新日本婦人の会 会長 笠井貴美代
安倍政権は、11月12日、結婚していない男女間に生まれた子ども(婚外子)の遺産相続分を法律上の夫婦の子の2分の1としている規定を削除する民法改正案を閣議決定し、衆議院に提出しました。これは、同規定が「法の下の平等」を定めた憲法に違反し無効とした最高裁判断(9月4日)を受けたもので、あまりに遅すぎたとはいえ、当然です。
同時に、出生届に「嫡出子」か「嫡出でない子」(婚外子)かの記載を義務付けた規定を削除する戸籍法の改正が、「家族制度が崩壊する」との自民党内の強硬派の反発で見送られたことは、差別を温存する時代錯誤であり、強く抗議します。
さらに今回、夫婦同姓の強制、女性のみに規定されている再婚禁止期間、男女で異なる婚姻最低年齢など、明治時代の旧民法の家制度を引き継ぎ、残されている民法の女性差別規定の改正になんら手をつけなかったことは重大です。
9月、国連女性差別撤廃委員会は、日本政府に対し、夫婦別姓選択などの民法改正の「不履行」を厳しく指摘し、さらなる追加的情報の提供を勧告したばかりです。
新日本婦人の会は、戸籍法改正、選択的夫婦別姓制度の早期実現など民法に残されているすべての差別的条項の撤廃をただちにおこない、日本国憲法にもとづく人権と平等の施策をすすめることを求めるものです。
【請願書】婚外子相続規定削除とともに戸籍法を改正し、民法のすべての差別規定撤廃を強く求めます