2020年5月17日新型コロナウイルス

長~い休校❕ 家庭学習どうしよう❓

 新婦人しんぶん4月23日号2面の記事を紹介します。

 「外出自粛」や休校が長期化し、生活の困窮や先行きの不安もあり、親も子も、心労が絶えません。そのうえ、新学年での長期休校で勉強は全部、家庭学習に…。さあ、どうしよう?と、「困った」の声がたくさん寄せられています。現役の先生(仮名)にアドバイスをもらいました。

 

【小学校編】感性を育てるチャンスに 鈴木綾香さん(小学校教諭)

 子どもたちは、今回、“詰め込み勉強”からちょっと離れるチャンスです。感性を育てる生活体験を意識してみてはどでしうか。私は3年生を担任しています。学校ではこの時期、種まきをします。種をまいて、水をあげて植物を育てる。土に触れて、昆虫を探したり、自然に目を向けて細かいことを観察する体験をします。社会科でも身近な地域のようすを調べたり、自分の世界だけでないものとの出会いを探求します。とくにこの時期は、感性を育てることを大事にしましょう。音楽を聞いたり、絵を描いたり、本を読んだり。本は読むだけではなく、どう思ったかを話したり、聞いたり。それから工作や作文、料理など、自分で考えてものを生み出すことがたくさんあるといいなと思います。

 

答えよりも探求を

 学校では、「答え」を知る授業ではなく、その年齢の発達を促進する授業をおこなっています。例えば算数の割り算も、ポンと「答え」や結論を知ってしまうのではなく、どんなふうに考えるのかの探求を大事にします。なんでだろう?とか、まわりの友だちはどう考えたのかを話し合いながら、答えを考え出していく。学び合いながら、日々わかっていく喜びを体験します。家庭学習のときも、「どうしてそう考えたのか」「私はこうしてみた」など、話し合ったり、聞き合ったりしてみてください。とり戻す力は生活力!

 

とり戻す力は生活力!

 それでも家庭での学習、きついですよね。親子でいると、どうしても親が子どもに「教える」になってしまいます。そうすると、そんなつもりはないのに、けんかになりがちに。「どうしてそう思ったの?」「どんなふうに考えたの?」と親が聞き手に回り、「なるほど」と言った方がけんかにならずにすむようです。教師も同じで、子どもがたくさん語る授業の方がよい授業と言われています。がっつり家庭で学習する子と、さまざまな事情でそうできない子の格差が心配です。知識量だけなら、そのまましばらく格差が残るかもしれません。でも、生活力があれば取り戻せるのでは、と考えています。

 

 

【中学校編】「自立」をテーマに 矢口夕子さん(中学校教諭)

 中学生に接するときの大事なポイントは、「思いを聞く」です。
 中学生は、「自立」を習得する時期です。学校から出されている課題も、親と一緒にやるものではなく「一人でおこなう」ことを前提に出されています。とくに2、3年生の学習は難しくなります。

 

支えるのは生活面

 保護者は、勉強よりも生活面を支えることを意識してはどうでしょうか。
 そこでもテーマは「自立」です。たとえば、昼食づくり。「作る」とき、何を大事にするのかを話し合ったり、いつもは何を大事にして作ってきたかを話してみたり。思い切って「任せる」という経験も、自立にむけて大事なことです。
 自分で一日をどう過ごすか、という計画を立てましょう。でも、たとえその通りにできなかったとしても、責めるのではなく、「どうだった?」と聞くことを大事にしてください。

 

根っこはまじめ

 休校が長引くと、出された課題をやり終えてしまったり、また、やる気がなくなったり、きっとグダグダしてくることでしょう。
 「もう一回やってみたら、本当にわかったかどうかが、わかるよね」と、課題にもう一度とりくんでみたり、中1だったら、小学生のときの勉強の復習でもよいと思います。「やれた」「わかった」を大事にしましょう。
 ここでも基本は「どう?」と聞くことです。どんなにグダグダしていても、「もういやだぁ」となっていても、中学生は根っこはまじめです。聞いてあげること、共感することです。

 

基本的な感染予防を

 日常生活の中で、基本的な感染予防をすることが大事です。子どもたちは、スマホやゲームを友だちと共有することも多く、それらを触った手でお菓子を食べたりして、感染を広げかねません。食べる前に必ず手を洗うことをこの期間に習慣にすること。ジョギングなどの運動をしてもいいと学校からも言われているはずです。恐れるばかりではなく、外で体を動かすこともよびかけましょう。

 

 

新婦人の運動が動かし全国学力テスト中止に!

萩生田文科大臣は17日、今年度の全国学力テストの中止を発表。「延期ではなく、中止を」の各地からの運動が実りました。

 

※記事のデータ(PDF)はこちらから

長~い休校❕ 家庭学習どうしよう❓

 

 

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