結成大会宣言
declaration宣 言
私たちはここに、かたく手をとりあって、ひとりの婦人も泣くことのないように、しっかりした考えとあたたかい友情によって支えあい、永遠の平和をめざしてすすむことを誓いました。
新憲法によって約束された平和と人権尊重・婦人解放の思想をどんどんあとがえりさせる今日の政治はかつて、戦争を準備して、私たちを耐乏生活においやり、婦人を苦しめやつれはてさせたときのことをまざまざとおもいださせるものがあります。すべての子どもの教育をうける権利・生活の安定、働く権利、社会保障など、すべてみせかけで、実は選挙のスローガンやムードに過ぎなかったことを見抜かずにはいられません。
日本国土にある二百余のアメリカ軍事基地は、次々に核武装され、政府がいま妥結をいそいでいる日韓会談は、東北アジア軍事同盟をかため、戦争の道へおいたてる結果になることを私たちはおそれます。
そして現在の生活の悩み、不安のいっさいの根源がここにあることを知っています。愛する家族とともに平和に暮したいという、ごくあたりまえな願いは、誰でも共通のものでありましょう。人のいのちを軽視し、他民族のしあわせをふみにじる好戦主義者のどのような飾ったことばにも動かされず、たたかってゆく強い決心をかためることは、こんにち日本だけでなく、全世界の心からの共鳴をよぶものと信じます。
婦人が平和のにないてになるという大切な時が来たことを、ひしひしと感じさせられた去年の暮れ、長い間婦人の解放のために働いてきたものたちが、全国的に統一した婦人組織をつくろうとよびかけ、これに応じて徐々に、また急速に、いたるところに仲間づくりの輪がひろがりました。
こうして九カ月、きょうここに私たちは一つ心に結ばれて独立と平和、婦人解放の斗いをともにする感激で心をいっぱいにしています。一九六二年十月十九日は、きっと日本婦人にとって記念すべき日となるでしょう。
その名も「新日本婦人の会」としていま発足する私たちの組織は、次の目的のために運動をすすめます。
核戦争の危険から婦人と子どもの生命を守ります。
憲法改悪に反対、軍国主義の復活を阻止します。
生活の向上、婦人の権利、子どものしあわせのために力をあわせます。
日本の真の独立をかちとり、民主主義をまもります。
世界の婦人と手をつなぎ永遠の平和をうちたてます。
右宣言します。
一九六二年十月十九日
新日本婦人の会結成大会