新日本婦人の会は、女性の要求実現と子どもの幸せのために全国で運動している国連NGOの女性団体です。
私たち親にとって、子どもたちが健やかに成長することは何よりの願いです。しかし、いま競争をあおる教育が学校現場に持ち込まれ、多くの子どもたちは強いストレスを抱えています。さらに拍車をかけるように文部科学省は、従来の方針から転換し、全国学力テストの学校別結果の公表を認める方向で検討しているとの報道に、大変驚いています。
全国学力テストの結果は「学力の特定の一部分」で、「学校における教育活動の一側面にすぎない」とし、テストが「序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮する」としてきた文科省の説明とも矛盾します。公表を認める方向に転換することは、さらに競争に拍車をかけることにつながります。「平均点を上げる」「順位を上げる」ことだけが目的化され、かえって豊かな学力を形成することの妨げになると教育研究者も指摘しています。
学校教育は、競争に勝つことを喜びとする人間をつくることではなく、お互いに支えあって生きることを学ぶ場です。教育には学力も大切ですが、友だち同士の信頼関係を築く、自分と異なった考えの人とも協力できる力をつけるという、一個の人間として成長を促す役割があるのではないでしょうか。学校に学力テスト対策で点数アップだけを求めるのではなく、子どもたちに豊かな学力を保障するため、以下要請します。