新日本婦人の会中央常任委員会
12月16日投開票で第46回衆議院議員選挙がおこなわれ、294議席を得た自民党と31議席の公明党による安倍晋三政権が26日にも発足します。民主党は230から57議席へと激減、「第三極」とされた日本維新の会54議席、みんなの党18議席、日本未来の党9議席、また日本共産党8議席、社民党2議席でした。今回、投票率が59・32%と戦後最低を記録し、白票などの無効票も200万を超えました。政治への不信と怒りをつよめながら、女性・国民が悩み迷った末の行動といえます。マスメディアの「政権選択」「第三極」キャンペーンも異常でした。
自民党の「大勝」は、「民主政権への失望」(81%)が理由で、「自民の政策を支持」(7%)したからではないと世論調査も示しています(朝日新聞)。しかも自民党が小選挙区の得票率43%で8割の議席を独占したのは、1人しか当選できず大量の死票を生む選挙制度の結果です。そのため、消費税増税反対は国民の過半数なのに議席は1割、脱原発が6割なのに議席は3割(東京新聞)など、民意と議席は大きくかけはなれています。
とりわけ、見過ごせないのは、集団的自衛権の行使はもとより、「国防軍」の明記など憲法9条改悪を公然とかかげる自民党と維新の会の議席をあわせて、衆議院で改憲の発議を議決できる3分の2以上の議席を獲得したことです。日本軍「慰安婦」問題の解決や民法改正などに背をむける改憲勢力のあらたなジェンダーバックラッシュも予想されます。今回の選挙で女性議員が54人から38人(11%から8%)に減り、2012年10月のIPU(列国議会同盟)による女性国会議員ランキングで世界190カ国中143位からさらに後退します。
くらし・平和への女性・国民の願いは切実です。その実現をはばむ財界・アメリカいいなりの政治からの転換を求める声はさらに高まり、日本の「右傾化」はアジアや世界との矛盾も深めざるをえません。
新日本婦人の会は、1月開会の通常国会、夏の参議院選挙に向け、女性や国民の切実な要求で運動をつよめながら、ひきつづき「私が選ぶ!女性の願いかなえ、いのち守る社会へ」と紙芝居や新婦人しんぶんでのおしゃべり、学習をひろげていきます。侵略戦争も核兵器もノー―新婦人創立50年の平和の原点にかけて、「わが子を戦場に送らない」「9条いかした平和外交こそ」と広範な人びととの共同で改憲勢力のたくらみを許さず、憲法9条を守りぬき、多様な民意を反映する選挙制度への改革、女性の人権と地位向上めざす運動をひろげていく決意です。