内閣総理大臣
安倍 晋三 様
新日本婦人の会
会長 笠井 貴美代
安倍内閣は1日の閣議で、武器輸出三原則を廃止し、武器や関連技術の海外提供を解禁する「防衛装備移転三原則」を決定しました。これまでも「例外」規定を設けるなど、形骸化を狙ってきましたが、今回の閣議決定は、国会審議もいっさいなく、日本国憲法の平和主義を根本からふみじる行為であり、とうてい許されるものではありません。
外務省が2008年に発行したパンフレットでも、「(日本は)武器輸出3原則に基づき、原則として武器輸出を行っていません。輸出を前提とした軍需産業もありません。国際社会に小型武器問題が提起されて以来、国連を中心とする枠組みを通じて国際社会をリードしています」と記しています。このすべてを投げ捨てる閣議決定は、平和を求める世界の流れとも逆行するものです。
防衛産業でつくる経団連の防衛生産委員会は2月、武器輸出三原則の大幅な緩和を求めるよう自民党に提言し、経団連の米倉弘昌会長は武器輸出解禁の閣議決定に対し、「大いに歓迎」とコメントをよせています。
安倍内閣はアメリカとこれら一部の日本の軍需企業の利益のために、世界に誇る平和主義を葬り去ったのです。これが、安倍首相が語る「積極的平和主義」の本質であり、紛争の解決にはけっして武力をつかわないとする日本憲法9条とは相容れないものです。
新日本婦人の会は、武器輸出解禁に満身の怒りを込めて抗議するとともに、すみやかな閣議決定の撤回と、日本国憲法の遵守を強く求めます。
抗議文 武器輸出解禁に怒りを込めて抗議し、 日本国憲法を遵守することを強く求めます