新日本婦人の会会長 笠井貴美代
29日、関西電力は高浜原発3号機の原子炉を起動し、再稼働を強行しました。東京電力福島第一原発事故後、九州電力川内原発1、2号機につぐ再稼働に怒りをもって抗議するとともに、ただちに停止させることを強く求めます。
高浜原発3号機は、危険性が指摘されているプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電で、使用済み燃料を保管するプールに余裕も無く、再処理で発生する最終処分の見通しも立っていません。周囲には廃炉中を含め15基の原子炉が集中していますが、事故をおこす危険性などは審査されず、避難計画が義務づけられている30㎞圏内には京都府舞鶴市や綾部市、滋賀県高島市など12市町、その先には関西の水瓶の琵琶湖もあります。関西電力を使っている住民や自治体に説明や同意もなく、再稼働を強行したことに地元住民はじめ全国から怒りの声がひろがっています。
高浜原発については、昨年4月福井地裁が再稼働を差し止める仮処分を決定しましたが、関西電力が控訴し昨年末同じ地裁が仮処分を取り消しました。判決は規制委員会や関西電力いいなりと厳しく批判され、住民側が名古屋高裁金沢支部に保全抗告しており、その判決も出ないうちに再稼働を強行することに道理はありません。
福島第一原発事故で明らかなように、技術的に未完成で事故の発生を完全に防げない原発は運転すべきではありません。福島では事故から4年11ヵ月経った今も、被災者の生活と生業は再建できていません。約10万人もの人たちがふるさとを奪われ、劣悪な仮設住宅での避難生活を強いられ、身体や心を害する人が増えています。事故の収束も原因究明も終わっていません。このような状況で原発再稼働など、絶対に許されることではありません。
政府は高浜原発3号機をただちに停止し、原発ゼロを決断し、世界で主力となっている再生可能エネルギーを中心とする政策に転換することを強く求めます。
【抗議】関西電力高浜原発3号機の再稼働に断固抗議し、ただちに停止させることを求めます