守るためにあらゆる手立てを取り 被災者に寄り添った支援を緊急に求めます
能登半島地震による甚大な被害の実態が日々明らかになり、初動の遅れも指摘されるなか、災害関連死も生じています。専門家の英知を集め、あらゆる力を結集し、予算拡充もおこない、支援することが求められます。被災した現地の会員からも厳しい寒さのなか、「水、食料、燃料、薬も不足し不安だらけ」との切実な声が届き、避難所の劣悪な環境に耐えられず危険な自宅に戻る人も出ています。道路や港湾での陥没や隆起で物流が滞り、通信の途絶で、孤立集落はさらに厳しい状況です。また住まいだけでなく観光、漁港、伝統産業など生業への打撃も深刻です。大きなダメージを受け、「もう暮らせない」と将来への不安を感じている被災者も多く、これまでの枠や規定を超え、被災者に寄り添った支援が切実に求められます。以下、緊急に要請いたします。
記
1、被災者の命を守るためにあらゆる手立てを取り、不安を感じている被災者に寄り添い、新型コロナ感染症対応時並みの特別支援をとるなど、抜本的に支援を強化してください。
1、避難所ごとに異なるニーズ、要望を集約し、必要な人に必要なものが届く体制を整えてください。女性の意見を反映させ、民主的な運営がはかられる避難所の体制づくりを支援してください。地域には高齢者が多く、高齢者用おむつ(尿取りパット、リハビリパンツなど)や下着も不足しています。
1、孤立状態にある集落で2600人超の住民が救援を求めています。海上、ヘリコプターやドローンなどあらゆる手段を駆使し、救出や物資提供を早急に行ってください。
1、下水が使えず、断水が続く地域ではトイレ環境が劣悪で、衛生状態の悪化による感染症、水分摂取を控え、エコノミー症候群発症など健康が損なわれる恐れがあります。洋式の仮設も含めトイレ対策強化、女性が夜間も安心して利用できるようトイレ周辺の照明や設置場所も配慮し、安心して使えるトイレの増設対応をしてください。
1、災害関連死を防ぐために、人権も守られていない避難所環境の改善(段ボールベッドやパテーション配置、入浴体制を確保)、在宅、ビニールハウスや車中泊の避難者への支援強化、ホテル・旅館も活用した十分な災害住宅を確保し、コミュニティー維持も考慮した避難をすすめてください。
1、被災者の精神的なケアのためのソーシャルワーカーの派遣をしてください。
1、原発の状況について、迅速に正確な情報を開示し、原発は直ちに廃炉してください。
1、被災者支援、観光、漁港、伝統産業など地域復興に欠かせない中小企業の事業継続、失業回避のため国の責任で支援を強め、周知徹底してください。住宅再建のための被災者生活再建支援法拡充とともに、被災自治体の裁量で使用できる十分な復興財源を確保してください。
1、大軍拡、万博やカジノ推進を止め、その予算を被災地支援に回してください。
※要請文は以下よりダウンロード可能です。
【要請】能登半島地震にあたり、被災者の命を守るためにあらゆる手立てを取り 被災者に寄り添った支援を緊急に求めます