新日本婦人の会中央本部
子ども・子育て支援新制度は、2012年8月に社会保障と税の一体改革の一環として消費税増税とセットで成立しました。政府は新制度を2015年から実施しようとしていますが、新制度については親の願いにこたえ子どもの立場にたっていないと、私たちは反対の声をあげてきました。
しかも新制度実施にあたって当初案の1兆1000億円から、すでに7000億円に縮小し、保育士の「質」の部分を後退させる案が提示されています。
私たちは,憲法、児童福祉法にもとづく国と自治体の公的責任、最低基準の遵守、公費による財源保障を基本に子どもの保育を受ける権利と女性の働く権利を保障する立場で、以下、「子ども・子育て支援新制度の基準」府省令案の策定にむけたパブリックコメントを提出します。
「特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業に関する基準」案に対する意見(内閣府)
特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業には、市町村が保育の実施に責任を負う保育所と、その他直接契約の施設・事業があります。市町村責任が異なるこれらの施設においてはそれぞれに運営の基準を定めてください。基準案では明確な区別が示されず、直接契約が中心の設定になっていることは問題です。保育園の入所選考は、児童福祉法第24条1項に基づき、市町村が行うことを明記してください。
「幼保連携型認定こども園の学級の編成、職員、設備及び運営に関する基準」案に対する意見(内閣府)
新たに設定される幼保連携化型認定こども園の基準については、少なくとも現行の保育所・幼稚園の基準を下回らないようにしてください。
職員の配置基準は保育所の現行基準を基本に、これを改善し、充実してください。
「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」案に対する意見(厚労省)
家庭的保育事業等の基準は、現行認可保育所の基準を下回るものとなっています。子どもの受ける保育において格差を持ち込まないでください。認可保育所の基準を下回らないように、保育者は、全て保育士資格者としてください。
「児童福祉施設の設備運営基準」案に対する意見(厚労省)
保育室の設置にあたって最大の課題は、乳幼児の安全・安心の確保です。保育室の設置は4階以下の低層階に限定すべきで、4階以上の保育室設置要件に反対します。
「子ども・子育て新制度」基準等に関するパブリックコメント