新日本婦人の会中央常任委員会
7月7日、国連の会議で人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が、122カ国の圧倒的多数の賛成(保留1、反対1)で採択されました。広島・長崎への原爆投下から72年、「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ」を合言葉に、被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める各国の市民社会、各国政府、国連の共同のとりくみが、ついに禁止条約として結実したのです。新日本婦人の会は、この条約の採択を心から歓迎します。
条約は、核兵器のもたらす残虐性や非人道性を告発し、核兵器の使用はもとより、開発、実験、生産、製造、取得、貯蔵、締約国の領土への配置、さらに使用の威嚇も含むすべての行為を禁止した画期的な内容です。また、ヒバクシャや核実験被害者の“受け入れがたい苦しみと危害”に言及し、ヒバクシャをはじめ市民社会の役割、とりわけ女性の役割を強調し、平和・軍縮教育の重要性を明記したことも重要です。
新日本婦人の会は、創立いらい55年間、どんなときにも平和のとりくみを手放さず、草の根からの運動で核兵器廃絶を求め続けてきました。若い世代とともに被爆者の証言を聞き、原爆パネル展を広げながら、また証言集やパネルを学校などに贈る運動もすすめて、署名を積み上げてきました。国連に届けた署名は1550万を超え、さらにいま、とりくんでいるヒバクシャ国際署名は52万となり、住民、自治体ぐるみの運動へと日に日に広がっています。これらすべての活動が生き、条約に反映されたことは大きな励ましです。
条約の調印は、9月20日にすべての国に対して開かれ、批准国が50カ国を超えたあと90日で発効となります。新婦人は、すべての国、とりわけ核保有国とその同盟国に対して、この条約を支持し、加わるよう求めます。唯一の被爆国であるにもかかわらず、この条約に背を向ける日本政府に対し、すみやかに条約に加わり、他国にも働きかけることを強く要求します。
条約への参加を促し、さらに核兵器禁止から全面廃絶へとすすめるうえでも、ヒバクシャ国際署名のとりくみを強め、圧倒的な世論で政府に迫っていきましょう。
また、女性・市民と野党の共闘を発展させ、外へ外へとレッドアクションを広げながら、大きな仲間づくりで安倍政権を退陣に追い込み、核兵器禁止条約を支持する政府をつくっていきましょう。
新日本婦人の会は「核兵器のない世界」の実現まで、会をあげて力をつくす決意です。
【声明】核兵器禁止条約の採択を心から歓迎します